おれは狂っているかもしれない 再生版 暫定掲載
ちょっと、いろいろあって、
ほんとは本編、ろーぷれ日記への投稿と考えているお話なんですが、
まだ悩んでいて、こちらのサイドストーリー側のおはなしとして投稿、掲載してみています。
あらすじで、あやかしは出ないと書いているのに、そこでも矛盾がでてますから、
そのあたりも、おいおい整理いたしますm(__)m
あの娘とケンカした次の日、
早朝のTVのニュースで報道があった事故。
あの娘の名が流れた。
北からのミサイルの都市部落下など、
事件の時には、あれほどけたたましく頭の中で鳴った警報音、
彼女の死には黙ったままだった。
まだ、謝ってもいない。仲直りも、していないんだ。
−◆◆◆◆−
「おい、○○、告別式は?」
「行かない」
行っちまえよ、かずま。
「おまえ…。行かないと後悔するから、来い」
「…行かない」
行っちまえって。
かずま、おれはお前と話したくないんだ。
誰とも話したくない。
話せば、考えたくないことに気づいてしまいそうだから。
「おいっ!!、○○…?」
乱暴に肩をつかまれ、かずまの方を向かされた自分が泣いていることに、かずまが初めて気づいて口ごもる。
涙でにじんだかずまが口ごもる様子を見て、
気づいてしまう。あの娘はもういない。
やはりあの娘は死んだんだ。
もうどこにも、
みゆきはこの世界中の、どこを探しても居ないんだ。
なぜだ!!なぜ!!、
なぜあの娘が死ぬんだ。
おれはまた、あの娘の居ないこの世界で、
ここで生きなければならないのか。
ひとりだと気づいた、この地獄で生きなければならないんだな、ひとりで…。
「こんな世界いらない」
記憶の封がほころび、そんな言葉が漏れ出す。
自分はかずまの前から消え、自らの世界へと移動する。
…何もない空っぽのホール。今の自分そのもの。
足元に広がる巨大な魔法陣。
…おれは、何をしていた?
TRPGのキャラクター、
おれの創造物をあらかた、このTRPGの世界へ解き放った気がするが…。
後は何をした…?
あの娘を助けなかったのか?
どれくらい時間がすぎたのだろう?
わからないが、それすらも意味がない。
この世界の中なら自由にできる。
時間を止めることも、進めることも、巻き戻すことも。
「猫又。来い」
虚空へ呼びかける。
そして、ここに猫又を呼ぶ。
現れた猫又は、戸惑い、目をしばたきながら辺りを伺い、
そして、おれに気づく。
「○○、みんな心配してた…。
せめて座敷ちゃんには話してあげなよ。
「女の子泣かすのは最低だよ」
狂いかけの頭で、座敷わらし、稲荷狐を思い出し、
精神の正気の部分が、ちくりと痛む。
けれども、謝る言葉が出ずに、
おれの口は、別の言葉の紡ぎ出す。
「猫又、頼みたいことがある」
「断ったら?」
「命令する。お前の契約者として」
おれの言葉に腹を立てず、ふっと笑う猫又。
「思い出したんだ(笑)
「いいよ。あたしはあんたの契約者だし、あんたの下部なんだから(笑)」
「…猫又、
おれは何回、同じことを繰り返してる?」
「1万1023回」
猫又はそう即答した。
−◆◆−
「あたしの知っているだけだよ。
「さっきあんたのやってた事、ミケちゃんを事故から助けたくて繰り返した、短い時間遡行。あれは数に入れてない」
憂い顔の猫又。
「やっぱり成功しなかったみたいだね。おそらく100回くらいは繰り返したと思うけど」
「あたしの知ってる、あんたが転生した回数、1万と1023回。
「あの娘と結婚した回数10回、子供が出来た回数3回、そして母子が出産まで生き延びた回数は0。
「1度は子供が産まれてくる寸前だった」
「ミケちゃんは一度も生き延びていない。
「時間の修復作用が、ここまで強大とはね(ため息)」
猫又は強い視線をこちらへと向ける。
「あんたがあの娘の死で、この世界(地球)を滅ぼそうした回数3回。
「成功した回数0。
一度は竜神サイファを解放することに成功して、この世界を滅ぼす一歩手前まで行ったけど、
「転心したあんたはサイファと差し違えて世界を守った」
そうか…。
おれはそんなことを繰り返していたのか…。
それに、
「気づいてたんだな」サイファのことを、猫又。
自分は少しだけ正気に戻る。
「見てたからね、何度も(笑)」
猫又はにやっと笑い、そして、表情を引き締めて、こちらを見つめる。
「今のあんたはスカスカだよ。
転生を繰り返しながら、転生する度、時間遡行をする度に力を使う鍵(記憶)を無くし続けて、
サイファと差し違えたころの力は、なんにも残ってない。
「世界の源泉は、まだあなたの中に有るけど、
汲み出す井戸も柄杓もなけりゃ、何にもならないね」
…そうだな。
「どうすんの?
