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魔王誕生  作者: レンロズ


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17/27

建国

作戦(さくせん)()まで(ぼく)らは(まえ)(いえ)()ごしていた。

ただ堕落(だらく)していた(わけ)ではなく、(ぼく)はヴィクトル(たち)訓練(くんれん)したり魔力(まりょく)(あつか)いを(さぐ)ったり、アティマは(ひる)会議(かいぎ)鬱憤(うっぷん)発散(はっさん)してスッキリ目覚(めざ)めていた。

(いま)はレオが甲板(かんぱん)作戦(さくせん)内容(ないよう)確認(かくにん)激励(げきれい)ちゅうだ。

(あつ)まった人員(じんいん)は30(にん)程度(ていど)。ここからは5人組(にんぐみ)救出(きゅうしゅつ)(はん)、2人組(にんぐみ)放棄(ほうき)(とう)制圧(せいあつ)(はん)、3人組(にんぐみ)放火(ほうか)(はん)()かれて(うご)()す。

完璧(かんぺき)にハッキング出来(でき)るのはイリヤのみ。ソラとレオを()わせたハッキング(はん)順番(じゅんばん)(しま)()()って()今回(こんかい)(かなめ)だ。

(ぼく)はそれを(とどこお)りなく(すす)めるために放棄(ほうき)(とう)制圧(せいあつ)(はん)

(ひと)がいる(わけ)でも防衛(ぼうえい)戦力(せんりょく)がいる(わけ)でもないだろうから、(みち)確認(かくにん)程度(ていど)なものなんだけどね。

相方(あいかた)紡糸(ぼうし)をしていたミリア。背中(せなか)から()一対(いっつい)(うで)精密(せいみつ)作業(さぎょう)得意(とくい)とするぜ。


「おい」

「はい」


一対(いっつい)()りないけど阿修羅(あしゅら)みたいで(こわ)いんだよな。

レオーどうしてこの()()ませたんだ。魔力(まりょく)(りょう)(ひく)いものを放棄(ほうき)(とう)制圧(せいあつ)(まわ)したのはわかるけど、なんかなかったのかよ。まぁ、ヴィクトル(たち)訓練(くんれん)(はじ)めたのは最近(さいきん)だし、魔力(まりょく)身体(しんたい)強化(きょうか)使(つか)われている(やつ)らは()るからに(うご)きが(ちが)うし、魔法(まほう)(こおり)生成(せいせい)とかいう今回(こんかい)放火(ほうか)遅延(ちえん)作戦(さくせん)真逆(まぎゃく)だし、元々(もともと)魔力(まりょく)目覚(めざ)めたのが女性(じょせい)(がわ)(ほう)(おお)いのも()ってるけど、(ぼく)のコミュニケーション能力(のうりょく)からして(むずか)しくないですかね。えぇ。


表情(ひょうじょう)(かた)いぞ、握手(あくしゅ)でもするか?」

「ああ、はい」


背中(せなか)(がわ)から()(うで)(おそ)(おそ)握手(あくしゅ)をする。

(ひじ)からしか()がらない|せい》で、通常(つうじょう)(うで)使(つか)って(まえ)()ばす(へん)体制(たいせい)とる(うで)(すこ)(ふる)えている。

二対(につい)(うで)()み、仏頂面(ぶっちょうづら)()かべるこの()緊張(きんちょう)しているのだと理解(りかい)すれば、(すこ)親近感(しんきんかん)()く。


「なに(わら)ってんだよ。アティマと作戦(さくせん)(まえ)(はな)しとかなくて()いのかよ」

「もう(はな)した。昨日(きのう)(よる)からみっちりとね」


(おも)()すように()えば、()かれたような返事(へんじ)(かえ)る。

数刻(すうこく)(ふね)()られれば作戦(さくせん)場所(ばしょ)()いたらしい。

救出(きゅうしゅつ)(はん)から小型(こがた)(せん)()って(しず)かに発進(はっしん)する。

(ぼく)らは(さら)(ちい)さい救命艇(きゅうめいてい)使(つか)って放棄(ほうき)(とう)()()む。

放棄(ほうき)されたとはいえ拠点(きょてん)よりも(あたら)しく、しっかりとした居住(きょじゅう)(よう)建物(たてもの)出迎(でむか)える。

カツカツとブーツがコンクリートの(ゆか)()らし、夜空(よぞら)()えていく。

制御室(せいぎょしつ)接岸(せつがん)場所(ばしょ)()(ちか)くで早々(そうそう)()つけ、二手(ふたて)(わか)れて探索(たんさく)(うつ)る。

(しま)としては地平線(ちへいせん)がギリギリ()えるくらいの(おお)きさはあるものの、建物(たてもの)(おお)きくない。

ミリアが(そと)()()かなければ二手(ふたて)(わか)れる必要(ひつよう)すらなかっただろう。

実験(じっけん)(よう)だった名残(なごり)実験室(じっけんしつ)(なら)ぶ。

機材(きざい)試薬(しやく)(のこ)されておらず、実験室(じっけんしつ)らしい(つくえ)とビーカーや(くすり)さじなどからそれが主張(しゅちょう)される。

そんな(なか)(なに)かが廊下(ろうか)(さき)(ひか)る。

(ちか)づくとそれが(ひか)っているわけではなく、こちらの懐中電灯(かいちゅうでんとう)反射(はんしゃ)しているだけだと(わか)る。

(ひと)がいる。ナイフを(ゆか)()き、片手(かたて)頭上(ずじょう)()げてもう片方(かたほう)(ゆび)()(くち)()てている。


「な、」


何者(なにもの)だ。(こえ)()げようとした瞬間(しゅんかん)爆発的(ばくはつてき)速度(そくど)()()してきた(かげ)(くち)(ふさ)がれる。

???

