閑話 農場
ゲームしてたらキーボード壊れました。
密林から運んで貰ってますがちょっと書きにくいので、
いつか書いていた設定みたいな閑話を載せます。
はあ、成績が悪くて農場行きって言われたけど、何をするんだろ。
鍬でも振って耕すんかな。
炎天下の中、一日中草むしりとか?
もっと勉強しとけば良かったなぁ。
「おい、新人。もうすぐ着くぞ。これからお前が一生を暮らす農業島だ」
顔をあげると風車が立ち並ぶメガフロートがそこにあった。
余りにも風車が並んでいるせいで、それが柵に見え、巨人の島に連れてこられたと勘違いを起こしそうだ。
船が港に入ると消毒を済ませ、僕の他にも数十人が降ろされる。
僕が向かうのは第六班だ。
六班のプレートが下げられた部屋の前に着く。
どんな重労働が待ち構えているのかと船から一緒に歩いてきた二人と一緒に扉を叩く。
「おう、よく来たな」
扉が開かれ、如何にもな大男が姿を見せる。
「まあ、入れよ」
大きな手に押されて部屋に入ると、新人歓迎と書かれた横断幕が下がっている。
二十人程度の人が拍手しながら迎えてくれる。
「どうだ?やっぱり班長のインパクトからこれだと良い反応貰えると思ったんだよ」
「俺に出迎えを任せたのはそんなことの為だったのか?」
「こいつは性格悪いからな」
「悪い悪い、新人たち。まずは名前を聞かせてもらえるか?」
顔合わせが済み、ここの仕事についての説明がされる。
仕事内容は風車の点検。一か月で大体四十台、ドローン達が見にくい内部を見て行く。
専門知識が必要なものではなく、錆や腐食による変色を見るだけ。
同年の三人で一緒に行動し、仕事は一週間に一回程度。後は全部自由時間。
ちゃんと仕事をすれば報酬の引換券が貰えるらしい。
「どうだ?なにかわからないところとかあったか?」
「大丈夫です」
「ここで楽しく生きるコツは趣味を見つけることだぞ」
「そうそう、班長なんてカートで移動できるところをわざわざ走るぐらいには筋トレにはまってるからな」
「そういうこいつは編み物だぜ。そこの横断幕はこいつの手編みだ」
「えっ、凄」
予想していたものとは全く違う雰囲気に驚いたが、楽そうな仕事で安心した。
ここでは鐘もなく、起きる時間さえ自由なこの場所は勉強島より天国なのだろうか。
自動運転のカートに揺られ、風車まで移動する。
中に入っても紐で吊るされカメラを外側に向けて上げて降ろされるだけ。
半日もかからずにノルマを終わらせ、1週間後まで暇な日々《ひび》。
あまりにも快適で、競争のない生活に思考が溶けていく感覚。
夕暮れ、左右に地平線の向こうまで並ぶ風車がオレンジ色に染まる。
前後には海と田んぼが広がっている。
「ここは楽園か、それとも地獄なのだろうか」




