第79話 意味
俺は彼女達が部屋から起きて来た後、深夜になり皆が眠った頃に、アリスからエルが悲しそうな表情を見せた理由を聞いていた
「結論から言って、原因は教国の情勢にある」
「教国の情勢?」
「現在、教国は2つ、正確に言えば3つの派閥がある」
「派閥か、、それで?」(内部のゴタゴタか?)
「ん、それぞれ教国元首の教皇派、教国の顔とも言える聖女派、そして第3勢力としてエルを推す派閥」
「その3つがお互い争ってるのか?」
「そう、それぞれが攻撃しあってる」
「宗教あるあるだな、同じ神を信奉してるんだから誰か一人に絞ったら良いものを…」
「それは人間である以上無理、永遠に解決出来ない」
「それもそうか…」
そう言って数秒固まる
「・・それで、その派閥の支持者達が…」
「聖女達がそれぞれと仲良くするのを許さない、か?」
「そういう事、だから禄に一緒に遊んだ事も、喜びあった事もない」
「普通に可愛そうなんだが…」
「そう、でも支持者達は彼女達の気持ちなんて考えてない、考えてるのは教国の独占だけ」
「腐ってんなぁ、、それでエルをこの艦内で狙った理由は?」(お付き人として入ってたなら何時でも殺そうと思えば殺せただろうに)
「恐らく、この艦を手に入れる為」
「・・は?」
「宗教ってのは、神とか聖女かが特別な事をしたら聖遺物として教国に持って行きたがるもの」
「あーね、そこで聖女の妹が死んだから聖遺物として教国が管理しようとすると」
「そういう事、要請を断ったら教国は勿論、世界中の信奉者が敵になる」
「まぁ正直有象無象が集まった所でって話だと思うが…」(実際世界中の戦力かき集めてもこの世界の技術じゃ敵になりそうにもないし…)
「油断しちゃ駄目、人間は時に考えられない事をする」
「そうだな、気軽に敵を増やすのはやめておこう」
「ん、そうした方が良い」
「にしても、今度の相手は教国になりそうだな」
「予知?」
「あぁ、なんとなくそんな気がするんだよ、俺のこういう悪い予感はだいたい当たるんだよ…」(良い方に行った試しが無い…)
「・・それが当たらないように祈ってる…」
そう言って彼女は椅子から立ってドアへ向かっていく
「あぁ、ぜひ頼む」
「それじゃあ、おやすみなさい」
「おう」(おやすみなさい覚えたのか…)
〜朝〜
『艦長、06:00です、起床してください』
(・・現在位置と速度は…?)
『目的地の南西約86km地点です、現在時速約170kmで、所要時間約30分です』
「もう偵察機諸々は投下したか?」
『はい、警護部隊も展開しました、何処に居ようと5秒で護衛機が最低でも1機が到着します』
「結構だ、怪しい人物を発見次第報告とその者から半径300m地点に居る護衛機は警戒体制に移るようにしろ」
『了解しました』
それから30分後、艦は副首都に到着し、代表者達に対して案内を開始したのだった…