(こえ)()せず、(いき)()れる。

だが(いた)みは(おとず)れず、(はな)(ふさ)がれない。

(なに)目的(もくてき)だと相手(あいて)()()ると、コンコンと(ゆか)()(ほこり)(かぶ)った(ゆか)文字(もじ)()く。


(こえ) ()す しない』


(くち)(おさ)えられているせいで不格好(ぶかっこう)ながら(うなず)くと、()(はな)される。

(ゆか)文字(もじ)()こうとすれば、相手(あいて)がペンとノートを()()す。


『どうして(はな)したら駄目(だめ)なんだ?』

(おと) (つた)わる (くに)


(おもむろ)(ふく)(まく)り、背中(せなか)()せられる。

()(しろ)(はだ)一点(いってん)(ふく)らみ、違和感(いわかん)(あた)える。


『これ チップ ()れない』

『わかった。お(まえ)(だれ)なんだ』

(わたし) ナターシャ つゆの(くに) こうさん する』

投降(とうこう)するなら(こえ)()しても()いんじゃないか?』

『ノー 仲間(なかま) いる』

(ぼく)らも(いね)(くに)とは敵対(てきたい)してるけどそれで()いのか?』

『マジック ()つ (おな)じ』


彼女(かのじょ)全体(ぜんたい)()れば、頭上(ずじょう)(ねこ)のような(みみ)()ち、(まだら)模様(もよう)細長(ほそなが)尻尾(しっぽ)()えている。

()たことのない変異(へんい)だ。


『これ ()る』


(ゆか)()かれたままのナイフを指差(ゆびさ)し、背中(せなか)()ける。


『ちょっと()とう。(ぼく)一緒(いっしょ)()(ひと)手先(てさき)器用(きよう)なんだ。その(ひと)(まか)せよう』

『すぐ しない?』

()べば()ぐに()()すから、ここで()ってて』

『わかった ()つ これ ()つ』


ナイフを(あず)けられ、ナターシャはそこに(すわ)()んだ。

なるべく足音(あしおと)()てないように(はな)れ、丁度(ちょうど)(そと)から(もど)ってきたミリアに事情(じじょう)(はな)す。


「それ大丈夫(だいじょうぶ)なんだろうな?」

(いま)(ぼく)()きてるし」

「まあいいか。(ちい)さいものを()()すならピンセットも()しいな」

「それならあったと(おも)うから()ってくるよ」

(あと)()(とき)にナイフを()やしてくれ。(すこ)しはマシになるだろう」


実験室(じっけんしつ)からピンセットを()り、ナターシャの(もと)(もど)る。

彼女(かのじょ)()わらず(すわ)っており、こちらが()つけると(ふく)(まく)って背中(せなか)()せる。


()るよ』


(ゆか)()いて(おし)えれば、(まく)った(ふく)()()める。

ナイフに(こおり)(まと)わせ()やす。

冷気(れいき)(ただよ)うのを確認(かくにん)してから、ミリアの二対(にたい)(うで)()う。

皮膚(ひふ)固定(こてい)し、()(ひら)く。ピンセットとナイフを駆使(くし)し、ゆっくりとしかし、迅速(じんそく)()められたチップを()()す。

ナターシャは()(なみだ)()かべながらも(こえ)()(ころ)し、()れたチップを()せると()(つぶ)す。


「ありがとう」


(いと)()れたように(ねむ)りにつく。

(あたま)()たないようにゆっくり()かせてやるが、背中(せなか)から(すく)なくない(りょう)()(なが)れている。

ミリアが(ふく)から(いと)()()して(はだ)無理(むり)やり(くく)る。


「イリヤが()たら()せるぞ。あの()治療(ちりょう)出来(でき)るから」

制御室(せいぎょしつ)まで(はこ)ぶよ。ここに()るのは最後(さいご)だろ」

「そうだな、(まか)せた」


ナターシャを背負(せお)い、(うし)ろを()ることなく(すす)むミリアについていく。

女性(じょせい)らしい(やわ)らかさよりは肋骨(ろっこつ)などの(ほね)(かた)さが直接(ちょくせつ)(つた)わり、魔法(まほう)使(つか)ったアティマ(ほど)ではないもののとても(かる)い。そしてどこか(けもの)のような(にお)いがした。

