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『アットホームしすたー』 3

 夢姫菜に町の案内を終え、僕たちは我が家に帰ってきた。



 「おかえりー!」


 元気に僕たちを迎えるさき。


 「ただいま。 結構早かったんだね」


 「うん! はやくおわれたの!」


 「そっか。 デス子さんは?」


 「デス子はねー、ままと話してるー」


 「ままってことは・・・・・・まさか」


 さきの身内といえば、冥界のおじさんとうちの人達くらいしかいない。ということは、さきが呼ぶ『まま』とは一人しか思い浮かばない。


 「おかえりなさーい そして帰ってきたよー、愛する竜美!」


 かわいさアピール全開のポーズをとりながらウィンクしてくる3?歳。信じたくないが、この人は僕の母親なのだ。 


 楠元 明香(くすもと あすか)

 元気さは10代の女の子に負けず、周囲をかき回してばかりのトラブルメーカー。父さん曰く、「昔よりはおとなしくなった」 だとか。これ以上騒がしいとか、想像もしたくない。


 「いつの間に帰ってきてたの母さん・・・・・・あとその格好は恥ずかしいからやめて・・・・・・」


 母親のミニスカート姿なんてみたくもありません。


 「えー、可愛いじゃん! ほーれほれ☆」


 「スカートめくんないで!」


 痴女まがいなことをしだす母親。いつまでも心が若いってのも問題だ・・・・・・。


 「おかえり、旦那。 そこまでにした方がいいぜ明香さん。 あんたの夫が泣いちまう」


 「しっつれーい☆ でも大丈夫! こんなことやるのは夫と竜美だけよ!」


 僕にも父さんにもやらないでください。


 「まったく・・・・・・ところで父さんは?」


 「あの人はまーだ仕事が忙しくてねー。 暇だったから遊びにきちゃった☆」


 遊びにきたって・・・・・・確か二人の仕事場って飛行機で行かないといけない距離のハズなんだけど・・・・・・。


 「あら? 今日は夢姫菜ちゃんと出かけてたのね!ちゃんとお兄ちゃんしててお母さん嬉しいわ!」


 「あたしと竜美くんで町の案内をしてあげてたんだよ、お母さん!」


 「そっか~、えらいぞ、竜美と繭ちゃん!」


 「えへへ~」


 繭は母さんになついている。嬉しさで急にやってきた訪問に何も疑問を抱いていない(あと馬鹿なのもあるかもしれない)。


 「まぁ、気にしたら負けだ、旦那。 明香さんだからな」


 「わかってくれてるのはデス子さんだけだよ・・・・・・はぁ」


 「夢姫菜ちゃんも元気そうでよかったわ~」


 「あ、は、はい・・・・・・」


 「うんうん! もう家族なんだからもっとお兄ちゃんに甘えなさいね! せっかくのプレゼントもあるんだから!」


 「はぅ・・・・・・」


 顔を真っ赤にしてうつむく夢姫菜。母さんからなにか貰っていたのだろうか。


 「プレゼントって何あげたの、お母さん?」


 「ふふふ・・・・・・二人を末永く結ぶものよ~」


 二人を結ぶ・・・・・・ってまさか!


 「あー! 結婚届を渡したのは!」


 「せいかーい☆」


 「あんたって人はー!」 


 義理だからって、兄妹を結婚させよようとする親がいるか!


 「だってー、早く孫の顔がみたいんだもーん!」


 「だからって兄妹で結婚を進めようとすんな! 夢姫菜も困ってるだろ!」


 「わ、わたしは別に・・・・・・」


 「え?」


 「いいいいいえ! なんでもないです!」


 「ねーねー、あすかー」

 

 「なーに? さきちゃん」


 「けっこんとどけってずっとふたりいっしょってこと?」


 「そうよ~、愛する二人をつなげられるものなの! 性的な意味でもね!」


 「なに教えてるんだよ! さきに変なこというなよ!」


 「じゃあわたしもほしい! たつみとけっこんするー!」


 「むむっ! これはライバルの出現ね! いいぞもっとやれ!」


 「息子に修羅場を経験させるつもりか! まず年齢的にアウトだよ!」


 「えー! じゃああたしも欲しいー!」


 「繭もだまってて!」


 「ひどい!?」


 もう・・・・・・母さんがいるといっつも騒がしくなる・・・・・・。収集がつかないじゃないか。この辛さをわかってくれるのはデス子さんだけだ・・・・・・。


 「デス子さんからも何か言ってやってよ・・・・・・」


 「あ、晩飯の用意してくる」


 デス子さーん!こいつ逃げる気だー!


 「ちょ、今日のご飯担当は僕でしょ!いいからデス子さんはみんなと休んでなって!」


 「いいって! 今日は町の案内で疲れただろ旦那。 私がやる!」


 「僕は大丈夫だから! デス子さんこそ、冥界まで行ってたじゃないか!」


 「いや・・・・・・それは・・・・・・まーいいじゃないか! 旦那は休んでなって! な!」


 「いいや無理! はしゃいでる母さんの面倒見るのはデス子さん得意だろ!」


 「いやいや、そこは家族の団欒で仲良くやってくれよ。 私は面倒くさ・・・・・・忙しいからさ」


 「今面倒くさいって言いかけたよね!」


 「う......だ、旦那だってただ面倒なだけだろ!」


 「い、いやー別に?」


 「もう!どうせ私は面倒な人ですよ! ......ヒック、ぐすっ!」


 「あー! あすかをなかしたー! ふたりともメッ!」


 「「すいませんでした......」」


 ━━━━


 「ふふん、ご馳走様! やっぱり竜美のご飯は美味しいわね」


 「そりゃあどうも......」


 あの後は事の収集で大変だったが、さきが僕のとデス子さんに怒られ、繭と夢姫菜が母さんを慰めにはいったため、なんとか落ち着き、今は晩御飯を食べ終えたところだ。


 「みんな元気そうで安心したわ、夢姫菜ちゃんも仲良くやれてるし」


 「まぁね、でもいきなりでびっくりしたよ。 急に妹なんて」


 「それはごめんね~、ちょっと急いで手続きしたから」


 「へぇ......」


 母さん達の職業は研究職で、よく職場で泊まり込みをしているため、あまり家に帰ってこない。

 それにやっているのは研究だけじゃないかもしれない。二人とも、仕事のことは滅多に喋らないし、そのことについて追求するつもりもない。


 「なるほどね」


 だから、気になってもわかってないふりをしておこう。きっと息子を巻き込まないようにって考えだろう。


 「いや~、厳重保護対象を引き取るのは大変だったのよ~!」


 「......え?今なんて?」


 「ん~?厳重保護対象!」


 「......」


 「今の政府って人間至上主義な人が多いからね~。 その人たちに預けるならいっそって感じでね、いろんな人に協力してもらって引き取っちゃた☆ ね、夢姫菜ちゃん!」


 「......はい」


 母さんと夢姫菜以外、動きが止まる。

 あのデス子さんですら、唖然としてしまっている。


 「......母さん」


 「なーに?」


 「母さん達はあまり仕事の話しないから、秘密があるだろうかと思ってたけど......そういうのって簡単に喋っていいの?」


 「......テヘ☆」


 「かあさーん!!」


 息子を守る母親だと尊敬した結果がこれだよ!


 こうして僕たちは夢姫菜のことを知ることになる。


 「シリアスにはならないわよ~」


 「母さんは黙ってて!」


 やれやれである。 

 

最初書いてたやつが消失し、突貫工事で作りました......。


いろいろダメで申し訳ない!


次回は夢姫菜はなんで妹になったのか詳しく書きます。

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