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東方滅界録  作者: 坂上儚月
第一章-来訪者、そして謎-
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第八話‐謎が謎を呼ぶ‐

いやぁ、長くなって申し訳ないです(´・ω・`)

「はぁ…それってつまりあれだろう?さっさと探してあの二人に押し付けたいだけだろう?」


「「その通り!」」


「んな堂々と認めんなよ…全く、とりあえずうp主の実力は分からんが、あの幻真ですら消えてしまう程のもんだ。正直、敵の能力が分からない以上は一人での行動は最低限避けた方が良いのは確実だな。」


「確かにそうですね…となると、ここは二人から三人でチームを組んで行動を共にするのが得策ですね。」


日咲は的確に一番良い策を提案すると、儚月はすぐにそれを採用した。


「それが一番良い策だな。まあ、その為にはメンツを別れさせないといけないが…」


儚月は途中で言葉を切って竜神達の方を見ると、チルノは壁に寄りかかって氷で色々と武器を作ってはそれを溶かして遊んでいたり、竜神と時龍は何故か腕相撲で勝負をしており、更には小説家を名乗っていた男も何処からか取り出したノートで小説を書いているようだった。他にも色々と自由にしているメンツを見て儚月はため息をついた。


「はぁ…こんな感じでクセの強すぎるヤツらが集まってるからな…どうも別れさせるのが難しいんだ。」


「た、確かにそうですね…流石にこれでは話を進める事も難しいですね…誰かまとめ役みたいな人が居れば…」


日咲がそんな事を言っているとそれがフラグになったのか紅魔館の扉が開いて何者かが入ってきた。


「誰だ!」


儚月がそう叫ぶのと同時に全員がそれぞれ武器を構えたり拳を構えたりして入って来た者に対して瞬時に対峙した。


「はて?何だか拙者の知らない人達が紅魔館に居るみたいじゃが、咲夜殿は何をしておるのじゃ?」


入って来た人物は中年ぐらいの男で、頭には編笠を被り着物を来ていた。見かけからすると普通に幻想郷の住人の様な感じで違和感は感じられないが、その人物に対して竜神も儚月も、更には時龍と日咲、N・WORLDもお互いに武器を降ろさないで構えたまただった。つまり…


「貴方…ここの幻想郷の住人…いや、そもそもここにいる者達の知る幻想郷から来た者では無いですね?」


日咲がその人物にそう聞くと、男は首を軽く傾げた。


「はて?ここにいる者達の知る幻想郷?お主は何を言っておるのじゃ?そも、貴殿らこそ何者じゃ?儂の知ってる幻想郷では見かけぬが…」


男はそう言うと瞬時に日咲の前へと来ていた。しかもその移動の速さを竜神と時龍は知っていた。


「その移動の速さ…まさか縮地か!?」


「ほう、縮地を知っておるのか。という事は拙者以外にもこれを使える者がおるのじゃな?」


男はそう言うと日咲から離れて再び縮地で竜神と時龍の前へと移動した。


「まあな。まあ、ここの幻想郷の住人じゃない奴だがな。」


竜神は全く動じずにそう応えると、男はまた首を傾げた。


「むう…所でなんじゃが、そのここの幻想郷では無いとはどう言う事じゃ?それにここにおる者達も中々の腕揃いのようじゃが?」


「ま、色々あってな。あんたも幻想郷に住んでいたのか?それとも…」


竜神は途中で言葉を切ると、刀を瞬時に能力で造り出して構えた。


「ふむ…某は幻想郷にすんでおる者じゃが?」


竜神はそれを聞いて安堵すると、武器を降ろした。


「ふう…それを聞けて良かったぜ…」


「?どう言う事じゃ?」


「あんたの種族って神だろう?それも加奈子や諏訪子よりも更に格上の上位の…違うか?」


「ほう?何故そう言いきれるのじゃ?」


「俺も似たようなもんだからな。」


竜神が男にそう言うと、男は暫く竜神を見ていた後納得した様だった。


「ほうほう、成程のう。先程から日ノ本の神々の力をお主から感じると思ったらそういう事じゃな。」


「納得してもらえて助かる。んで、早速だが本題を話しても良いか?正直これはあんたも巻き添え食らった被害者だが、この異変解決するのにあんたの力も借りそうだからな。」


「ほう。異変とな?なれば、久方振りに戦えそうじゃな。」


男は何故か楽しそうな感じで会話をしていたが、正直言うとこの男の素性も良く分からないで手を借りるのは少し危ないと感じていた。いや、そもそもここに居る他から来た者達の素性も良く分からない。そう考えると今のこの現状が一番危険なのでは無いかと考え始めていた。