それ以上(いじょう)することもなく、(そと)(なが)めていた。

1時間(じかん)ほどでイリヤたちが()(ふね)()く。

(さき)(しま)制御(せいぎょ)(うば)った(あと)でナターシャの治療(ちりょう)(おこな)ってもらい、レオとこの(あと)について相談(そうだん)する。


「なるほどね。(つゆ)(くに)のスパイか。こんなところにいた理由(りゆう)()になるな。通信装置(つうしんそうち)はもうないんだよね?」

()いと(おも)います。(なお)したときに全体(ぜんたい)(さが)りましたが(へん)反応(はんのう)はありませんでした」

()れて(もど)っても問題(もんだい)ないか、アスラはその()監視(かんし)をしておいてくれ」

(ぼく)()てても(おと)もなく()ぬと(おも)うぞ」

「そんなに(つよ)かったのかい?銃弾(じゅうだん)()ていたと(おも)ったけど」

(たま)()えないさ。銃口(じゅうこう)から弾道(だんどう)予測(よそく)して(ひかり)()わせて()いてるだけだよ。それにこれはレオの(ほう)得意(とくい)だろ?」

「じゃあ、アスラが()ななければ安全(あんぜん)ってことで」

「それ(ぼく)()ねって()ってないか」

「そんなことないさ、ああそうインターネットに(ちか)づく(こと)監視(かんし)してくれよ。(おれ)たちは発信用(はっしんよう)動画(どうが)()ってくる」


(おお)きな(こえ)()さないようにしてくれ。

そう()って()()って2(かい)へと()がるのを、見送(みおく)る。

(おと)()てないように、ミリアと小声(こごえ)(はな)しながらナターシャを見張(みは)る。

しばらくすると放火班(ほうかはん)(ふね)()(はじ)め、(さら)訓練島(くんれんとう)(ちか)づき、(しま)(すす)んでいることに()づく。

(しま)(ふね)訓練島(くんれんとう)(かこ)まれるように(すす)み、(とお)くでは(けむり)()がっている。

その(ころ)にはレオ(たち)()りて()て、拠点(きょてん)()った動画(どうが)(あわ)せて世界(せかい)発信(はっしん)しているようだ。

(ねむ)っていたナターシャが突如(とつじょ)()()がり、(はな)をピクピクさせて(はな)す。


「ご(はん)()べる」


「ミリアは()ってる?」

()ってるわけないだろ、こんな時間(じかん)()べたら(ふと)る」

「と()うわけなんだ。拠点(きょてん)()いたら(さかな)野菜(やさい)()べられるから我慢(がまん)してくれ」

(いま)()べる。()る いる」


()()がり、(そと)(つな)がる(とびら)()つめるナターシャにギョッとしながらも言葉(ことば)(かえ)す。

その(あいだ)彼女(かのじょ)(はら)()(つづ)け、両手(りょうて)()さえる姿(すがた)(とり)(ひな)幻影(げんえい)()る。

バタン。

どうしようか?ミリアと流石(さすが)可哀想(かわいそう)だと相談(そうだん)していれば、(いきお)いよく(とびら)()く。

まだ(だれ)(のこ)っていたのか、()(かえ)っていたのはアティマだった。


「アスラ。訓練島(くんれんとう)にあった設備(せつび)夜食(やしょく)(つく)ってきたから一緒(いっしょ)()べましょ」


アティマは制圧(せいあつ)した(しま)()って(かえ)(はず)では?レオ(たち)(ふね)()って()るならまだしも、(そと)から()るってどう()うことだ。片手(かたて)(ぎん)トレーを()っているし。


()(うつ)って()たの。(わたし)()ってた訓練島(くんれんとう)はここの真反対(まはんたい)(かこ)ってるから時間(じかん)()かっちゃった」

「ご(はん)()べる」


可愛(かわい)らしくポーズを()るアティマへとナターシャが(うご)く。

アティマがナターシャを()んでいる。どうしてそうなった。(まった)()えなかったぞ。


「アスラ、この()(なに)?」


あの()みだ。言葉(ことば)にも怒気(どき)()ざっている()がする。

気圧(けお)され返答(へんとう)()まると、(あつ)余計(よけい)(つよ)まる。

それでも(なん)とか(こた)えようとした(とき)制御室(せいぎょしつ)からレオが(あらわ)れ、早口(はやくち)()(わけ)()べる。


計画(けいかく)だとここは(いね)(くに)()めつつ、(いね)(くに)以外(いがい)庇護(ひご)(もと)めて攻撃(こうげき)されないようにする(はず)だったんだけど、(おれ)(いま)(いま)子供(こども)みたいで、(あま)りにも作戦(さくせん)上手(うま)()ってしまったから、気持(きも)ちが(たか)ってつい独立(どくりつ)なんて()っちゃって、そのまま(なが)しちゃった。イリヤには()められたんだけど、()っている(とき)()められなくて、発信(はっしん)してから()(あせ)()まらないっていうか、その、なんていうか、ごめん」

「は?」


アティマの(うご)きが()まった一瞬(いっしゅん)(すき)()いてナターシャが(ぎん)トレーを強奪(ごうだつ)し、()べる。

ちょっと()てよ、(いま)レオはなんて()った?

日別のPV20超えたの初めてだー

何でだ?

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