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東方滅界録  作者: 坂上儚月
第一章-来訪者、そして謎-
7/12

第五話-二人の殺し屋と新たな仲間-

殺し屋…それは依頼主からターゲットの情報を得ると、どんな手を使ってでも仕留める闇の者達。


しかし、そんな殺し屋も全員が完璧では無い。少々油断してドジる事もあるのだ。



竜神は現在紅魔館のロビーに立っていた。本来ならこの紅魔館で作戦会議を行う予定だったのだが…


「全く…面倒な事になっていやがる…」


竜神はナイフを創り出して構えると"誰かが戦った後のあるロビー"を慎重に歩き始めた。


「ったく…何で俺はこうも不幸体質なのかねぇ…」


竜神は後から来ると思っていた時龍を探し始めた。


「…誰かがスキマを弄りやがったから別の場所に出ちまったんだろうが…探すのが面倒だな…」


そんな風にボヤいていると突然紅魔館の明かりが全て消えた。


「…やっぱり神社で祓ってもらった方が良いよなぁ…」


竜神はポケットに入れてあった小さなライトを取り出すとナイフを逆手に持ってライトを前に照らした。


「まるで人の気配がしない…一体何処に行ったんだ?」


しばらく歩いていると、近くの部屋から物音がした。竜神はその部屋に慎重に近づいて行くとナイフを構えて扉の横に行った。


(さてさて、敵と出るか味方と出るか…)


竜神は部屋の扉を蹴破ると、勢い良く中に飛び込んだ。そこに居たのは…まだ歳も若い一人の少女だった。


「ん?お前は誰だ?どうしてこんな所に居るんだ?」


少女はこちらのライトの逆光で見えていないのか眩しそうにしていた。


「おっとすまん。明るかったか。」


竜神がライトを下げて少女に向き直った時には既に少女の姿は消えていた。


「な!?何処に行った?!」


竜神が辺りを見回していると、上から僅かに気配を感じた。そして、殺気も感じた。


「っ…!」


竜神は反射的にナイフを上に振り上げると、ガキィンと音がなり少女が振り下ろしていたナイフを弾いた。


「へぇ、私の攻撃を弾くなんてやるじゃない。」


「よく言うぜ。俺に気配を探知させてわざと見つかり、その後に隙を見つけて瞬時に気配を消して上から攻撃する…本当、俺って不幸体質だな…」


「あー、まあ不幸体質かどうかは知らないけどここの人達を全員殺せってのが依頼だからね。あんたが誰なのかは知らないけど死んでもらうよ!」


言うや否や、少女は再びナイフを構えると突っ込んできた。


「いや…後ろか!」


竜神は突っ込んでくる少女を無視して後ろにナイフを振った。すると、前から突っ込んで来ていたはずの少女が後ろから喉元目掛けてナイフで突こうとしていた。しかし、前を向いていたはずの竜神が後ろを向いた事により驚いてしまい、ナイフは喉元では無く竜神の髪の毛を数本斬るだけに留まってしまった。そして逆に攻撃を食らってしまったのは少女の方だった。


「痛っつ!もう、女の子相手なんだから容赦してよね!」


少女は頬に竜神のナイフを少しだけ掠っていた。そして、流れて来た血を手の甲で拭うと再びナイフを構え直した。


「馬鹿…こちとら命のやり取りしているんだ。相手が誰だろうと容赦はしねぇ…」


少女は竜神の目を見ると完全に戦闘を楽しんでいる様な目になっているのに気付いた。


「…もしかして結構な戦闘狂?」


「もしかしなくても戦闘は大好きだ。つまりは偶然相手が悪かったって事だ。」


竜神は片手に持っていたライトを腰のベルトに固定すると、ナイフをもう一本取り出した。


「さあて、戦いを再開しようじゃないか。」


「…ふふふ、良いわ…私も久しぶりにやり甲斐があるものよ!」


二人はジリジリと狭い部屋の中でお互いにナイフを構えて詰め寄ると、一瞬の間を置いてぶつかった。狭い部屋の中だったが、二人はその狭い部屋を逆に利用して上手く戦っていた。時には机に置いてある羽根ペンを相手に素早く投げつけ隙を作り出したり、近くに立て掛けてあった箒で攻撃を受け流したりもした。


