第63話 崖
「おーい!こっち掘り起こすの手伝ってくれ〜!」
「こっちも人手が足りねぇよ!」「ああっ!?道具が…」
遺跡の周りを掘り起こす作業が行われている
「こんな遺跡聞いたことは初めてか?」
「いいえ、こんな物があること自体が驚き」
遺跡を何故掘り起こしているのかというと、入口が埋まっている可能性や、遺跡の周りに何か手がかりがあるのでは無いかという観測の元作業が行われているのだが…
(まさか遺跡に道具が当たると道具の方が粉々になるなんてなぁ…)
どういう魔法なのか、道具が遺跡にかすりでもすると道具が急速に腐食し、10秒足らずで崩壊する
「・・この崖って掘れないのか?」
「この崖は魔力を豊富に含んでる、硬さは凡そ20倍」
「それならその魔力を吸いながら掘ったらどうだ?」
「それでも良いけど、二人掛かりだと年単位で時間がかかるかも」
「それは俺に考えがある、まぁやってみないか?」
そう言うと彼女は僅かに頷く
(よーし、じゃあ始めるか…)
暫く頭の中で設計図を組み立ててから作業に取り掛かる
(よし、、良いぞ…)
〜5時間後〜
そうして俺は掃除機をモデルにした魔力吸い込み機を完成させる
「なにそれ?」
「まぁ見てろ」
そう言って俺は手元のスイッチを切り替えて、機械を稼働させる
カチッ! キュゥィィィン…!
「何だこの音!?」「み、耳が…」
異世界の人は聞き慣れていないので辛いのか、彼女含めて全員が耳をふさぐ
(あぁ、、小学生の頃友達のイタズラで黒板に爪を立ててる音に慣れちゃったからこれぐらい何ともないな…)
〜10分後〜
「ねぇ?まだ続けるの?」
「もうそろそろ良いかな、崖を掘ってみてくれ」カチッ!
「よーし!野郎共行けー!」
そうして作業員達が道具を崖に突き刺すと…
ガキン! ガリガリガリ… 壁を砕く音がする
「な、何だこれ!?」「20倍以上に硬いぞ!?」
「え?」(失敗するどころが逆に硬くしちゃったか!?)
「もしかしたら…」
少し呟いた彼女が作業員達の方に近づく
「な、何を…」
「ちょっと待って」ペタッ…
彼女は壁に手を付き、何やら詠唱する
「・・掘ってみて」
「え?んじゃあもう一回だけ…」
ザクッ! 先程とは全然違う音がする
「な、何だ!?急に柔らかくなったぞ!?」「こっちもだ!?」
柔らかくなったなら後は簡単で、作業員達が驚くスピードで掘り進めていく
「おぉ〜っ!これ崖だよな!?」「まるでフトウみたいだぜ!」
(フトウって何だ、、不当じゃあるまいし…)
そんな事を思っていると彼女が俺の側にまで戻ってくる
「それにしても一体何したんだ?」
「魔力を吸収する魔法を使った」
「どういうことだ?」
「お茶って暫く放置していると成分が凝縮して沈殿が出来る」
「あぁ、そういうことか」
「うん、それとさっきの機械を見せてくれない?」
「別に構わんが…」
そうして彼女は俺が創った機械をじっと見つめる
「やっぱり変」
「何がだ?」
「この魔法じゃこの崖分の魔力を吸い取るのは何時間ともかかる」
「なのに十分程度で済んだのが謎と?」
「うん」
「それは、、なんでだろうな?」(俺よりも詳しいであろうアリスが知らなかったら俺も知らないしな…)
そうして俺と彼女は謎を考える
〜1時間後〜
「よーし!今日はここまで!明日に持ち越しだぁ!」
「えーもうちょっとこの楽園に居たいんですけど!」
「つべこべ言うなー!さっさと出てこーい!」
そうして作業員達が出てくると、そのまま俺達も作業員達と共に山から降りて近くにある街に泊まりに行く
(まさか宿屋の天井に穴は無いよな…?)
そう思う俺なのであった…