(手を貸してくれと頼んだのは良いものの…この状況が一番危険なんじゃないのか…?俺と兄貴や崟兒と桜…俺の知ってる奴らなら信用も出来る…が、今の今までここに集まっている訪問者(げんそういり)した者達の素性を詳しく聞いてはいない…つまりは…この中の誰かが敵の可能性も、敵に寝返る可能性もあるって事だ…)


流石にこんな時にこんな事を考えるのはあまり良い事では無いだろうが、この男のゆったりとし過ぎる雰囲気や、先程の縮地を見てしまった後になるとやはり色々と考えてしまう。


「…考える事は良い事じゃが、考え過ぎては信用すらも怪しく考えてしまうぞ?」


目の前の男は竜神の考えている事が分かるのか、竜神の耳元でそう囁いた。


「…言われなくても分かっているさ。そう言われなくても…」


竜神はそこまで言うと踵を返して外に行こうとした。


「あ、おい竜神!何処に行くつもりだ?」


「何、ちょっと外の空気吸いに行くだけさ。いざとなれば瞬間移動して逃げるさ。」


竜神は後ろを向いたままそう言うと、手をヒラヒラさせて紅魔館から出ていってしまった。


「おい、あんた!竜神に何か言ったのか!?」


儚月は男に殺意剥き出しで近寄ると正面切って対峙した。


「ふむ…何か勘違いをしておるようじゃな。拙者はあの者に正しき(げん)を言っただけじゃ。」


男はゆったりとした感じで説明すると、儚月はまだ納得し切れていない感じではあったが、これ以上は得では無いと察したのか舌打ちをして男から離れた。


「と、とりあえず食堂か何処かに移動しませんか?ここで立ち話も何かと思いますので…」


流石にこの陰湿な空気を何とかしようとしたのだろう、日咲が儚月達に提案した。


「…そうだな。とりあえず今はこの現状をどうにかするのが一番の話だな…あんたも異変に巻き込まれた口なら手を貸してもらうぞ。」


儚月はそう言うと踵を返して早足で食堂の方へと向かっていった。


「あ、待ってください!」


それの後を追って日咲が、そしてその後に時龍が、そして次に崟兒の順に食堂へと向かって行った。一人残された男は軽くため息をつくと軽く独り言を呟いた。


「ふむ…これは中々に癖の強き者達が揃っておるようじゃのう。」


そう言って男も食堂の方へと向かって行ったのだった。一方、一人で外に出た竜神はと言うと…


「うーむ…やっぱ誰かと一緒に来れば良かったか?」


普通に敵に囲まれていた。敵の数はそこまで多くなく強さもそれ程では無いが、敵の中に人里で襲いかかって来たあの男も居たのだ。


「あの時はお前が不死身って事を知らなかったからな。丁度リベンジしたいと思っていた所だ。」


「こっちとしては俺一人で会いたくは無かったんだがな。」


こっちは余裕こいていたが、正直人数差で圧倒的に不利だった。が、ここで瞬間移動して逃げ出してしまうと、この後此奴らが何をするのか分かったもんじゃないから逃げれない。


(んー、適当に瞬間移動して散歩するつもりだったんだが…どうしてこうもまぁ…俺は運が無ぇんだよ…)


心の中でボヤきつつも斬馬刀を構えて戦闘態勢を取った。


「さてお前らがここらで何しようとしてたかは知らんが、会っちまったからにはここで止めさせてもらうぞ。」


俺がそう言うと敵の方もこちらを見てニヤリとしていた。


「フッ…俺もここでお前に会ったからには倒させてもらうぞ。いくら死なないからと言って有限では無いはずだ。」


男はナイフを構えると勢い良く突っ込んできた。


「うお!?いきなり突っ込んでくんのかよ!」


「敵に手加減してもどうする!それにお前は必ず殺す!」


男はそう言うと空に飛び、スペカを唱えた。


「刻解「ディナ・クロック」!」


男はスペカを唱えたかと思うと俺と男以外の全ての動きが止まっていた。


(成程…咲夜と同じ時を止めて攻撃するタイプか。なら、それに乗ってやろうじゃないか。それに敵の攻撃法やスペカも把握しておきたいしな…)


男はこちらが動いている事に気付いていない様子でこちらの周りに持ち手の黒いナイフを全方位に配置した。


「流石に時を止めて全方位に攻撃を当てりゃ殺せはしないだろうが一時的に再起不能状態にさせる事が出来るだろう。その時に微塵にしてやる…!」


(…物凄いやべぇ事を考えているな。ま、やられる前に細工をしてやるとするか…相手の裏を狙えば焦って動けなくなるだろうな。)