「…あなた本当に人間?動きがまるで人間のそれとは確実に離れているのだけど…」


「それはそっちもそうだろう。何だよあの動きは…攻撃しようとしたら壁を使って後ろに回り込んだりしたりしてきやがって…忍者かっての。」


二人は全く息を切らしていなかった。寧ろ闘争心が高くなっているのか、所々に負っている傷すらも気にしていないようだった。しかし、少女は不意に後ろの扉をチラリと見ておかしな事を言った。


「さて…そろそろ向こうでもカタが付いたかな?」


「向こう?」


竜神は少女の言ったことの意味が分からなかったが、すぐにその意味を知ることになる。


「…こっちは終わったわよ。刹那の方は終わったのかしら?」


竜神が相対している少女の後ろの扉からもう一人の少女が入って来た。しかし、ライトで照らされたその姿は誰かの血飛沫を浴びていた。


「あ、優奈。いやね、この人が物凄く強くてね。手こずっているのよ。」


二人の少女はそんな会話をしていたが、竜神はそんな会話は耳に入っていなかった。それよりも気になっていたのは先程入って来た少女に着いている返り血だった。


「おい…その返り血は…」


「え?ああ、これね。全くこっちの方も大変だったのよ?執事服を着て長い刀を使っていた男の人。何とか動けなくなるまで切り刻んであげたけど…」


少女は何か言おうとしたが、それは言えなかった。先程まで刹那と戦っていた男からとてつもない殺気…いや、殺気を通り越して寒気しか感じなかったが…兎に角、まるで蛙が蛇に睨まれた様な感覚に陥ってしまった。


「こいつ…本当に人間?」


「…知らないけど、人間が出せる殺気じゃないよね?」


竜神は二人の会話が既に耳に届いていないのか、ナイフを構えて…消えた。


「消えた!?何処に行った?!」


二人は竜神の姿を探したが、部屋を包み込む様に寒気を含んだ殺気のせいで何処にいるか分からなかった。


「っ…が!?」


すると突然刹那の方から短い唸り声が聞こえた。急いでそちらの方を向くと、脇腹を抑えて蹲っている刹那を目に捉えた。


「刹那!?大丈夫!?」


「だい…じょうぶ…とは言い難いかな…?」


刹那の脇腹を見ると紅い鮮血が流れていた。


「くっ…暫く耐えれそう?」


刹那はフラフラと立ち上がると何とかナイフを構えた。


「暫くだけだったらね…」


刹那と優奈はお互い背を向き合うとナイフで辺りを警戒した。


「まさかこんな苦戦するとは思わなかったわね。」


「苦戦どころか…既に昇天しかけてるけどね…」


「冗談が言えるならまだ大丈夫そうね。」


二人は苦戦しているにも関わらず少し余裕を持っていた。


「でも流石に出血が多いかなぁ…」


刹那はやはり立っているのが限界に近いのかフラフラとしていた。すると、すぐ頭上から一際と大きな殺気を感じた。


「…!刹那避けて!」


優奈は刹那に向かって叫んだが、刹那は避ける体力すら残っていないのかその場に蹲ってしまった。優奈は刹那を守ろうとしたが、何処から攻撃が来るか分からない為、自分自身も死を覚悟した。しかし、一向に竜神からの攻撃は来ない。それ所か頭上から鈍い音でゴンッと言う音が聞こえた。優奈は上を見てみると、何も無い空間から刀の鞘が飛び出しており、それが竜神の頭を直撃していた様だった。


