第77話 突然
「手すりから乗り出しても構いませんが、なるべく落ちないようにしてくださーい!」
代表者達が甲板で周りの景色を楽しむのだが、ついつい甲板の手すりから乗り出して落ちそうになるので、それをメイド達が止めている
(確かにこんな景色はここの人達からしたら滅多に見られないものか…)
そう思いながら俺は外の景色を見る
「こうして見ると結構良い世界してるな…」
「何してるの?」
景色を見ていると後ろから例の女の子を連れたアリスが声をかけてくる
「あぁいや、この世界も悪くないな〜って思ったんだよ」
「この世界?大和様は他の世界を知っているのですか?」
「「あっ」」
ついついそのまま答えてしまい、一緒に居た女の子に聞かれてしまう
「いや、これはその…」(この状況どうしたら…)
「・・もしかして大和様は異世界から来たり…?」
そう言われて俺は数秒間考えて…
「もしそうだとしたら?」(君のような勘の良い子供は嫌だねぇ…)
「残念ながら、、母上様に報告するしか…」
「君のお母さんは…」
「現教皇陛下、元勇者パーティーの一員」
「なるほど…」(うわぁ、、最悪だよ…)
「それで、大和様は…」
「いや、それは君の勘違いだよ」
「え?」
「ほら、この世界は美しいとか言うだろ、それだよ」
「本当にですか…?」
「そうだよ、俺はこの世界の住人だよ」
「そうですか…」
そう言って女の子は肩を落とす
「どうしたんだ?そんな肩落として」
「母上様がこの世界に勇者様が現れたとおっしゃっていたのですが、、勇者様が全く見つからなくて…」
「ふーん、そうなんだ…」(ってかこの子とんでもない事言ってるんじゃないか?)
そう答えた次の瞬間…
「・・ッ!危ない!」
プシュッ! 何処からかクナイの様な物が飛んできて、アリスが女の子を庇いそれに当たってしまう
「・・様!、アリス様!」
女の子が大慌てでアリスに治癒魔法を使う
「何処だ!?」(クソっ!身体検査でもするべきだったか?)
『発射地点を解析しました、前方2時の方向です』
そうして俺はその方向を向くと黒いローブを羽織ったような格好をした者がこちらを見ていた
(おい!救護班を呼べ!あとここら一帯の隔壁をロックしろ!絶対に逃がすな!)
『了解しました、12〜68番までの隔壁を展開します』
そうして俺はローブを着た者を追う
「何処行った!?」
『報告します、第23ブロックにて近しい容姿の者を隔離しました、現在地から右方向です』
「分かった、そこまでのルートの隔壁を解除しろ!」
『了解しました』
ガチャン! ガチャン! 俺が隔壁に近づくと次々と隔壁が上がっていく
『報告します!敵性者が自爆しようとしましたので急遽酸素システムを停止し酸欠状態にさせました、現在敵性者は活動を停止』
「分かった、代表者達の様子は?」
『現在はまだ気づかれておりません』
「よし、隔壁を奴の周辺以外は解除しろ」
『了解しました』
そうして俺は刃物を投げた者を捕まえる
「おい、コイツを営倉に入れろ、あと詠唱出来ないようにもしておけ」
『了解しました』
「ふぅ、、何なんだよ一体…」(アリスか、女の子のどっちを狙ったのやら…)
『艦長、刃物に毒は塗られていませんでした、少量の出血で済みそうです』
「そうか、、良かった…」
『申し訳ありませんでした、艦内だと油断しておりました』
(いや良い、俺も油断してたんだ、お互い様だよ…)
『ありがとうございます』
その後、捕まえた者は教国内に存在する派閥の者だという事が分かり、あの女の子を狙う為付き添い人の一人として潜入してきたと言う事が分かった
(さて、、アイツはどうするかな…)
『どうしよう、とは?』
(いや、人の命を狙ったんだからそれ相応の゛お返し゛をしてやろうと思ってな…)
『発想が怖いですよ艦長』
(まぁアレだ、精神に異常をきたさない程度に虫を体にくっつけるとかの嫌がらせしてやったら良いんじゃないか?)
『当艦に虫は保管されていませんが…』
(無かったら地上で取ったりすれば良いだろ)
『程々にしてくださいよ…?』
(分かってるって…)
そうして俺はどうしてやろうかと考えるのであった…




