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生まれてきてくれて……ありがとう。

 12月25日がきた。

 兼ねてからの予定通り、レオの誕生日を2人きりでお祝いすることになっている。


 レオの記憶をたよりにケーキを模索していたら、なんとお食事処のオジサンが作れるとのことで、速攻お願いした。


 それから、細いローソクを立てるらしい。ので、特注でローソクを作らせた。

 木綿の糸に、ロウをくぐらせただけの、本当に細いローソクを、16本用意した。

 これを、お願いごとを込めて吹き消すらしい。


 ケーキはおじさんに頼めるので、せめて料理は私が用意しようと決めていた。

 レオはミルクが好きなので、クリーム煮と、グラタンと。白い料理が多めに並んだ。

 レオは料理姿を眺めていたけど、時々近くに来ては嬉しそうに味見した。おかげで机に並ぶ頃には、料理が半分に減っていた。

 恐るべし、成長期。


 それから、プレゼントも用意した。

 以前、アンクレットを貰ったっきりで、何もお返しをしてなかったから。

 多分レオはお揃いのものとか好きなんだろうなって分かってたけど、私とレオが並んでる肖像画を描いてもらった。

 王宮から派遣で来てもらって、護衛兵達に紛れ込んで貰ったんだけど、いつバレるかとヒヤヒヤした。

 バレることなく描きあげてくれて助かった。


 あとは用意するものは無いかなと思ったらレオがお酒を欲しがった。

 そんなこと今まで一言も言わなかったのに、急にどうしたのかと思ったら


「酔ったパティをみたいの」


 だそうだ。

 あんまり強くないんだよね、お酒。だって飲みなれてないから。


 お昼頃、食堂のオジサンがケーキを持ってきてくれた。


「レオ、おめでとう!」


 と言われただけで、レオは喜びを噛み締めているようだった。


「オッチャンはいつ誕生日なの?ひとつまたジジイになる日をお祝いしてやらぁ」


 と照れ隠しに憎まれ口を叩いていた。


 ケーキも揃った。料理も揃った。お酒も寒さでガンガンに冷えている。

 気がつけば、窓の外では雪が降り始めていた。


「きっと明日の朝には積もってるね」


 と言ったら


「じゃあ今夜は温めあわなきゃね」


 っておでこにキスされた。


 こうやって話をしていると、相手はずっと年下の男の子だということを忘れてしまいそうになる。

 こんな私を、私だけを好きになってくれて、大切にしてくれる人。

 その喜びをぎゅっと噛み締めながら、


「生まれてきてくれてありがとう」


 と伝えたら、レオは真顔で涙を零した。

 自分が泣いてることに気がついて、ビックリしていた。


 それからレオは


「俺と出逢ってくれてありがとう」


 と、私を抱きしめて、そして泣いた。

そんな彼の胸の中で、私はレオを抱き締め返し、背中をなで続けた。


「で、ケーキと料理は、食べる順番とかあるの?」

「えっ、知らないな。普通に考えれば、デザートは後か?」

「でもそれだと、ロウソクはいつ吹き消すの?」

「最初!多分絶対最初!てか今やってみたい!」

「わかった。じゃあ火をつけるから、ロウソクを立てちゃおう」

「ロウソク立てたら火を付けづらくねぇ?」


 なんていうから、火魔法でさっと火をつけた。


「くっ。かっこいいな。俺も魔法使ってみたい」

「こればっかりは生まれつきの能力だからね。ね、もし使えるとしたら、何魔法を使いたいの?」

「そりゃもちろん、魅惑系。1回魔法使いと戦ったけど、てんで弱くて話になんねぇから戦闘系はいらねぇな」

「いつの間に……」

「まぁ、ちょっとね」


 って笑ってた。魅惑魔法なんてなんに使う気やら……。


「じゃあ、吹き消すぜ」

「うん。お願いごと、忘れないでね」

「あ、そか。どうしようかな」

「ほらほら、ロウソクが垂れちゃうよ!」

「まぁ、お願いごとなんてひとつしかないんだけどね」


 といいながら、一息でロウソクを吹き消した。


「お願いごと、叶うといいね」

「そりゃパティ次第だな」


 って笑われた。


 今回の料理は、割と上手に出来たと思う。

 焦げてないし、塩と胡椒も間違えなかった。

 でもレオに言わせると


「パティの料理は全部美味いよ」


 とのことで、少し照れた。


「最も、パティはもっと美味そうだって最近気がついたけど」


 って狼のように『ガオ』って、吠えた。

 その仕草が可愛くて笑っちゃったのに、急に真顔に戻るから、もう胸のドキドキが限界に近い。それでもまだ、レオとお祝いしていたくて、気が付かない振りをした。


「あのね、実は、プレゼントがあるの」

「ありがとう。その言葉を待ってた」

「え、なに、ちょっとなんで服を脱がせるの!?」

「リクエストに応えてくれたんだろ?」

「違いますー。プレゼントはこっちですー」


 って肖像画を渡した。


「来年も、再来年も、一緒に描いてもらおうね」

「ん……。それ、絶対の約束な」


 って、肖像画をまじまじと見て、嬉しそうに抱きしめた。


 ご飯もケーキも食べられるだけ食べ、ひとりでお酒を飲まされて、ほんわか気持ちよくなって、目がトロンとしてきた。


「ふ。パティ、可愛い」

「かわいくないのらー」

「呂律回って無さすぎだろ。やべ。可愛すぎ」

「もー、そーやってれおは私をからかうんだお!」


 ってプンプン怒ってポカスカ叩いてるのに、レオっては超余裕の表情で悔しい。


「全く痛くないから。殴るつもりならもっと強く叩かないと」


 って、私の拳をゴンっとレオの胸に当てた。


「聞こえる?俺の鼓動」

「ん。とくんとくんって、はやいね。いきてるら」

「うん。これ、パティのせいだから」

「わらひ?」

「そう。ねぇ、パティ。俺の事好き?」

「すき!」

「うん。でもね、俺の方がもっと好き」

「ほんらことないもん!」

「ん。したら、今日は俺の事、受け入れて」

「ろーやって?」

「うん。聞いて。パティ。好きだよ。愛してる。俺だけのものにならないなら『ブッコロス』本気で『ブッコロ』したいくらい、深く愛してるよ」

「……!ぁっ……!」


 脳天から足先まで、電気が走ったかのような快感が突き抜ける。一度ならまだしも、2度も続けて言われたのだ。目がチカチカして意識がふわふわした。


「卑怯でごめんね、パティ」


 そういうと、味わうように、深いディープキスをされた。


「あぁパティ。限界の俺をそんな表情で、煽らないで」

「パティ、綺麗だ。パティ……」


 と、留めにもう一度耳元で『ブッコロス』と囁かれ、完全に意識を失ったわたしは、蕩けた体でレオを受け入れたのだった。

酒で酔わせて、『ブッコロス』を三回も重ねて、用意周到なレオ……



とは言え、。やっと結ばれたね。

おめでとうレオ。


おかあさんはお赤飯を炊かなきゃって気分です。


出来ればイイネや感想コメントで応援頂けますと幸いです。

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