「全く…暴れるのは構わないが、もう少しコントロール出来るようにしろよな?」


鞘の飛び出していた空間から何と人が出て来た。しかもその人物は先程殺したはずの執事服を着た男だった。


「な…!確かあんたは殺したはず…!」


「ん?ああ、さっき襲ってきた子か。さっきはよくも俺を殺してくれたな?お陰でムカついたから無理矢理生き返って戻って来た。」


儚月は刀の代わりに竜神が持っていたナイフの片方を拾って構えた。流石にこの狭い部屋では振り回せないと判断したのだろう。


「いっててて…止めてくれるのは有難いけど、もう少し優しく止めてくれないのか?」


「お前は一度暴れるとこうでもしないと止めれないだろう?」


「うぐ…言い返せない…いや、ちょっと待てよ?それよりも何で此処に居るんだ?確かそこの女の子が兄貴を殺したって…」


やはり竜神も何故儚月が生きているのか不思議なのだろう。優奈も同じ質問をして来た。


「そうよ!何であんたは生きているの?!」


儚月はそれを聞くと指で空間をなぞりスキマを出現させた。そしてその中に手を突っ込むと中から何かを取り出した。


「ん?それは…トマトジュース!?」


「そうだ。ちょいと霊夢から液体にしたトマトを仕入れる事が出来ないかと言われてな。まあ、何に使うかは知らないがな。んで、液体のトマトって言ったらトマトジュースしか無いと思って紫に仕入れて貰ったんだ。まさかこんな所で役に立つとは思わなかったがな。」


儚月はトマトジュースの入ったペットボトルをポンポンと投げながら話した。まあ、勿論だが少女二人はどういう事か理解出来ていないようだった。


「おっと、分からなかったかな。簡単に話すとなんて事ない事だがな。まず俺は君に襲われて戦っただろう?」


儚月は優奈に聞いた。勿論優奈は確かに戦って殺したと言った。


「そう、俺を殺した。だけど、ちゃんと生死の確認はしたかい?それと、その体に付いた血液もちゃんと調べてみたかい?」


儚月はそこまで言うと、優奈はハッとなった。


「まさか…この血液はそのトマトジュース!?」


「ご名答。俺は体の何処の部分でもスキマを出す事が出来る。それ以外の空間とかは指でなぞらないと出せないがな。ま、とりあえず俺は君に斬られる瞬間にスキマを出現させてこのトマトジュースをナイフで刺すように少し凝らした。流石に気付くかと思ったけど…ちょいとドジ踏んだみたいだな。」


儚月はトマトジュースをスキマになおすと優奈の隣で蹲っている刹那を見た。


「所でそこの蹲っている方は急いで手当をさせた方が良いぞ。そろそろ限界っぽいからな。」


優奈は刹那を見てみると、出血も相当酷くなっている様だった。


「くっ…だけどこっちはここの奴らを殺せと命じられているの…だから全員殺すまでは戻れない!」


優奈はナイフを構えると更に空間からスキマも出さずに銃を取り出した。


「はぁ…じゃあ言っておくが、ここには俺達以外は誰も居ないからな。だから君は俺と竜神を殺さないといけない。だが、他の紅魔館に集まっている者達は殺せないぞ。」


流石に優奈はまた驚いた。今確かに儚月は誰も居ないと答えた。しかしここで異変の為の会議をすると言う情報は確かに手に入れていた。場所を変えるにもこんな短時間では流石に不可能だ。


「あー、やっぱり分からないよな。竜神は分かるか?」


「いや、流石に分からな…ん?ちょっと待てよ…まさか空間弄って紅魔館を"造った"?」


「お、流石だな。さて、簡単に説明会をしないといけないか。まず俺は能力で別の奴がスキマを使うと紅魔館からこの空間へと自動的に向かうようにした。勿論の事だがこの紅魔館は偽物。空間さえどうにか出来れば虚像の建物なんて簡単に作れる。虚像と言っても本物と一緒だがな。」


