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未知との遭遇戦 2

 血の匂いと争う音がした方に駆け出してみれば、人が襲われていた。

 何人かは倒れているけれども、命に別状はないだろう。

 犬にしては大きく、狼よりも狂暴そうな見た目をした生き物。それが、さらに大きな狼に統率されていた。

 とりあえず、アレを黙らせればいいだろうと突貫。見た目よりも柔らかい生き物だったらしく、いとも簡単にザコが潰れていく。

 手加減を誤ったと思いつつも、群れのリーダーの鼻っ面にパンチ。ついでに、踵落としを食らわせ、地面に叩き付けた。

 それだけで絶命してしまったらしく、周囲のザコ犬は尾っぽを巻いてにげだした。

 これで一件落着と思ったところに、さっきの魔物扱いである。

 魔物って、私のことなんだろう。確かに、ファンタジー世界に出てくるリザードマンみたいな外観だけれども、私は竜人であって爬虫類とは違う。

 そもそも、私だって人類なのだ。

 助けたのに、そういう扱いはないんじゃないのかな?

 そう言うと、女性を中心に護衛の人達が後ずさる。


「ニーナ、怖がらせてどうする」

「だって、ニキータ。私のこと、魔物だって!」

「見た目で判別するしかない状況なら、そういわれてもしょうがないんじゃないのかな?」

「それでも私は違うわ!そもそも、この星に来たのだって今回が初めてだし、私と似た姿の原住民はいないって聞いていたし!それに、話が通じるなら人って思うんじゃないの?私はオウムじゃないのよ!?」


 ニキータに当たり散らしていると、婿殿が私の事をつついてきた。その婿殿の視線の先には、護衛に守られた女性が何かを話したそうにこちらを見ていた。


「ん?何か?」

「え、えと……。もしや、あなた様方は『天人』様なのでしょうか」

「てんじんさま?」

「はい。遥か昔に一度だけ訪れたと言われる、異邦の民だと言われております。先ほど『ここに初めてきた』『似た種族はいない』と申されておりましたので……」


 どうやら思いっきり口を滑らせてしまったらしい。本来こういう任務だと、宇宙人と知られるのは相当まずいと教えられた。

 やってしまったと、ニキータに泣きつく。


「なるほど、我々の事は案外伝わってはいたのですね」

「って、認めちゃうの!?いいの?!」

「ここで否定しても、そのうちバレる。なら、今ここで言っても変わらないよ」


 そのニキータの言葉に、彼ら彼女らは一様に動揺していた。あれ?あんまり、好意的じゃないんじゃないの。これ?




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