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東方滅界録  作者: 坂上儚月
第一章-来訪者、そして謎-
11/12

第九話-敵の情報-

お久しぶりです。長らく暇が中々取れずちまちま書いていてようやく上げることが出来ます。


…遅すぎじゃゴラァ!と叱ってやってください。

「敵であり敵ではないか…つまり敵側にいるが、中立の立場でもあるって事か…」


「はい。ですが何故中立の立場に居るかは私にも分かりかねますが…」


三人はその男の事を色々と想定して考えてみたが、やはり情報が足りなさ過ぎて何とも言えなかった。


「まあ、ここで考えていても僕達だけでは全てを纏めることは出来ません。他の皆さんは何処にいますか?」


「多分まだ全員紅魔館に居るんじゃないかな。ただ、お前達がいない間に相当人数増えたから驚くと思うぞ。」


「驚く程って…そんなに増えたんですか?」


「思ったより増えたな。まあ、ただ問題も生じているが…」


「問題?何かあったのですか?」


「ああ。幻真とうp主こと死神が行方不明になった。」


「幻真さんが行方不明…いや、それも大変ですが、何でうp主さんも居るんですか?」


「ちょっと前に無理矢理連れて来た。」


「どうやって!?」


「スキマとか諸々使って。」


「こ…ここの幻想郷は何でもあり何ですか…?」


「何でもありだな。何なら幻想郷を外の世界にやる事も出来るが?」


「…何でしょうか、僕も僕で色々出来ますがここまでやるのはちょっと…」


「まあ、流石に冗談だって。とりあえずこの資料を早く皆の所に持っていこうぜ。」


「おっと、そうでしたね。この情報はこれからの戦闘に大きく変化をもたらすものになる筈ですからね。」


竜神は桜、紅夢と共に紅魔館へと向かっていった。だが三人は気付いていなかった。すぐ近くに謎の男がこちらの様子を伺っていた事に…



_____________________________________________




「うーっす…ってあれ?確か俺が出た時はロビーに全員居たはずなんだが…」


「流石にずっとロビーで立っているという訳も無いでしょう?多分皆さんは別の部屋に居るんじゃないでしょうか?」


「あー、それもそうか。なら手当り次第に部屋開けて行くか?」


「そんな面倒な…」


「だってそれ以外無いだろ?」


三人で話していると、二階の吹き抜けの方から声が聞こえてきた。


「お?竜神と桜か。それと隣に居るのは確か…紅夢と言ったかな?」


「お、兄貴。丁度良かった。皆は何処にいる?」


「皆なら食堂で今後の調査や戦力調整を行っているが…何かあったのか?」


「何かあったも何も、敵の情報を紅夢達が入手してきたみたいでな。」


「敵の情報を入手しただと!?それかなりの収穫じゃないか!」


「ま、俺達だけが見てもアレだからな。全員に敵の情報を回しておかないと行けないだろう?そんで皆は何処に居るんだ? 」


「皆なら食堂に集まっている。俺はちょっと皆の分のお茶を入れに台所に向かってた所さ。」


「あ、そうだったんだな。それじゃあ俺も手伝うぞ。」


「お、それは助かる。それじゃ桜と紅夢は先に食堂に行っててくれ。」


「分かりました。では先に向こうで待っていますね。」


桜と紅夢はそう言うと二階の廊下の奥へと消えていった。


「さて、俺達もさっさとお茶入れて話に参加するか。」


「だな。ただ二人だけじゃキツイからそこら辺の妖精メイド達にも手伝わせるか?」


「いや、止めとけ。アイツらにお茶なんて持たせたら…」


兄貴は途中で言葉を切ると盛大にため息をついた。


「あー、そういう事ね。」


「そう言うこった。だからアイツらにさせたくない。てかさせた所で遊んでそうだがな…」


「あー、だろうなぁ…なら日咲に手伝わせりゃ良いんじゃねぇか?」


「馬鹿。一応客人なんだから手伝わせる訳にも行かないだろう。」


「あー…それもそうか…ま、それなら二人でお茶持ってくしかないよなぁ。」


「そう言うこった。ついでに茶菓子でも持っていくか…」


「正直そんなゆっくりとした話じゃないから茶菓子持ってってもなぁ…」


「…お前達の入手した情報ってのはそんなにゆっくり出来ないような情報なのか?」


「そりゃゆっくり出来るような情報じゃないだろう?敵の情報を入手したんだぜ?」


「だが、その情報が正しいとは限らないだろう?さっきは敵の情報を入手したと聞いて俺も喜んじまったが、よくよく考えればそう簡単にこちらに自らの情報を掴ませるような事はするか?」


