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ストライク・アタッカー  作者: 蒼のつばさ
第二章 春→夏
12/21

episode 12

 1週間後 作戦実行日

「2人来てないぞ」

 集合時間まで5分前。にも関わらず、鉄矢が来てなかった。そのことに対し、10分前から来ている人たちはイラついていた。

「チャレンジ枠の人、ちゃんと仕事するんだろうな?」

 男性A(仮)はミサトに話しかける。

「期待しててくださいよ」

「へえ。そんな奴が遅刻するのか」

「まあ、初めてですから、きっとギリギリまで迷ってるんですよ」

「へえ」

 話をしていると、鉄矢が姿を表した。

「おい、遅ぇぞ!!」「何してたんだ!?」

 罵倒がすげぇ。

「すみません。道中いろいろあって…」

 てか、集合時間前じゃん。何をそんなに怒ってるんだよ。

「…いまから死にに行くようなもんじゃねーか」

 男性Aがわざと聞こえるような声でそうつぶやいた。

「…あ?」

「まあまあまあ」

 ミサトさんが仲直りしましょうと中に入る。

 睨み合った後、男性Aが「チッ」と舌打ちをし、離れていった。

「あんな人ばっかりなんですか?」

 ミサトに聞く。

「いや、彼だけだろうね」

 ミサトさんがそう言う。

 あいつとは仲良くなれないなと思っていたとき、それを察したミサトさんが、

「大丈夫。ああいう奴はすぐに死ぬ」

 と言った。フォローなのだろうか。

「でしょうね」



「ん、一人いないようだが…?」

 まとめ役が人数確認の際にそう言った。

「ああ、その人事情で遅れるそうです」

 ミサトがそう言った。

「ん、そうなのか」

 俺より酷い奴いるじゃん…。

「んじゃ、承諾書を回収するぞ。俺のとこに持ってきてくれ」

 これか、と紙をリュックから出すと、「私が持ってくよ」と紙を奪われた。

「ああ、ありがとう、ございます」



 目的地まではバス移動だった。進むにつれ、人気ひとけがなくなってきた。

 窓からの景色に必ず入るのは、ど高い壁。ベルリンの壁もあんな感じかな。

 バス内の、ピリピリした空気が嫌になって、バスの心地よい揺れに身を任せ、眠りについた。




「着いたよ」

 隣にいたミサトさんが寝ていた俺を起こしてくれた。

「あぁ、はぃ…」

 バスから降りると、進撃の○人に出てくる壁が目の前にあった。あれ、まだ夢見てるのかな。いやでも、夢の中でこれは夢なのかと思った試しがなかったので、現実だということを痛感した。

「ほい、いくよー」

 ミサトさんがそう言って手を掴んで前に進む。

 ゲート前には小柄な女性が1人立っていた。

「来たようだね…て、1人いないね」

 女性はひと目でそう言った。って待て待て、全員いたとして50人はいるんだぞ。どんな目してんだ。

 いやいや、魔法使いがいるんだから、そんな魔法使ったんじゃないの?鉄矢くん。

 心の中を読まないでください。ミサトさん。

「事情で遅れるそうです」

 代表がそう伝える。

「ふぅん。まあいいや。じゃ、説明するよ」


 今回は男子42人女子8人、計50人(今現在1人欠席)の参加。

 期間は2週間。

 ゲートが開閉するのは朝10時と夜の6時の2回だけ。それ以外はどんなことがあっても開けない。

 承諾書のとおり、たとえ死んでもこちらの保証は一切しない。


「今の説明に賛成の人だけ、これ取っていって」

 そう言って紙袋を床に置いた。

 中には腕時計が入っていた。

「それ、現在時刻と、仲間の居場所、ゲートが次開くまでの時間が表示される。あと、ゲートが開く10分前にアラームが鳴るから。あと、仲間がなくなったらアラーム鳴るから。そーゆー性能ついてるから、それつけていってね」

 その説明の後にみんなが付け始める。

「ゲートが開く1分前。皆、前に立って」

 みんながゲート前に立つ。

「…空いたと同時にしゃがんで」

 ミサトさんが耳元でそう呟いた。

「え?」

「いいから」

 3、2、1、

 OPEN!!

 と、同時に俺とミサトさんと、数名がしゃがむ。

 しゃがんだと同時に、前にいた数名が頭を何かで打ち抜かれた。

「…!?」

 DAY1 スタート

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