第76話 遊覧飛行
護送車で王都の市街地を走り抜け、護送車の車列は川に浮かぶアグレディアに到着した…
「おぉ、これが例の発掘戦艦か…」「なんてデカさだ…」「これが本当に空を飛ぶのか…?」
反応に関しては様々であったが、殆どはその巨大さ等に関することだった…
『各車収容位置に停車します』
(分かった、代表者達にも少し教えておいた方が良いかな?)
『そうですね、勝手な行動をされると困りますし』
(よし、じゃあやっておこう)
そうして俺は取り付けられている各車のスピーカーに繋がっている無線機を取り…
カチッ! 「停車しても降りないでください、それと少々揺れますのでご注意ください」
そう連絡してから暫くすると…
『収容アーム稼働、格納ハッチ開きます』
そう連絡が来るとアグレディアの側舷の一部が開き、専用のアームが上から護送車を掴む形で開いた場所へと護送車を持っていく
「うおお!?」「か、感覚がムズムズする…」
後ろから悲鳴とも聞き取れる声が飛んでくる
ガタッ! ヴィィィィン! 『1号車収容完了、2号車の収容開始します』
収容が完了したので護送車から降りて全車両が収容されるのを待つ
〜4分後〜
「皆さん集まりましたか?」
そう質問すると一人の男性が答える
「あぁ、しかしここは何処かね?」
「ここはアグレディアの艦内です、ここからはメイド達が案内するので彼女らの指示にしたがって下さい、今後の予定も彼女らから聞いてください」
そうして代表者達がメイド達に連れられて各々割り当てられた部屋へと向かって行く
『艦長、お疲れ様です』
「あぁ、そこまで疲れては無いけどな…」
『3日間の接待ですから3日後そう言えるか楽しみですね』
「まぁこの後も何事も無ければそんなに疲れる事は無いだろうさ…」
そう呟いた後、俺は艦橋まで登る
スウィン! 「珍しいな、ここに居るなんて」
自動ドアを開けた先にはアリスが艦内のモニターをずっと見ていた
「ん、気になる人が一人だけ…」
「ん?誰だ?」
「この子」
そう言って彼女はモニターに写る例のあの女の子を指差す
「あぁ、この娘がどうかしたのか?」
「私の推測が正しければ、この娘は国の代表者として来るような子じゃない」
「どういう事だ?」
「恐らく魔力の量から考えてこの子は聖女の血を引いてる」
「聖女って確か…」
「リカルドを倒した時に駆けつけた女の人」
「あぁ!あの人ね…」(結局目は治すんじゃなくて取り替えたけど…)
「そう、その聖女」
「まさかその人の妹とか…?」
「噂では聖女は二人いると聞いたことがある」
「聖女が二人、ねぇ…」
「そう、だからこの子はもう一人の聖女と見て間違いない」
「なるほどね…」(一歩でも取り扱いを間違えたらヤバいな…)
「そこでお願いがあるんだけど…」
「何だ?」
「私と彼女がずっと一緒になるようにして欲しい」
「・・分かった、そう手配しておくよ、彼女の安全は任せた」
「ん、任された」
そうして俺はその娘の部屋を変更するように伝え、向こう側もなんとか了承を得ることが出来た
(特別監視対象者の護衛を付けておいてくれ、殺傷兵器を搭載しても構わん)
『了解しました、調整はこちらで行います』
(あぁ、任せた)
『追加ですが艦長、発進準備が整いました、予定通り出発します』
(あぁ、分かった)
そうしてアグレディアは王都を離れ、各地で遊覧飛行を行うのであった…




