第94話 同型
(おい、お前には姉妹艦がいたのか?)
『分かりません、その事に関する記録は全て抹消されています』
(復元出来ないのか?)
『それは、、ッ!艦長!エネルギー源の濃度が急上昇しています!』
(つまりアイツも空を飛べるのか!?)
『はい!エル様と共にヘリで帰還してください!』
そう通信が来た瞬間…
ゴゴゴゴゴゴッ…!!
「遂に動き出しやがった…」
大きな地響きと揺れを伴い、その船体が徐々に前へと進んで行く
「フフフ、、ハハハハッ!どうだ!永らく闇に閉ざされた世界から私は開放されたのだ!」
恐らくスピーカーだろうか、同型艦の方向からガヴィエルの声が聞こえてくる
「待ってろ…」(今すぐにでも地面に叩き落としてやる…)
そう呟くと、後ろから声が聞こえてくる
「大和様ー!早く乗って下さーい!」
そこには着地したヘリに乗ったエルが俺に向かって手を振っていた
「ムッ、逃さんぞ!」ババババッ!!
奴から対空機関砲が発射される
(不味いっ!)
『大丈夫です、護衛機隊を使って物理的に防御します』
その通信と同時に大聖堂でガヴィエルの仲間達を押さえていた護衛機隊が機関砲の弾道上に突入し、ヘリを弾丸から守る
「小癪なぁッ!」
奴も負けじと機関砲を連射し、護衛機隊も数が減りつつあるものの身を挺してヘリをその弾丸から守る、そして…
「よし乗った!急いで出してくれ!」
『了解、緊急発進につき何かに捕まってください』
そうしてヘリは急上昇し、奴から遠ざかりつつ上昇し、アグレディアへ帰還する
「いやー、面倒な事になったな…」
「アレは一体何なのですか?アグレディアと全く一緒の様ですが…」
『艦長、分析結果が出ました、あの艦は航空性能に特化した艦の様です、画像データを送りますので見てください』
そうして3D眼に奴の見た目を映した画像が表示される
「何だこれ、、翼が生えててしかもエンジンみたいなのもあるぞ…」(例えるならジャンボジェットの翼をそっくりそのまま戦艦に取り付けた感じか?)
『アレの翼には推力偏向機構が備わったエンジンが取り付けられているようです、その代わり武器・装備は貧弱なようです』
「なら奴の動きを止めれば十分勝機はあるか…」
「でも具体的にどうやって止めるのですか?」
「決まってるだろ、エンジンに直接砲弾を打ち込むんだ、それも主砲クラスのな」
「えぇっ!?でもどうやって…」
「そこが問題だ、今奴はまだ後尾が地面に埋まってるからまだそこまで動けないはずだ、ならその間に対策を練る」
〜2分後〜
『艦長!そろそろ動き出します!』
「早っ!まぁある程度は思いつけたが…」
そう会話していると、奴の艦尾が完全に地面から切り離され、その船体の全てが明らかになる、それと同時に…
ズヴボォーーン!!! 凄まじい轟音と共に奴が地表から物凄いスピードでアグレディアの所に迫ってくる
「回避しろ!」
『了解、サイドスラスター出力最大!』
そうして俺の目の前を奴の船底が通り過ぎていく
「フハハハッ!攻撃してこないとはさては臆したか!」
「野郎…」(完全に調子に乗ってやがる…)
「さぁ、まだまだいくぞ!死にものぐるいで避けるんだな!」
そう言って奴はアグレディアの周辺を戦闘機バリのマニューバで挑発してくる
(・・アンカー射出用意…)
『アンカーですか?』
(あぁ、目標は敵戦艦だ)
『ですがアンカーの射出用ロケットでは到底追いつけません』
(だからギリギリ掠める所でアンカーを敵船体に射出、命中した所でもう一つのアンカーを敵船体に射出して完全に固定するんだ)
『・・了解しました、艦首を敵戦艦に向けます』
(あぁ、それと艦内放送と繋げてくれ)
『了解しました、2秒後に接続します』
そうして俺は全員に作戦を伝える
「あー、、総員聞け、これより本艦は急機動状態に入る、したがって物が転落する恐れがある、だから総員速やかに身近に固定されていない物から離れ、何かに捕まるように」
そう言って俺は第一艦橋へ行き、暫くした後アグレディアは奴に対して艦首を向け、前進を開始する
(出来るな?ギリギリまで引き付けてから射出するんだ!)
『了解、アンカー射出体制』
そうして奴とアグレディアの側舷がぶつかりそうになった時…
「今だ!アンカー射出!」
『アンカー射出します!』
バシュッ! ガキーーン!!
「な、何だ!?」
アンカーが刺さると同時にアグレディアは奴に引っ張られてドリフトをしてるかのように動く
(横Gが凄い…!)
『アンカー固定完了!』
「・・ッ!次弾用意!目標敵戦艦艦橋!」
『用意よし!』
「撃て!」
『第二弾射出します!』
そうしてアンカーは2本とも無事命中し、奴とアグレディアをがっちり固定したのだった…




