プロローグ
初投稿です。生暖かい目で見守っていただけると嬉しいです。
突然ですが問題です。
目の前には何十種類(20を過ぎてから数えるのをやめた)もの種族の名前が連なっています。
それぞれにメリットやデメリット、世界観との繋がりや見た目の違いまで詳しくそれはもう詳しく綴られた説明文はひとつの種族につきだいたい20行ほど。最初のいくつかは楽しく読んでいた私ですがだんだんじれったくなってきました。
そして種族決定のスクロールの横には煌々と光る『ランダム』の文字が。
さぁ貴方ならここでどうしますか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『SILVER WORLD』は世界で4番目に発売されるVRMMO作品だ。
何年も前から東西南北の老若男女や少年少女に夢を与え続けていたVRMMOというジャンル。その熱気は一作目と比べてもほとんど衰えていない。
ここで私のことを話そう。私は月島 莉菜。高校一年生で二人の親と一人の妹を持っている。その妹が病弱で病院に入院していること以外特に特徴もない普通の一般人だ。
そんな私だが夏休みが始まる少し前に発売されたVRMMOゲーム『SILVER WORLD』を偶然2つ手にいれることができた。(近所の気の良いおっちゃんと友人がβテスターだったから余った分を貰っただけなのだが)1つ手にいれた時点では現実世界ではあまり自由に動き回れない妹の美奈に譲ろうと思っていたのだが2つ目となると話は別だ。正直様々な小説を読みあさって来た身としてこんな面白そうな体験が出来そうな機会を失うのは少し名残惜しかったので私も是非プレイしたいのだ。私も一緒にやると言えば遠慮して受けとるのを渋っていた美奈も断る理由はなくなるだろう。残念ながらMMOはベテランプレイヤーどころか初心者なので美奈に先輩として教えることはできないけれど万全なゲームライフを送るために公式サイトなどを調べていた。その中で私はある一言がやたらと頭に残っていた。
どうやらこのゲームは『融通がきくRPG』らしい
夏休みの5日目。例年の20倍ほどのやる気を持って行った夏休みの宿題はギリギリ正式サービス開始の前日、つまり昨日までに全て片付けることができた。
10時のスタートまであと一分。トイレや朝食、戸締まり等の確認を終え病院でウズウズしているであろう美奈のことを考えながら
静かに『SILVER WORLD』を起動させた。
これからよろしくお願いします。