みゆき -主人公サイド-
消したい記憶があったので、
もともと書く予定だった記憶を消すエピソードに、その感情を使ってみました。
思った以上に効果がでたと思いますが、どうでしょう?
ほんとに消せたらいいのに(笑)
何度、あいつの死を見たのだろう?
記憶は上書きされ、
前回のことは覚えてはいない。
ただ、朧気な記憶の残滓が、澱のように、記憶の片隅に、判らぬよう堆く積もってゆく気がする。
その澱みが、自ら決めた、決意の刃にこびりつき、
決意を鈍らせ、心を腐らせてゆく。
みゆき、
おれはもう、おまえのいない世界で生きていたくないよ。
もう、消えてもいいかな…。
おまえを助けたいけど、
そのために、おまえの死を見るのはいやなんだ。
生きているおまえが、死体に変わって居なくなるのを、こんなにも見続けなければならないなんて…。
おまえの死を覚えていないように、毎回記憶から消しているはずなのに。
身体も精神も、鉛のように重く、毒にまみれてゆくみたいだ。
助けたいのに!!
またおまえと会いたいのに!!
話したいのに…。
壊れてゆく。
どうでもよくなってゆく自分が憎くて、
すべてを壊したくなる自分がいて、
みゆきを想って、哀しみに暮れる自分を見て、嘲笑う自分がいて、
壊れてゆく。
世界が…。
世界の片隅で、みゆきがまた居なくなる。
また、助けられなくて、
また、新たな時間遡行が始まる。
メッセージが告げられる。
−時間遡行が始まります−
−記憶は上書きされて、消去されます−
−時間遡行を開始します−
−開始、実行−
暗転