優奈はここまで聞いて漸く分かった。自分達はこの執事服を着た男の策にまんまとハマってしまったのだと。


「漸く理解してもらえたようだな。それで、どうする?此処に居る俺も竜神もそう簡単には倒せれないぞ?」


儚月はわざとらしい台詞を言った。儚月はこれでこの場所からこの二人が逃げてもらえれば良いと思っていた。しかし…


「…だとしても、それでも!そこの男だけは必ず殺す!」


優奈は竜神に向かって銃を発砲したのだ。竜神はそれを避けようとはしないで心臓に銃弾を諸に喰らった。


「ははは!流石に心臓に鉛玉を喰らったら死ぬでしょう!」


しかし、竜神は倒れない。いや、それよりもよく見てみると出血が少ない気がしてならない。


「…俺を殺す…か。はてさて、俺が死ぬのは一体何時になる事やら…」


竜神は銃弾の入った心臓を無理矢理取り出した。そして、中に入った弾丸を抜き取りその弾丸を投げ捨てた。


「…あんた、一体何者なの…?本当に人間…?」


「この心臓が現在自分の胸の所にあったら人間だったろうな。」


竜神は未だに心臓を持ったまま話していた。


「…で、どうする?またこの心臓に鉛玉でも入れるか?そんな程度じゃ俺は死なないがな。」


優奈はこの男に恐怖を覚えた。自らの心臓を引き抜き、更にはその心臓を元の場所に戻さずに会話をしている。


「…刹那!まだ生きてる?!」


「何とか…ね。」


優奈はこの男は危険だと判断すると、刹那に肩を貸してスキマを出した。そして、そのスキマに入る間際に竜神に向かって叫んだ。


「今回は手を引くわ!だけど次会ったら必ず仕留める!」


優奈はそう言い残すと刹那と共にスキマの中へと消えていった。


「…あ、そう言えば時龍は何処に行ったんだ?」


竜神は思いだしたかの様に時龍を探しに行こうとした。しかし儚月はそれを止めた。


「行かんで良いぞ。時龍は此処には居ない。いや、とりあえずお前はその心臓を元の場所になおせ。結構グロい。」


「おっと、忘れてた。悪ぃ。」


竜神は心臓を元の場所へと戻すと傷が完全に塞がるまで待った。そして傷が完全に癒えると時龍が何処にいるのか儚月に聞いた。


「時龍なら本当の紅魔館に居る。時龍だけは女の子の近くにはやらせたら危ないだろうしな。」


「ん?ちょい待ち。その言い方ってもしかして…あの二人組が来る事を知っていたのか?」


「ああ、お嬢様があの二人組が来ると言う運命を観たからな。そこで俺がこうやって敵をこの空間におびき寄せたんだ。偶然にも竜神が此処にスキマを繋げたのは少し焦ったがな。あ、時龍が来ると言う意味合いでだ。」


