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第4話 理由

俺は今、団長に自分の秘密を打ち明けていた


「・・・というわけで、俺は基地に向かいたいんですが…」


「ふーむ、聞いたところにわかには信じがたいね…」


「ですよね〜」(まぁ普通に聞いたら頭がおかしい奴だしな…)


「だが君の目に嘘は見受けられない…」


「・・・・・・・・」


俺は静かに次の言葉を待つ


「・・いいだろう、君の言葉を信じるよ、だけどその基地に行きたいのならこの城から出るそれなりの理由が必要だ…」


「どうにかできませんか?」


「うーむ、簡単にやるなら追放や事故で遭難したとかが一番だけどそれじゃ戻ってきたときに面倒になるからねぇ…」


「どんな時なら勇者は外出できるんですか?」


「うーん、勇者が訓練を終えるまでに城を出た例は少ないけど、前例としては…」


・勇者があまりにも使えない


・勇者が攻撃向けのスキルなどを授かっていない


・勇者が図に乗って殺人などを犯す


「・・・などだね」


「なるほど…」


「まぁこれも過去の文献などからだから本当かどうかはわからないけどね」


「すいません、勇者が資源の調査などで出て行くことは可能ですか?」


「え?、、、うーん、それはあまり前例がないけど、そういう資源を探知する能力もこの世界にはあるからそれで通すことは可能かもしれないね」


「じゃあそういう事にできませんか?」


「でも君は創造士だろう?そして記録器にもそんな能力は君にはなかったけど…」


「じゃあその能力で資源を探知する装置を造って、とても大きな反応があったと言えばいいんじゃないですか?」


「うーん、多少無理はあるけど、この国には金に目が眩む奴が大勢いるから多少は食いついてくれるかも…」


「じゃあそうしましょう、それでその報告はいつしますか?」


「そうだねぇ、、明日に能力の実習試験があるからそれで大きな反応があったと王様に言えば出してくれるかもね」


「じゃあそういう手筈で」


「わかった、でもうまく偽装しなよ?不自然だとバレるからね」


「その点は安心してくださいよ」


「ふふっ、じゃあ明日に…」


そうして団長と話し合った俺は明日に備えて部屋に帰って寝るのであった


        〜朝〜


コンコン!「勇者様!起きてください」


そうして起きた俺は団長の言ったとおり能力の実習試験がある事を聞かされ、早く着替えて外に出る


「ふわぁ〜、、眠い…」


どうやら皆も眠たいようで必死にあくびをこらえる子もいた


「勇者の皆様、本日は朝にもお伝えしたように能力の実習試験を行います、前日と同じように分かれていってください」


そうして前日と同じように別れた俺達はそれなりの広さのある建物へ入る


(・・・見た目は完全に体育館だな…)


ごく一般的に想像される体育館と同じ見た目の施設に入った俺達は教官から自分の能力を使って何かするように言われる


「内容は何でも構いません、とりあえず能力を使ってできる限りの事をしてください」


そう言われて皆は能力を発動させていく、例えば探知系の能力を持つ子はどこに何があるかを言ったり、物を浮かせる能力がある子は適当な物を浮かせたりしている


(よし、ここまで計画通りだ…)


そうして俺は資源を探知する装置を創っていく、無論適当なところに大きい反応を偽装する装置である、だが本当の鉱脈も探し当てる能力もあるものだった


「次の方ー」


皆は教官の前に列を作って順番ずつ教官に能力を見てもらっていた


「はい、終わりです、次の方ー」


そうして俺の番になると創った装置を見せる


「貴方は、、創造士ですね、それは…?」


「はい、資源を見つけることができる装置です」


「見せて貰えますか?」


「はい」


そうして教官に装置を見せる


「こ、これは…」


「ところで、ここに凄く大きな反応があるんですけど、この大きさを見るにまだ採掘されてないようですけど…」


「ちょ、ちょっと待ってください、団長に行ってきますから!」


そうして教官が団長の元に走っていく


(よし、、なんとか行ったな…)


そうして暫くすると団長が現れて話がしたいと言ってくる、もちろんそれに応じて団長とともに別室に行く


ガチャッ! 扉が閉まる


ドサッ 「ふぅ、ここなら聞かれないよ、それにしてもよくやったね、正直なところそんな装置が創れるかと心配していたんだよ」


「だから心配する必要はないと言ったでしょう?」


「そうだねぇ、、それにしても外は大騒ぎだよ、でかい鉱脈が見つかったってね」


「まだ本当かわからないのにですか?」


「うん、実際にでかい鉱脈があったところも映していただろう?あれが効いたみたいでね、すっかり本当に鉱脈を探す装置だと信じたみたいだよ」


「それにしても凄い騒ぎですねぇ…」


少し静かにしてみると外では人が走り回っているのかバタバタと音が聞こえてきていた


「さて、、下準備は整った訳だし、王様に報告するとするよ、あと君はここに居てくれ」


そう言い残して団長が出て行く


        〜一時間後〜


ガチャッ! 扉が開く


「やぁ、お待たせ」


「どうなりました?」


「いや、君にも話がしたいと王様が言っててね、もうすぐこの部屋に来るよ」


「・・・分かりました」


そうして暫くすると王様が部屋に入ってくる、もちろん団長は俺の方に座る


「して勇者様、お話は聞きました、大きな鉱脈の反応があったのですか?」


「はい、確認したところまだ採掘されていない鉱脈です」


「ふむ、そこで我々は是非ともその鉱脈を採掘したいのですが、どうでしょう?その装置を渡していただけませんかな?」


「うーん、困りましたね、この装置は私の魔力を充填して探知するので他の人の魔力では使えないのですよ」(これは本当のことだからな…)


「そうですか、、では団長はどう思う?」


「そうですねぇ、、ここは勇者様を城から出して鉱脈を探してもらうのはどうですか?」


「うーむ、それでもいいのだが…」


「いいのであれば許可してもいいんじゃないですか?城から勇者が出ていったのも前例があります」


「・・・・団長がそう言うならそうしよう、勇者様、貴方はこれからその鉱脈へ行って採掘場所を探して欲しいのですが大丈夫ですか?」


「わかりました、そうしましょう」


「それで、その鉱脈の位置はどこになりますかな?」


「うーん、それが海の下なんですよ」


「海!?ならばどうやって採掘するのですか?」


「海の底を掘って採掘するしかないですね、そのために船が一隻必要です」


「・・・わかりました、一隻手配します、ですが採掘が無理だった場合、速やかに戻ってきてください」


「もちろんですよ」


そうして俺は計画通り城を出ることを許可されてのであった


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