閑話 核廃棄物
興味本位で調べたら頭が茹で上がりました。
宇宙を感じるのでちょっとお休み。
「核廃棄物って何で危険なんだ?」
「放射線が出てるからよ」
「それはそうなんだけど、どうして放射線が出るんだ?一体何から出てるんだ?」
「多くはセシウム137とストロンチウム90ね、それらが崩壊する時にβ線やγ線、つまり放射線を出すのよ」
握り拳を震えさせて一気に開く。
「それが分からないんだよな。セシウムもストロンチウムも金属として存在するだろ。水に触れるだけで発火するような不安定な物だけど、崩壊して放射線を出すようなものではないよな」
「放射線を出すものは中性子が多いのよ。陽子と中性子のバランスが崩れればエネルギーが低い陽子に移ろうとするの。お湯が水に変わるようにね。まあ別のモノに変わっているわけなんだけど」
「中性子が陽子に変わるのは普通の物質でも起きたりしないのか?」
話を区切り、手を挙げて質問する。
「普通の物質だと起きないわね。陽子と中性子は通常、核力によって結びついているの。ないわけじゃないんだけど、確率が極めて低い。放射性同位体ですら崩壊してその原子数が半分になるまで相応の時間がかかるわ。半減期は教えたでしょ」
「確かに教わったな。でも確率が低いって、変化にサイコロでも振って判定しているのか?」
「似たようなものよ。私たちの見る景色だと壁は壁で手を当てると壁を感じるでしょ。でも、手や細胞がそこに存在していると言えるかしら。手を作る、細胞を作る、化合物を作る原子の99%空なの。ただ電子が原子核の周りを回っているだけ。とても、とても細かく見ればザルのような、それぞれが繋がっていない分更にスカスカな球の集合体でしかないの。それでも色々な力が働いて通すことはないんだけど、通ることがあるのよ。確率の低い可能性だけどね」
アティマは説明しながら指先にナイフを乗せて回す。
高速で動いたような、それこそすり抜けたような軌道をしてナイフが落ちる。
「シュレディンガーの猫が生と死ではなく箱の右と左にいるみたいな。そしてもう一つ。エネルギーの世界でも借金みたいなことが出来るのよ。ミリ秒なんて言ってられないほど短い時間しか借りられないけど、それが崩壊に必要な猫を移動させる力になるの」
「確率の壁を越えれば鉄が金に変わりみたいな」
「それは違うわね。金の方が大きいから鉄に変わるのよ。確率を超えるとエネルギーが放出されて中性子の中のダウン|クォークがアップ|クォークに変化する。エネルギーを借りてウィークボソンを作り出すことが確率を超えたことになり、ウィークボソンは直ぐに崩壊してエネルギーの返済と余剰分の放出を行うの。放射性セシウムであれば陽子が一つ増えてバリウムに変わる。どう?放射線が出る理由はわかった?」
「わかったような?原子がほぼ空洞で、陽子は陽子という物質であるもののクォークからできていて、ダウン|クォークはウィークボソンを放出することでよりエネルギー量が低いアップ|クォークに変化すると」
「陽子にはそれ以外にも質量の多くを示すグルーオンや揺らいでいるシー|クォークなんかもあって、しかも色があったりもするのよ」
「止めて、これ以上僕を混乱させないで。変なことを聞いたことは謝るから」
怪しげな笑みを浮かべ、その後も怪しげな理論を語られ続けた。
ワームホールはそこら中に出来ている?
相対性理論で未来へ?
宇宙は紐から出来ていた?
\(^o^)/
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