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未知との遭遇戦 1

ようやく本編です

 この様な街道に魔物の群れが出ることは珍しいことだった。最近は特に殆ど見かけることのなかった魔物の群れに、護衛として雇った冒険者達は次々に斃されていく。

 おかしなほどに統率されたウルフの群れに、一際大きな個体が存在した。ビグ・ウルフ。ウルフの進化系の1つに存在する上位種だ。

 単体で銅級冒険者20人分の力を有するまさにバケモノだ。そんな強者に率いられた群れはさらに強い。

 雇った冒険者はいずれも銀級で、数も14人と揃えた方であった。

 だが、悲しいことにビグ・ウルフの群れは100を越える数のウルフが集っていた。

 多勢に無勢。逃げ道が完全に塞がれる前に逃げ出そうとした矢先に、彼女は現れた。


「なんだかよくわからないけれども、助けるよ!」


 彼女はそういうと、ウルフの群れに突撃していった。突然現れて、自ら死にに行くなんて、そう誰もが思ったが、死体の山となり果てたのはウルフの方であった。

 スキルもアーツも関係なく、殴って蹴るだけの簡単な攻撃で、決して弱くない魔物が蹴散らされていく。

 あっけにとられたのは、私達だけではなかったようで、ビグ・ウルフもありえない光景に開いた口が塞がらない様子だった。


こんにちわ( シ  ネ )


 その光景を見せつけていた彼女は、一瞬で距離を詰めた。それにビグ・ウルフは、反応することもできずに殴られ、地面に叩き付けられた。

 それ以降、全く動かなくなり、生き残っていたウルフが一斉に悲痛な鳴き声挙げて逃げ出した。

 何とか助かったと安堵する私に、護衛のアンドリューが殺気立った様子で彼女に剣を向けた。


「ほえ?」


 訳が分からないと言いたげの彼女だったが、その容姿を見れば一目瞭然。人間ではなかった。

 言葉を発していた。二息歩行で走ってきたから、全く気付かなかったが彼女もまた魔物。いや、魔族だった。

 肌は焦げ茶色のウロコに覆われ、瞳は蛇のそれ、手足には鋭い爪が備わっており、その上であの戦闘力であった。

 残った冒険者達も臨戦態勢を崩さずに、彼女と対峙するけれども、彼女は全くその気が無い。


「大丈夫だった?怪我とかはない?」

「黙れ、魔物の分際で!」

「え゛?!どういう事??」


 アンドリューが縮地のスキルで距離を詰め、一閃を浴びせたが彼女と彼との間に割って入った存在に敢え無く弾かれてしまった。

 その上で、アンドリューは突き飛ばされ、私のすぐ後ろに立っていた木に叩き付けられてしまったのだった。


「あわわわ!婿殿、やりすぎだよ」

「なら、避ければよろしかったのでは?あの程度なら、簡単でしたでしょうに……」

「ゼェハァゼェハァ……、ふっ、2人とも、突然走り出さないでくれるかい……」


 彼女に増援があったのだけれども、物凄く様子がおかしい。何がおかしいのかと言われれば、その2人は人間だったからだ。



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