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キャラメイク その1

予約更新に失敗して少し遅れてしまいました申し訳ありません。





次に目に写るのは青みがかった黒で覆われたような不思議な空間。


自分がちゃんと足をつけているのか(現実世界の私はベットで横になっているのだが)不安になるような場所だ。


『ようこそ。SILVER WORLDの世界へ』


うわ!いきなり目の前に現れるからびっくりしてしまった。

そこにいるのは緑の髪ににっこりうふふといった表情を顔に浮かべた美人さんだった。

この人は一体誰なんだろうか。


『ここではキャラメイクをしていただきます。私はあなたの担当NPCのイリスです。よろしくお願いします。』


「あ、こちらこそよろしくお願いします。」


あぁ、こういうタイプの人に頭下げられると反射的に自分も頭を下げてしまう。なんか恥ずかしい・・・。そうだ!話を進めよう。


「え、えーとキャラメイクっていうのはどうやってするんでしゅか?」


噛んだ。それはもう分かりやすく噛んだ。さっきまでとは比べ物にならないくらい恥ずかしい。別に私はコミュ障って訳じゃないのに・・・。友達だっているのに・・・。おい!誰だ今小さく画面の中のってやつ!ちゃんと現実だよ!3次元だよ!


『フフフッ。あ、ごめんなさい。とても綺麗な方が急に慌てて噛んだり百面相したりしたのが可愛らしくってつい。あと敬語は不要ですよ。』


うっとりしたように笑いながらイリスさんはそう言った。心なしか表情が柔らかくなった気がする。しかし綺麗な方って、いくらお世辞だってわかっていても真っ正面から言われると照れるなぁ。

だけど最後の一言は問題だ。私はこのおっとり系ハイパー美人の包容力を前にタメ口をきける気がしない。現実世界ですら私の会話は丁寧語と必殺の単語返しがほとんどなのに・・・。だからコミュ障って言うな!


『では、キャラメイクについてでよろしいですか?』


ってそうだそうだそういえばキャラメイクをどうやってするのか聞いてる途中だったんだった。


「はい。キャラメイクがどんなものかは知っているんでs・・・だけどこのゲームの場合どうやってやるのかな、って思ったので。教えてもらえれば・・・ゴホン!お、教えてほしいな。あとイリスさんも敬語ダメだからね!」


うう、やっぱり無理だよ。今もつっかえながら頑張ってタメ口にしようとしてるのを親が子どもを見るような優しい目で見られてるのがわかるもん・・・。恥ずかしくなってイリスさんも敬語外してもらおうと思ったのに、最後のなんて完全に小学生低学年の子供が素直になれないときに言うセリフみたいじゃん。


『はい、わかりました。じゃあ説明をしますね。まずはゲーム内でのあなたの名前と外見を決めてもらいます。今、私の横にあなたがいるのが見えますか?このアバターをいじくってください。手元のパネルで変更できるので頑張ってくださいね。例としては原型が無くなるまでカスタマイズしてキラキラ系イケメンになる人や逆に髪や目などのちょっとした部分だけの人もいます。身長や手足の長さを変えてしまうと現実との違和感が生じてしまうので注意してください。』


ここまで言い終わるとイリスさんは一歩後ろに下がってアバターを前に押し出してきた。ここからは私の時間というわけだろう。名前は美奈にも伝えてある『ルナ』で決まっているのだが外見についてはどうしようか・・・。まぁこのゲームをする理由が美奈と自由に動き回って遊ぶというものなのだからそんなに大きく変えることはしないでおこうか。じゃあせっかくだしイリスさんが言ってた通り髪と目だけ変えようかな。えーと、なになに?髪の変更パーツは『髪型』と『髪色』、目の変更パーツは『大きさ』と『位置』そして『目の色』の三つのようだ。


ではまず髪から、現実だと長い髪を結ばすそのままにしているけどどうしようか。短くするのもなんか違和感あるけど戦ってるときに髪が映りこんできたら邪魔だろうし・・・アニメや小説でよくある女の子の髪型・・・ポニテールにでもしてみようかな。髪色は私が一番好きな色の藍色にする。


次は目だね。と言っても現状特に目にコンプレックスを抱いているわけでもないし変えるのは色だけでいいかな。髪の藍色に合うような色にしたいから水色、とか?まぁ別に目の色なんてそこまで気にされないだろうしこれで決定っと。


『お疲れ様です。とてもいいキャラに仕上がりましたね。容姿を一切変えずにこのクオリティ、羨ましいですね。』


「ありがとう。でもイリスさん、あなた自分がとんでもない美人だって自覚あるんですか?私は褒めてもらって嬉しいですけど。」


わたしがそう言うとイリスさんは始めて心底驚いたような表情をした。


『自覚がないのはどっちですか・・・。私はおめかししてこれなのに素であれなんてずるいですよ。』


「え?何か言いましたか?」


『いえいえ、いいキャラだな~というようなことを呟いただけですよ。それでは次にステータスを割り振ってください。』


お、ステータスの割り振りか。


『SILVER WORLDではステータスの項目として


 HP 

 MP 

 STR

 DEF

 INT

 AGI 

 DEX

 LUK

       

 の8つがあり、それぞれ初期値5に加え40ポイント分を自由に振り分けることができます。一度決定を押してしまうと降りなおすことは出来ないので注意してください。』


これもしっかりと公開してあったとおりだった。それならば無事に美奈と相談した通りにできそうだ。


ステータスについて相談した時美奈は「ゲームの中でくらいお姉ちゃんを守りたいから体力と防御力に全部振る」と言っていた。その場合、パーティのバランスが悪くなるので私は「じゃあ私は体力と防御力には振らなくて良いかな。どうせなら攻撃力と速さで。」と言うことを話した。


つまりはこういうことだ。


 名前 ルナ 

 種族 ???

