第55話 聖女様の力
「お待たせしました!」
そう言って全身白衣で包んだ少女が俺に向かってくるのが見える
(以外と早かったな…)
グラァァァァッ! ガキンッ!カチカチカチ…
「それにしてもパワーの差がありすぎる…」
「うぉぉぉぉぉっ!」ザシュッ!
俺が押し負けそうになると後ろからまた別の人が俺の上を飛び越して奴を斬る
ガァァァァァッ!?
「本当に俺だけしか見てないのか…」(すぐ気付くと思うんだが…)
「君!後ろに下がっていろ!あとは私達がやる!」
「分かった」
そう言って俺は奴から離れて観客席の方まで走る
「大丈夫ですか!?」
観客席まで行くと先程の少女が俺に駆け寄ってくる
「貴方は…」(多分聖女様か?)
「それよりもまず先に横になって下さい!」
「え?ここでか?」
「はい!早く!」
そう急かされて俺は床に寝転がる
「何をするんだ?」
「待ってて下さい…」
そう言って彼女は俺の目に手をかざしてくる
「お願いします…!」
そう言いうと彼女の手が緑に光だす
(おぉ、、温かい…)
何をされているのかは分からないが、とりあえず俺の体にとって害は無い事だとは感覚で感じる
「・・・ダメ!?なんで…」
「どうしたんだよ?」
「気付かないのか?お前片目がやられているぞ」
彼女の近くに居たもう一人が俺にそう言ってくる
「えぇ?」(全然痛みは無いが…)
そうして試しに俺は自分の目に手を当ててみる
「・・本当にやられてるな」
「痛みは無いのですか?」
「無いな、視界が半減した以外はノーダメージだよ」
「ノーダメージでは無いですけれど…」
「まぁなんとかなるだろ、それよりも奴は?」
そう言って俺は奴の方向を見る
ガキン! カキン!! 複数人が奴を取り囲んでいた
「あれならもうすぐ勝負が着くだろう、安心しろ」
「そうか…」
そうして安心すると…
(ん?なんだ?ずっとこっちを見ている…?)
ガァァァァァァァァァァッ!!!
そう咆哮を上げて周りの人達を無視して一直線に俺に向けて突進してくる
「くっ、、聖女様!」
「はい!」
もう一人から指示を受け取った聖女様は何やら呪文を唱える
「・・・ハァッ!」
そう言うと聖女様の杖から円球に半透明な壁が広がっていく
(耐えられるのか…?)
ドシーン!! (迫力満点で突っ込んで来た奴が半透明な壁に阻まれる)
「おぉ、これは凄いな…」
「おらぁぁぁぁっ!聖女様から離れろーッ!!」
そう言って後ろから追いかけてきていた人達が一斉に奴に背中から突き刺す
グラァァァァッ!!
「まだ倒れないのか?しぶといな…」(悪魔化の影響か?)
「悪魔化した者には心臓部に動力となる結晶が存在します!そこを破壊すれば…」
「分かった、俺が合図したらこの壁を解除してくれ」
そう言って俺は銃を取り出す
「そんなこと出来るか!今解除したら奴の体に押し潰されるぞ!」
「だったらこの状況どうするんだよ?」(何度刺しても刺しても倒れないし…)
「それは…」
「な?一回だけでも良いから俺に賭けてみろよ」
「・・分かりました…」
「聖女様!?」
「じゃあ行くぞ…?」(新型の徹甲榴弾を試すか…)
そうして俺は奴の心臓部に銃口を向ける
「3、、2、、1、、今だ!」
シュイッ! 半透明な壁が無くなり、奴の体が倒れてくる
「・・死ね」(恨むならそうなったお前を恨めよ…)
バァン! 銃弾は見事奴の心臓部に着弾し、奴の体の内部で徹甲榴弾が炸裂する
ブシューーッ! すると突然奴の体からガスの様なものが吹き出る
(うわ臭っ!腐敗臭か!?)
「悪魔化した者は倒されると溜まった魔素がこうやって吹き出るんだ、倒した証拠だよ」
「そうか…」
「それでこの人は…」
「この国のリカルド王子だな、大分見た目は変わってるがな…」(面影があるのは顔ぐらいか…)
「何っ!?今なんて言った!?」
「え?だからコイツはリカルド王子だって…」
そう言うと聖女の除く全員が俺を驚愕の目で見るのだった…