儚月が的確にその事を言うと竜神は言葉を詰まらせた。


「それは…確かにそうだが、それでも唯一入手出来た情報なんだ。これに賭けるしかないだろう?」


「ま、それもそうだな。っと、話し込んでたら台所に着いたな。それじゃ、さっさとお茶入れて持って行こう。話しはそれからだな。」


そう言うと儚月は手馴れた手つきでお茶を入れ始めた。


(…兄貴の言う事は確かに正しい。これが吉と出るか凶と出るか…ま、そんな後先の事を今考えても仕方ねぇしなぁ…)


竜神はとりあえずこの事を頭から無理やり消すと、茶菓子を用意する為に棚の前に行った。が、棚の中を見てみると中にあったであろう茶菓子が一個も無かった。


「ん?兄貴、中にあるであろう茶菓子が一つも無いんだが?」


「無い?て事は妖精メイドが食べたかメイド長がこっそり食べたかのどっちかだな。」


「咲夜がこっそり?いやいや、あの咲夜だったら絶対こっそりと食べる様な事はしないだろう?」


「長年この紅魔館の執事をしているとな、お嬢様ですら知らないメイド長の休憩とか見れるんだよな…」


「あの咲夜が休憩とか取るのか?いっつも働きっぱなしって印象があるんだが…」


「いや、メイド長はちょっとでも時間が出来れば空いた部屋とか台所で休憩するんだ。」


「へぇ。まあ、流石にあんなに働きっぱなしで休憩取ってないなんてなったらやべぇしな。」


「ヤバいって言うよりかは…うん、何だろうな…メイド長は働いて仕えてなんぼのもんって感じだしな…」


「だなぁ…っと、兄貴お茶沸いてるぞ?」


「おっと、話しに夢中になり過ぎてたか。ま、茶菓子は良いとしてさっさとお茶持っていくか。竜神達の手に入れた情報とやらも目を通してみたいしな。」


兄貴はそう言うとお茶の入ったポットとコップを持って台所を出ていった。


「…俺は何もしなかったなぁ…」


竜神はそう呟いて台所を離れた。



_____________________________________________



「待たせたな。」


「おー、やっと戻って来たな。こっちはお前達が戻ってくるのを待ってたんだぜ?」


「 悪いな。人数分のお茶を入れるのにも時間が掛かるのでな。」


そう言ってお茶の入ったポットとコップを机の上に置いた。


「お、ありがてぇ。茶菓子があったら尚更良かったんだがなぁ。」


「茶菓子は生憎と切らしていてな。茶だけで我慢しとけ。」


「はいはい。ま、んな事よりこれでようやくその持って帰って来てくれた資料を拝見できるな。」


そう言って時龍は持っていた資料を机の上に置いた。


「ま、この情報が全て正しいとは思えない。つまり、この資料から正しい情報を読み取らなきゃ行けねぇ。」


「つまりはどれが嘘でどれが本物か見て決めろって事だな。」


「そう言うことだ。さて、とりあえず最初の方には誰が載っているか…って、ん?」


儚月は机に置かれた資料の束を一枚めくってみると、そこには「戦闘員」「魔導師」「狙撃手」「音楽家」「医者」「通信兵」みたいな感じで書かれていた。


「戦闘員…魔導師…狙撃手…音楽家…医者…通信兵…?何だこれ?」


「普通に考えればそれぞれに人数が分けられているのだろうが、わざわざ音楽家とか医者とかにも分けられているってことはかなりの人数で構成されているのが分かるな。」


「まあ…確かにそうなんだろが…そうなるとこっちの戦力的にもまだまだ不安が残る感じになるが…」


「それはこの中に載っている情報を見ない限りは分からんだろう。とりあえず見てみよう。」


儚月はそう言うと次のページをめくった。するとそこには顔写真と共に名前と能力、それと軽くだがその人物に対しての過去等が載っていた。しかもこの顔写真には竜神と桜、それに紅夢は見覚えがあった。


「この男…!」


「ん?竜神はこの男を知っているのか?」


「知っているも何も、俺と桜と幻真、それに紅夢の四人で一度戦った事がある。その時は不意打ちとは言え、俺に深手を負わせるほどの実力者だ…!」


「…竜神に深手を負わせる程の相手か…成程、コイツには特に注意を払うべきだと考えて良いだろう。とりあえず、こいつの名前は…ん?これは…二つ名も一緒に書いてあるのか。」