 

 HP  5

 MP  5

 STR 25 

 DEF 5

 INT 5

 AGI 25

 DEX 5

 LUK 5


残りステータスポイント  0

残りスキルポイント    0



出来た。特にこれといって言うことは無いが、なんだか不思議な達成感がある。実際に遊んでみたらとても大変かもしれないけど別にガチで攻略をする予定はないし少し出遅れてもそれはそれでいい思い出になるかな~。と思う。というわけで完成をタップっと。


『はい。お疲れ様ですっておお~。予想外な振り分けですね。てっきりルナさんは正統派を行く人だと思ってましたよ。まぁそれは置いておいて、次は種族選択です。この種族選択ではこのゲームの中であなたが操るアバターの種族を決定してもらいます。基本は選択して決めることが出来るのですが、面倒くさかった場合や普通では選択できないレア中のレアの種族を狙ってランダムを選択することができます。また、ランダムの場合はただルーレットを回すのではなくいくつかの質問の後に挙げた二つの候補の内から選んでいただくことになります。』


へぇ。ランダムというのは小説ではあるあるの展開だね。まぁ無難に選択しようかな・・・







前言撤回。むり。ちょっと苦しくなってきた。これ見よがしに煌々と光っているランダムの文字が今はもううらやましくて仕方ない。


しょうがない。ランダムにするか。最終的には二つの中から選ぶことはできるみたいだし。べ、べつにめんどくさくなったわけじゃないんだからね!ロマンにあらがえなかっただけだし!


・・・ってことでランダムをポチっとな。


《ランダムを選択されたので質問を開始します。回答は口に出してください。》


イリスさんとは違う機会音声のような声が頭に響いてきた。ちらっとイリスさんの方を見ると少し驚いたような表情をした後なんだかうれしそうに笑ってまた奥の方へ下がって言った。


《あなたは魔王を倒すために旅をしている勇者です。今、あなたの目の前には見た目も腕も良いが性格がものすごく悪い人Aと見た目も腕もそこそこだが性格のすごくいいBがいますそしてあなたはどちらかを仲間に加えなくてはいけません。さぁどちらを選びますか?性別はどちらでもよいことにします。》


な、なんか思ってたよりもストーリー性のある質問だな・・・。う~ん。でもやっぱり私は性格のいい子の方がいいかな。どんな理由で性格が悪くなったのかはわからないけどその理由にかかわらず私にその性格を改善させることなんてできなさそうだし。それならこのあと増えるであろう仲間との折り合いも考えて腕が多少劣ったとしてもせいかくがいいこのほうをとるかな。見た目は別に気にしてないけど見た目が良い子と並んでいてそこそこなら結構いい方なんじゃないの?というわけで


「Bで。」


《問2 Bと旅していると大きな街にたどり着きました。その街からは4本の道が伸びており1本は今通ってきた道です。それぞれの道の先には黒い噂の絶えない帝国。気難しい人が多いが技術面では時代の1つ2つ先を行く職人が集う集落。鬱蒼とした森で魔物も沢山いるが精霊などの強力な存在がすんでいる樹海。さぁあなたはどこへ進みますか?》


うむむ・・・これまた難しい。まさかここで実力を求められることになるとは。まず帝国だが最悪そこに滞在するだけならば実力はそこまでなくともどうにかなるが腕のたつ者をスカウトするというのなら話は変わる。脱走させてその恩でとか、戦って認めさせるとか、どんな手段にしても何らかの力が必要となってくる。

かといって樹海に行ったとしてもそこには魔物が大量にいるからこれまた力が必要となる。さらに一見力が要らなさそうな集落だがむしろ気難しい職人に作りたいと思わせるほどの力が必要だ。


難しいな。逆になんとかなりそうな面で考えると帝国は運。集落は気まぐれか余り物。樹海は勇者のカリスマといったところか。


悩むけれどここは一旦集落へ向かうべきかな。確かに最高の結果を出すには1番力がいると思われるけど危険もまた1番少ない。他の2つは仲間を増やしてからでも良いからな。


「集落で」



《問3 犬と猫どちらの方が好きですか?》


な、なんでやねん!ここは勇者の話をするところでしょ!つい使えもしない関西弁が出るところだった。


・・・猫かな。


キャラメイクはもう一話ほど続きます。一応1月1日までは毎日更新する予定(書きだめはない)なので温かく見守っていただけると幸いです。


また、誤字などがあった場合感想で報告していただけると嬉しいです。もちろん作品の感想も受け付けております。感想が来たら作者のモチベが上がります。

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