第47話 ガラルド王子
教師からの報告から暫く経ち、遂に例の王子がやってくる時となった
「なぁ、ガラルドって奴はリカルドみたいな奴じゃないよな?」
「分からない、人格は良いと聞いたけどそれ以外は情報なし」
「頼むから面倒事は勘弁して欲しいな…」(こればっかりは本当に…)
ここで、リカルド王子との決闘で勝利したら終わりの約束が何故まだ続いていたのかというと、それはリカルド王子失踪から一週間後…
〜6ヶ月前〜
「おお、だいぶお待たせしましたな」
「まぁ勝手に失踪されてそれが王子なんだからしょうがないさ、それで…」
「えぇ分かってます、例の契約の事なんですが、、、まだ続けて欲しいのです…」
「はぁ、、ちょっと待ってくれ、約束はリカルド王子を決闘で打ち負かしたら終わり、そう言ってたよな?」
「あぁ、それは十分分かっている、だが…」
「だが?」
「娘があんなに嬉しそうな表情を見せたのは幼い時以来だ、そしてその原因は君だ、君が居なくなったら娘はどうなると思う?」
「別に俺にとっては彼女の気持ちなんてどうでも良いんだが…」
「まぁまぁそう言わずに、、おそらく君という興味の対象が居なくなったら娘は元の笑顔の無い生活に逆戻りだ、、そんな顔は見たくない!」
切実な声が響く
「だから、、難しい事は承知している、もう少し娘と一緒に居てくれないか?」
そうしてアルベルトさんは俺に頭を下げてくる
「はぁ、、、まぁ拾ってくれた恩もありますし良いでしょう、延長するのは今回限りにしてくださいよ?」(まぁ彼女からはこの世界について知れそうだからな…)
「今回の事でもうしないとは約束出来ないが、、善処はする…」
「あぁ分かったよんじゃあ頭上げてくれ、子爵家の主人が市民に頭を下げてる所を見られたら大変だぞ」
「・・ありがとう…」
〜今に戻る〜
(んで今もこの関係を続行してる訳だな…)
「何か考え事してる?」
「ん?あぁ、良くわかったな」
「目線が遠くを見てた、何か考え事してる目線」
「そこまで分かってるのか…」
「ほぼ毎日見てたら嫌でも分かってくる」
「それもそうだな…」
ガラガラガラッ! 教室のドアが開かれる
「先生!王子様は?」「ねぇねぇ!」
「落ち着けぇ!あわわてるな!」(いやお前が落ち着け)
「んーと、この教室で合ってるかい?」
先生が動揺して開きっぱなしにしていたドアから美青年が教室の中を覗く
「はい、こちらです、どうぞお入りに」
「うん、ありがとう」
王子の後ろに誰か居るのだろうか、通路の奥ら辺からうっすら声が聞こえる
「ほ、本物よ本物…!」「すっごくカッコイイ…」
「畜生、、男の俺でもカッコイイと思うなんて…」「俺もだ…」
「みんなどうしたんだい?両隣の人同士で顔近づけて?」
王子が質問を飛ばすが、誰も答えない、いや、答えられないと言った方が良い
「よ、ようこそ、ガラルド殿下、わ、我がクラスへ…」
「ハハッ、そんなに緊張しなくて良いよ、いつもの先生を見せてよ」
「そ、そんな、、それは余りにも畏れ多く…」
「むぅ、なんで皆こうなんだろうなぁ…」
(そりゃ一言でも間違えたら首が飛びかねないからだろ…)
そうしてガラルド王子は俺とアリスを見る
「あっ!君がリカルドを倒した人だね!会いたかったよ!」
そう言ってガラルド王子は俺の方に一直線に来て右手を握ってくる
「いやぁ、リカルドには手を焼いてたんだよね〜、でも君が倒したって話を聞いてスッキリしたよ!」
「そうか…」
「あれ?君はあんまり喋らないタイプなのかな?もっと自分の功績を強調するかと思ったんだけど…?」
「人を想像で判断するな、あといい加減手を離せ…」(手が熱い…)
「・・・・・・・・・・・・」
俺がそう言うと全員の視線がこっちに向く
「驚いたね!そんな事を言う人は始めてだよ!皆遠慮して言葉を選ぶのに!」
「他の奴は知らんが…」
「うんうん、ますます興味が湧いてくるよ!でも今は時間が無いから後でね!」
そう言ってリカルド王子は教壇へ戻って行ったのだった…
(めちゃくちゃ元気だな…)