「そうだったのか…それじゃあ皆は無事って事で良いんだな?」


「そうだ。そもそもこの空間に来れるのはスキマを扱える奴ぐらいだけだ。つまりは相当限られる人物しか来れない。」


儚月は所々壊れてしまった部屋を見て回った。


「しかしこんな狭い部屋で戦うなんてよ。てか良く戦えたな。」


「こんな感じの狭い所での戦闘には慣れてるからな。てか慣れた。いや、慣れさせられた?」


「いや、何で最後疑問形になってるんだよ。」


「まあまあ、気にしないでくれ。それよりもさっきの二人組の事…どう思う?」


「そうだな…敵…なんだろうが、俺の死を確認とかをしない辺り…余程の自信家か、もしくはただのおっちょこちょいだろうな…って、ん?」


儚月は不意に立ち上がると、竜神の後ろの壁に歩いて行った。


「どうしたんだ兄貴?」


「いや…何か別のスキマが出来てる。」


儚月が空間をなぞるとスキマが出現した。しかし、普通のスキマより少し違う気がした。


「これは…多分自然に発生したスキマだろうな。空間の歪みがどっかで起きたんだろう。ああ、空間の歪みと言っても時々起こる様なやつだから心配しなくても大丈夫だぞ。」


儚月はさほど気にする事も無く、そのスキマを閉じようとした。だが、竜神は少し気になったのでまだ閉じるのを待ってくれるように頼んだ。


「ん?まだ閉じない方がいいのか?だけど調べても特に何も無いと思うが?」


「いや、そんな事は分かってるんだが…なーんか気になっちまってよ。」


竜神はスキマに手を突っ込んで少しスキマの中を探ってみた。すると何かが手に当たったのを感じた。


「ん?何だ?」


「どうした?何かあったのか?」


「いや、何か手に当たった感じがしてよ…とりあえず引っ張ってみるか?」


「いや、無闇に引っ張って異界の化け物を連れてきたら面倒になる。」


「今異界の化け物って言ったか!?んじゃあ俺が触っているのは化け物かも知れねぇのか!?」


「可能性はあるな。化け物じゃなくてもそこら辺を漂っている異界の異物かも知れないがな。まあ、竜神なら大丈夫だろう。」


儚月はそれでも念の為と言って先程戦いに使っていたナイフを構えた。


「はぁ…やっぱり俺は不幸体質なんだな…」


竜神はため息をつきながらもその手に当たっている何かを思いっきり掴んで引っ張ってみた。すると、中から出てきたのは異界の化け物でも無く異物でも無かった。それは…


「お…女!?」


そう、中から出てきたのは一人の女だった。女の方はいきなり別の場所に引っ張られて来たのもあってか驚いている様子だった。


「…えーと、竜神?ちょっと聞くが…スキマから何が出てきた?」


「…女が出てきたな。」


竜神はスキマから引っ張り出した女の手を掴んでいた。


「…!す、すまない!」


竜神は慌ててその女から手を離した。


「へぇ…竜神も女相手に慌てる事があるんだな。」


儚月は変な状況だと言うのにニヤニヤと笑っていた。


「いや、そこは笑う所じゃないだろう!?」


一方の女の方は慌てる訳でも無く、攻撃をしてくる訳でも無く部屋の中を見回していた。


「あの…ちょっと良いですか?」


女は竜神と儚月の方に向き直ると、これまた想定外の事を聞いてきた。


「此処は紅魔館の一室ですか?」


「…え?今何て…」


「え?いや、此処は紅魔館の一室ですか…と。」


竜神と儚月はお互い顔を合わせた。


「まさかとは思うけど…君って幻想郷に居たのか?」


「そのまさかですけど…幻想郷に居ましたよ。」


流石に二人は驚いてしまった。異変に巻き込まれるならまだ分かる。けれども今回のやつは竜神がスキマに手を突っ込んで引っ張って来てしまったものだ。流石に不味いと思っていると、女はこちらの意図に気付いたのか簡単にスキマに居た経緯を話してくれた。


「あの…もしかしてですけど間違えて別の幻想郷から連れてきてしまった…何て考えていませんか?」


「お、おう。考えていた。って、ん?何で此処が違う幻想郷だと思うんだ?」


「簡単な事です。まずこの紅魔館ですけど、本物そっくりですが空間が違います。それとお二人ですが、紅魔館には貴方達の様な人は見た事がありませんので。そこから考えると違う幻想郷に来たと考える方が妥当だと思ったので。」


竜神と儚月は再び驚かされた。この様な急な展開で、しかもほんの短時間の間にここまで見抜いてしまっているのには相当高い評価を付けることが出来る。


「でも、間違えて連れてきてしまったと言うなら何でスキマの中に私が居たのかの説明とかは出来ますか?」


二人は再び顔を合わせると首を振った。


「私は外の世界の異変について調べていたのです。ただ、外の世界には行けないので幻想郷からスキマを使って外の世界を監視していたのです。その過程でこの幻想郷に連れてこられました。」


竜神は女の話を聞いて少し思った事があったのか、今その外の世界で起きている異変の事を聞いてみた。


「ちょっと良いか?もしかしてなんだが…その外の世界の異変って誰かが突然消えてしまうと言う異変だったりするのか?」


女は少し驚いた様子でそうだと答えた。


「…俺達と会ったのも異変の一部ってか?」


「え?どう言う事?」


「実は俺達の幻想郷でも同じ事が起きている。しかも、別の幻想郷でもその様な異変が起きているらしい。更にはその別の幻想郷からも何人か俺達の幻想郷に幻想入りしている。もしかしたら竜神に引っ張られて此処に来たのも運命だったのかもしれないな。」


儚月は軽く説明をすると、女はこちらから協力を頼む前に自ら協力しようと言ってくれた。


「もしかしたら私の所で起きている異変と関わりがあるかも知れませんね。貴方達の異変解決に私も協力させて貰っても良いでしょうか?」


「良いのか?それは有難い!俺達も戦力を増やしたいと考えていたんだ。」


「そうでしたか。それなら私も役に立ってみせましょう。」


女は改めて竜神達に頭を下げた。


「これからよろしくお願いしますね。」


「ああ、よろしく頼む。とりあえず自己紹介は此処から出てからでも良いかな?」


「分かりました。」


儚月は途中から話を抜けていたが、竜神と女の会話が終わるのを見計らうと刀が使えないので代わりにナイフで空間を斬り裂いてスキマを出現させた。


「さて、さっさと戻って会議に参加しないとな。」


竜神と儚月は新しく仲間になった女を連れて偽物の紅魔館から離れた。しかし、二人は忘れていたのだ…





紅魔館にはあの変態の時龍が居る事に…






前書きが思い付かないぃぃぃ…それと眠いです( ˘ω˘ ) スヤァ…


追記:ちょっとテンポが早くなってしまった希ガス。

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