そう考えて気付かれないように足元を中心に魔術の細工をした。


「さて…時は動き出す…!」


男は少しだけ距離を取ると時を再び動かした。だが…


「残念だがお前の攻撃は俺には届かねぇさ。」


「何!?」


「術式一式「大地の怒り(アースグレイブ)」!」


俺が仕掛けていた術式を発動させると、俺を中心に地面が棘のように隆起し、ナイフと男が連れて来た奴ら共々穿いた。


「何だと!?あの時の止まった空間の中でいつの間に術式を!?」


「ん?いやぁ、その時が止まってる最中に術式仕込んだんだが?」


「はぁ!?普通時の止まってる最中にそんな事が出来る訳ないだろうが!」


「いやだから、俺には時止め効かないってだけなんだが?」


「…殺しても死なねぇで時を止めても動けるって…お前ってチート野郎か?」


「うーん、まあそうなんじゃないか?基本使わない能力含めると三十ぐらいの程度の能力は持ってるし、死なないし…あ、チートだなこりゃ。」


「三十!?普通ならそんなに能力を有していたら体が持たないで消滅しちまうはずだぞ!?」


「いやぁ、俺って普通じゃないもんでな。」


男は舌打ちをすると再びこちらに攻撃を仕掛けようとしてきた。すると頭上から聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「竜神さん!先程の轟音は何ですか!?」


「その声は桜か!」


俺が言うや否や、目の前に退治している男がこちらの隙を突いてナイフを投げて来た。が、そのナイフは竜神の後ろから飛んで来た槍によって弾かれた。


「いくら竜神さんが不死身と言えども、攻撃を見過ごすのは僕としてもあまり良しとはしないので。」


「お、紅夢も来ていたのか。これで形勢逆転って奴だな。」


竜神と桜、それに紅夢は男を逃げれない様に囲むと一応降伏するか聞いてみた。


「さて、とりあえず俺達はお前さんをぶっ倒さなきゃならねぇ。が、とりあえず一応聞いておく。降伏する気はねぇか?」


勿論の事だが降伏する気は無いというのは百も承知。だが、余計な犠牲を出すのも無駄なのは百も承知。


「ふん…お前達に降伏する?そんなんする訳が無いだろう!」


「やっぱ無理か…それじゃあ仕方ない。後の禍根にならない内にここで再起不能になってもらおうか。」


俺はそう言うと拘束用の雷光の鎖を創り出し縛ろうと近付くと、男はニヤリと口元を歪ませた。


「?」


俺はつい不審がり立ち止まってしまった。男はその一瞬を見逃さなかった。


「ふっ…油断したな!」


「しまっ…!」


男は地面に隙間を出現させると瞬く間に消えてしまった。


「チッ…逃がしたか…」


竜神は鎖を消すと、改めて紅夢達に向き直った。


「いや、それにしてもお前達が来てくれて助かった。正直一体一でも結構苦戦すると思っていてな。」


「いえ。丁度こちらも幻想郷の現状把握と敵についての調べが終わった所でしたので。」


「敵についても調べていたのか?でもどうやって?」


俺が紅夢に聞いてみると懐から何かの紙を取りだした。


「それは?」


「僕達が幻想郷を調べていた時に出会った敵から奪った物です。」


紅夢はその紙をこちらに渡した。


「ん?どれどれ…」


俺はその紙を開いて中を覗いて見た。そこに書かれていたのは誰かの名前と能力や使用武器、他にも色々と細かな情報が書かれていた。


「これは…もしかしてだが、敵の情報が書かれている資料書みたいな物か?」


「はい。これを持っていた敵は取り逃してしまいましたが、どうも、不思議な行動をする奴でして…」


「不思議な行動?どんな事をしてたんだ?」


「ええと、まず先にこれを持っていた敵は僕達に見つかりやすい広々とした草原を歩いていて、まるで僕達に見つかる事を望んでいたような感じでした。」


「敵なのに見つかられる様に動いていた?」


「ええ。それと、僕達が近付くと相手はこちらに攻撃をしてきました。ですが、その攻撃にはまるで殺気が無かったのです。」


「ふうむ…確かに不思議な行動をしてるな。」


「それだけでは無いんです。僕達の戦闘の最中にこの紙をわざと落としたんです。しかも、ただ落としたのではなく自分の不注意で落としたかのような演技までしていたんです。」


「はぁ?一体どう言うこった?」


「さあ…それは僕にも桜さんにも分かりません。」


「ですが、一つだけ分かる事があります。」


竜神と紅夢が話していると桜が話に入ってきた。


「分かる事?何だそれは?」


「それは…」


桜は一瞬だけ間を開けると、確信した様な感じで口を開けた。






「恐らく、その方は敵であり敵ではないという事です。」






チ───(´-ω-`)───ン

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