儚月は資料を見ながら色々と呟いていた。


「おっと、悪い。つい考え事になると集中してしまう癖があってな。ええと、とりあえずコイツの情報を読み上げる。」


儚月以外の者は全員分かったと言って儚月が資料を読むのを聞き始めた。


「まず、竜神に対して一撃を入れた敵の名前は"紅の終焉"カルチャード。能力は「気配を消す程度の能力」。どうもこいつはかなりの人殺しが好きな奴みたいで、相手を意識がギリギリ残るぐらいまで半殺しにした後、自らの体にかかった相手の返り血を見させた後にジワジワと殺すみたいな事をするらしい。」


「気配を消す程度の能力か…成程、こいつは気配を消す事を上手く利用して姿自体をも消していたのか…しかもかなりのヤベぇ奴なのか…」


「ああ。ま、他にも居るからそいつらの事も紐解いていこうか。」


そう言うと儚月は次の人物の情報を言い始めた。


「よし、次の奴だな。コイツに関しては俺と竜神で一度相手にした殺し屋だな。」


「殺し屋?ああ、あの二人組の奴等か。」


「そうだ。名前は白崎優奈と白崎刹那の二人組の姉妹らしいな。」


「ん?刹那と優奈?」


儚月が二人の名前を言うと紅夢がその二人の名前に反応した。


「お?コイツらのことを知っているのか?」


「ええ…ただ、知っているとは違いますが…」


竜神が紅夢に聞くと、どうも含みを入れた喋り方をしたので詳しく聞いてみる事にした。いや、そもそもこんな状態なので絶対聞くことにはなるが。


「ん?どういう事だ?」


「実はこの二人…僕の世界の者なのです。」


「…はぁ!?」


普通に驚いた。あの抜けた感じのした殺し屋二人組がまさか紅夢の世界の者だとは思わなかったからだ。竜神達が驚いている中、紅夢は話を進めた。


「まぁ…驚かれるのは仕方ないですが、僕だってこの二人が何故敵に回っているのか分からないですから…後、この二人は僕の屋敷のメイド長と副メイド長です。」


「むう…これ以上驚かせるのを止めてくれ…」


儚月が頭を抱えながらため息をついた。


「ま、あれだろ?大方この世界に来させられた時にすぐさま引き込まれたって感じじゃねぇか?それかそいつらの主である紅夢が何処に居るか教えてやる代わりに手伝えって言われたんじゃねぇのか?んで、そいつ等は強いのか?」


時龍が竜神と儚月に強さを聞いてきた。


「まあ、竜神とほぼ互角に渡り合えるぐらいの実力は持っているな。だが少々な…こっちの生死の確認をしない辺り、何処か抜けているって感じはしたな。」


「抜けてるって…どうも紅夢見てるとそうも思えないんだが…」


儚月が紅夢にそう言ったが、紅夢はいやいやと頭を振った。


「あの二人は元々から何処か抜けていまして…多分相手に付いたのも僕の事もあるでしょうが…いや、そもそも僕がこちらに来ている事も知らないで相手に付いたかも知れないです…正直僕も頭が痛いですよ…」


そう言って紅夢は頭を軽く抱えた。


「…おう、お前もかなり苦労してるんだな…」


「まあ…これが終わったらしっかりと説教をしますので…」


そして紅夢は後の二人の事は任せてくれとも言ったので、その二人の対処は紅夢に任せる事にした。その方が確実に対処出来ると判断したからだ。


「さて、この二人の事は紅夢に任せるとして…次の奴を言うぞ。」


儚月はそう言って再び次の敵の名前を言った。


「次の奴は…"星堕とし"ガルガンド・ホーエンハイムと言う名前らしい。この敵に関しては会ったことは無いな。皆は無いか?」


「いえ…紅夢さんと一緒に行動していた時には見かけなかったです。」


「俺も一人で動いていた時には見てない奴だな。」


「…私も来たばかりですので見てないです。」


「拙者もこの者には会ってはおらん。」


「俺も紅魔館に来る時にゃ見てないな。」


「て事は全員コイツには出会ってないって事か…まあいい。とりあえずコイツも注意を払っていた方がいいかも知れないな。」


「あ?どうしてだ?」


「どうもコイツは戦闘員ではあるが、魔術の心得もあるみたいでな。もしかしたら先程のよく分からん変な敵の襲撃もコイツがやったかも知れないからな。と言っても魔術師なんてカテゴリもあるから何とも言いきれんが…それでもコイツはどうやら数少ない魔術を使える敵みたいだからな。」


