第80話 殺傷
俺はエルを連れて、副首都の商店街を歩いていた、尚アリスは艦内で待機している
ガヤガヤ…!「お母さーん!あっち行こーっ」「コラ!勝手に走らない!」
ガンガン!「おい、こっちの道具持ってくれ」「あいよ、早くしてくれよな〜」
(朝だってのに人で一杯だな…)
『目論見が外れてしまいましたね』
(あぁ、流石に道が一杯になるぐらいにまで人が起きてくるとはな…)
「や、大和様、ちょっと怖いです…」
隣で手を繋いでいるエルが少し不安そうな顔で訴えてくる
「そうか、ならもう少し人が居ないところに行こうか」
「はい…」
そうして俺は彼女を連れて人通りがなるべく少ない場所へと向かい、道路脇の小道ら辺で一旦止まる
「ここならどうだ?」
「うん!ここならちょっと楽だよ…」
「すまなかったな、人混みが苦手とは思わなくてよ…」
「いいえ、大丈夫です!少し怖いですけど…」
「それで、さっきの所で何か気になった物でもあったか?」
「あっ!えーっと、、特には…」
そう言って彼女は下を向く
「あぁいや、別に良いんだ、ちょっとここで待っててくれるか?」
「え?はい…」
そうして俺は彼女を一旦待っているよう指示し、もう一度商店街の中へと向かう
(・・一番興味を示したのは、、アクセサリー類だったな)
そうして俺はアクセサリー類を売っている店に行き、適当に見ていると突然通信が入る
『艦長、特別護衛監視対象者に近づく者あり、数は5、いずれもエル様に害を与える恐れアリ、至急急行することをオススメします』
(分かった、付近500m地点にいる護衛機全機を稼働体制に移行、周囲30mで待機させろ)
『了解、護衛機18機が稼働体制に移行します』
「あっ、これ2つを…」(迷ってても仕方ないし勘で…!)
そうして俺は来た道を戻り、エルの元へ向かうと…
「これはこれは可愛いシスターさん、ちょっとこっちに来てくれませんか?」
「ちょっと、、困ります…!」
そう言いながらエルは少しづつ道路へ出てくる
「大丈夫大丈夫、怖がらないで、付いてきてもらうだけで良いから…!」
そう言って奴等の一人が彼女の腕を掴む
(腕を掴んだな、よし!稼働機全機で奴等を囲め!)
『了解』
そう命令している間に俺は銃を取り、エルの腕を掴んでいる奴の肘部分を狙って撃つ
バァン! 市街地に銃声が鳴り響く
「う、うわぁっ!?俺の右腕があっ…!」「だ、大丈夫か!」「キャァァァァァッ!」
(腕一本吹き飛ばした位で叫ばないで欲しいね…)
そう思いながら俺は奴らに向かっていく
「な、何だお前!」「さてはお前がやったな…!」
俺が現れた事に驚く奴も居たが、腕を吹き飛ばした奴を除いて殆どが俺に向かって来る、すると…
キュゥィィィン!!キュゥィィィン! 「な、何だコイツら!?」
屋根に隠れていた護衛機隊が奴等を取り囲む
(殺傷兵器の使用を許可する、腕を吹き飛ばした奴を含めた全員の内一人だけ残せ)
『了解しました、選ぶのはランダムで宜しいですか?』
(それで良い、殺れ)
『承知しました、あと2秒で発砲します』
その報告を受けた俺は咄嗟に地面に手をついていたエルの目を塞ぐ、その瞬間…
ウィィン…! ドドドドドドドドドドッ!! 護衛機隊の全機が一斉に奴等へ向かって銃弾の雨を浴びせる
(銃声で悲鳴も聞こえてこないな、、というかこれ一人も生き残らないんじゃないか?)
1秒間の射撃の後、舞い上がった土煙が晴れる
「な、、何なんだよ…」
「おお、ちゃんと生き残ってる…」(ん?両手両足に銃弾食らってるのかこれ?しかも2・3発…)
『生き残ってるのは間違いないです』
(お前も中々じゃないか?)
『艦長がそれを言いますか?』
「まぁいい、取り敢えずお前、この娘が誰か知ってるか?」
「ああっ、、あぁっ…」
帰ってくるのはどれもこれも怯えた声ばかりであった
(おい、心が死んでるぞコイツ)
『おっと、それは計算外ですね、今後はそれも考慮しておきます』
(まぁコイツは連行していってくれ)
『了解しました、治療は施しますか?』
(いや、生命維持が危ういなら受けさせるが…)
『現在対象者の負傷は多量の出血と四肢の全損のみです、体の機能は全て生きています、輸血すれば大丈夫かと』
(なら治療は輸血だけにしろ、それ以外は禁止だ)
『了解しました』
そうして機械兵の一体が残った一人を持ち上げて去って行く
「エル、大丈夫か?」
「は、はい、、今のは一体…」
「護衛だ、問題ない」
「人ではないように見えますが、、空を飛んでいましたし…」
「気にするな、そのうち慣れる、それよりもほら」
そう言って俺は彼女にアクセサリー屋で勝った物を渡す
「こ、コレは…」
「俺は女子みたいな感覚は持ってないからセンスは無いかもしれないが、、まぁ気に入ってくれると嬉しいが…」
「い、いえ!ありがとう御座います!」
そう言って彼女は笑顔で渡したアクセサリーを付ける
「ど、どうですか…?」
「似合ってるよ、多分エルには何でも似合うだろ」(デザインが良いのかもしれんな…)
「そ、そうですか…」
そう言って彼女は少し顔を赤くするのだった…