いや、何する?」
ああ…。
「サイファを解放する」
「大丈夫?喰われるよ。
続けるのかい?」
「ああ、
やめる理由がない」
みゆきは死んでいる。
助けるだけだ。
力を失うわけでもなく、少しずつ思い出を失うだけだ。
一回の転生で、全ての思い出を失ってしまったあいつに比べれば、気にする必要もない。
命だってやってもいい。あいつが死なずに生きられるなら。
「相変わらず、忘れているくせに、同じ答えを返すんだね(苦笑)
「で、どうすんの?
サイファは、」
猫又の言葉を遮りながら、
「弱らせて解放するんだ。
「封印はそのままにして、
力を七つに分け、鍵を掛けて取り出せないようにする。
鍵の名は…、」
「七振りの剣、だね(笑)」
猫又に遮り返される。
「知っているのか?」
猫又とはあのシナリオはやって居ないはずだが。
「前に、繰り返してた間に何回かやったよ(苦笑)」
猫又は自分から視線を外し、虚空の先を見つめる。
以前に見た、未来の夢。
あの時、雲間からのぞいて空に浮かんでいたのは、この星(地球)だった。
そして、七つの力の焦点も。
そう、この星にあった。
「猫又…。
彼、サイファの力をこの世界、まず自分の世界へ馴染ませるのには時間がかかる。
「彼を連れて、この自分の世界の過去へ行ってくれないか」
「どのくらいの間?」
「実時間でおおよそ二千年」
「乗った(笑)」
猫又、いい笑顔で笑う。
「いいのか?」
「もちろん!!
「嬉しいねぇ(笑)
二千年かぁ♪
何して遊ぼう?わくわくするねぇ(笑)」
猫又、相変わらずだな(微笑)
「…やったな猫又(苦笑)」
猫又自身の楽しい気持ちをこちらに見せて、狂いかけの自分を乗せて、引き戻したな?
「…うん、ありがとう猫又」
「サイファの共付きはあたし自身じゃなくても良いの?」
「ああ」構わない。
「じゃ、そうさせてもらう。
そうしたら、いつでもあんたや、稲荷ちゃん、座敷ちゃんと連絡したり、話したりできるし、
たまには帰れるから(笑)
「あいつの持ち物、剣とかでの同行は?」
「知性ある剣か…。
昔考えた魔法剣…。
黄金の牙はどうだ?
片刃の逆刃剣だけど?」
「良いねぇ♪
漂泊の黄金の剣士が持つ、黄金の逆刃剣。
萌える(笑)
「御剣流とか使ったりして(爆笑)」
ほんと、相変わらず(笑)
−◆◆◆−
「猫ちゃん!!、
○○さんが、○○さんがぁ(号泣)」
あたしにすがりつき、泣きつづけている座敷ちゃん。
「大丈夫。今会ったけど、まだね、だいじょうぶだよ。
「まだ笑えるだけの気持ちが残っているうちは、まだだいじょうぶ。」座敷ちゃんを優しく包み込むように抱きしめてあげる。
「あいつ、あたしの言ったことに笑ってた」抱きついている座敷ちゃんを撫であやしながら、そうなぐさめる。
「猫又ちゃん、ありがとう。ごめんね、任せちゃって」少し苦しげな表情を見せる稲荷ちゃん。
「大丈夫?稲荷ちゃん?」
「うん…。だめね、わたし」
「しかたないよ、稲荷ちゃん。稲荷ちゃんは○○の2号さんなんだから(笑)」
「誰が2号さんよっ!!
くびり殺すわよ!!」
「その調子(笑)」元気出たかな?
「…ごめんなさい、ありがとうね」
「いいって(笑)
稲荷ちゃんは○○の側室なんだから、しかたないよ(笑)」
「…猫又ちゃん。いつまで続けるの?」
「いやぁ(苦笑)
おかわり3杯はイケるかなぁと(笑)」
「相変わらずよね(苦笑)
「ありがとうわ、もう言わないわよ」
「ああ、おっけ(笑)、
「大丈夫?座敷ちゃん、○○の部屋がツラいなら、あたしの家に来る?
あたしは出かけなきゃならないけど?」少し心配だ。
「わたしは部屋に帰ります。
「○○さん、部屋に誰も居ないと寂しがりますから(少笑)」
「…ん、そうだね。正妻は家にいなきゃマズいよね(笑)」
「正妻じゃないです!!
って、猫ちゃ〜ん(怒)」
「ははっ、冗談だよ(笑)
「何かあったら稲荷ちゃん頼りなね。
あたしは来れないけど、ネットや電話はたぶん通じるから(笑)」
「はいっ、きーちゃんに会いに行きますっ」ん。表情明るくなった。
「猫又ちゃん、何の用事?」、「猫ちゃん、どこ行くんです?」
「「いつまで?」です?」
首を傾げて(笑)、
「ん〜。○○の世界へ、
「大悪魔、シフレ氏と一緒に、二千年?」
「「はあ!?」」
あたしの冒険の時間が始まる♪