「ふぅむ…成程のぅ…なれば、こやつを見つけてもすぐには手を出さずにしておくかのぅ。」


「ああ、そうしてくれ。もしやるなら最低でも二人以上で戦ってくれ。」


儚月が全員に忠告をすると、皆はすぐに頷いた。


「よし、とりあえず他にも戦闘員はいるが人数がかなり居るようだから後々各個で確認してくれ。次は魔術師の奴等を言うぞ。」


儚月が確認すると皆頷いた。


「よし、魔術師の方はっと…"凶乱の死神"イルミナード…ん?イルミナード…?」


儚月が魔術師の一人の名前を言うと、何故か首を傾げた。


「ん?どうしたんだ兄貴?」


「いや…何かこの名前…何処かで聞いた気がするんだが…何処で聞いたか…」


儚月は頭を捻っていたが、竜神は覚えてないないなら後で思い出せば良いと言った。


「…それもそうだな。しかし、何処で聞いたか…」


儚月は何故か妙にこの人物に対してかなり頭を捻って思い出そうとしていた。その時、竜神は敵の事だから思い出さなきゃ行けないんだろうなと思っていたが、それが竜神自身に大いに関係があった事を後々に知ることになる。


「…まあ、竜神の言う通り後で思い出すとして、次の奴は…"人徳"ミトラ。こいつは主に氷と水の魔法を使う魔導師らしい。」


「水と氷か。八雲の所の橙はかなり苦手な相手だな。」


「橙じゃなくても水と氷の組み合わせは誰も得意では無いだろう。まあ、良い。とりあえず魔導師自体は人数自体が少ないのかここには載ってないだけでまだまだ居るのか分からないが、とりあえず載っているのはこれだけだな。」


儚月はそう言うと資料を机の上に置いた。


「後はそれぞれ各自で確認してくれ。とりあえず要点としては、この情報は限りなく全て本物だと断言しても良いだろう。」


「ほう、そう断言出来る証拠は?」


「まず、偽物ならばわざわざ顔写真を載せるような事はしない。勿論、顔写真だけ載せて情報は偽物と言う考えもあったが、偽物ならこんなに事細かくその者達の過去を載せたり戦闘員やら魔導師やらで分けたりしないだろう?」


「…成程。儚月が言うのならばそうなんだろうな。」


時龍はもっと反論するかと思ったが、あっさりと納得した。


「…思ったよりあっさりと納得するんだな。」


「んあ?当たり前だろ?あんたらの事は俺もコイツらも知らねぇが、今は異変解決する為に協力している仲間だぜ?なら、信じるのが当たり前ってモンだろう?」


「…お前ってただの変態かと思ったが、案外仲間に対して優しい奴だったんだな。」


「俺って変態ってイメージしか無かったのかよ!?」


「それしかない。」


「それしかないな。」


「それしかないですね。」


「…ここに来た時に私に対してしようとした事…それが答えでは?」


「俺は会って間もないから分からんが…コイツって変態だったのか?」


「あえて何も言うまいて…」


時龍は全員から攻撃(色々な意味での)を食らって部屋の隅に行ってしまった。


「…さて時龍の事は放っておいて、とりあえずこの資料は本物だと断言しよう。未だ幻想郷の異変解決には遠いが、相手の情報を手に入れれただけでも解決へと近付ける。紅夢、桜。お手柄だったぞ。」


儚月は紅夢と桜を褒めると、紅夢は少し照れているような感じになった。桜に関しては当たり前の事をしたまでですと言った。


「だが、依然こちらの戦力はコイツらの戦力の半分にも満たない。更には幻真と死神が行方不明になってしまっている。つまりどういう事か分かるか?」


「…一歩近付いたが一歩離れていったと言う感じか…」


「そうだ。だからこそここで最重要事項を決める。それは、死神と幻真の捜索。そして竜神が少し前に確認出来た事の様だが、どうやら新しい者の気配がこの幻想郷に現れたらしい。」


「つまり…」


「ああ、皆が考えている通りだ。」


儚月が皆を見ると、状況を一変するであろう行動を言い放った。






「新しき仲間の捜索だ!」






いやぁ、色々と仲間が増えましたね。だけど敵は竜神達の約倍の人数が居るみたい。(でも全員チート並の強さと能力持っているから何だかなぁ…)

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