第41話 決闘前
すいません、遅れました…
「はぁぁぁ〜…」
「どうしたの?そんなため息出して」
「いや、本番前になるとやる気が一気に落ちるアレだ」
「むう、あまりよく分からないけど、、頑張って」
「そうだなぁ…」
いよいよ始まる決闘に俺はとても憂鬱だった…
(対人戦闘なんて一回しかやった事ねぇし、訓練さえまともにしてないし、、あるのは…)
俺は手に握られたある物を見る
「この一発しか撃てない銃モドキしか無いしなぁ…」
見た目は割と良さそうな見た目の銃ではあるが、一発しか撃てない上に人に向けて撃った事がないので一撃で倒れるかどうか分からない代物だった
「あとでそれを見せて欲しい…」
「使ったら粉々になるかもな、それでも良いんだったら渡すけど…」
「・・なるべく完璧な状態のままで…」
「はいはい…」(なんて無茶な頼み事しやがる…)
そんな会話をしていると…
コンコン! 「選手は入場門までお願いします」
「あー、今行きます」(遂に来てしまった…)
「・・しつこいと思うけど頑張って、私には貴方しかいない」
「ちょっと最後の要らなかったかな、プレッシャーが倍になる」
「フッ…」
(お、笑ったか?)
顔は確認していないが、笑顔にはなっているだろうと思いそのまま控室から出て入場門まで歩いていく
(しっかし学園には決闘場まであるのか…)
壁等は例の地下室までの階段の様に石畳や石壁で出来ており、とても強度が高そうだった
「こちらでお待ちください、暫くしたら会場からアナウンスが聞こえると思います、そして門が開いたら前に進んでください、そして合図が鳴ったらあとは貴方次第です」
「はいよ…」ガチャッ!
入場門に着いた俺は、目の前に動物園でよく見る檻が前にあり、周囲に少しのスペースしかない小部屋に入った、無論檻の向こうには外が見える
(うわぁ、凝ってんなぁ…)
如何にも決闘!という雰囲気に少し飲まれてしまう
「さぁ!今日お集まりいただいた皆様、ありがとうございます!今日はあのリカルド王子と謎の護衛という良くわからない状況になっておりますが、、」
「御託は良い!」「早くしろー!」「こっちは時間を惜しんで来てんだよー!」
長いのか観客から司会に向けて大ブーイングが向けられる
(あの人は仕事でやってるのに可哀想だなぁ…)
「す、すみません、、では!早速選手に入場してもらいましょう!」
「開門!」
ギリギリギリギリギリ…! 合図と共に目の前の檻が上に上がって行く
「すぅーーっ…」(大丈夫だ問題ない、問題ない筈だ…)
一度深呼吸を挟み、会場に向けて歩いていく
パチパチパチパチパチパチ!!!
数キロ先まで聞こえるんじゃ無いだろうかと錯覚するほどの歓声と拍手が俺を襲う
(うわっ、向こうガチガチに固めてるな…)
普通のルールならお互いに弱点を突け合える装備や縛りがあるものだが、奴を見ると腕が前見たときより少し膨れ上がっている、おそらく甲冑を服の中に着ている様な感じにしているのだろう
(対してこっちは余り武装していない、、圧倒的に向こうが有利)
「フハハッ、私に戦いを挑んだ事を後悔させてやる、そして勝った暁には彼女に私を認めてもらう!」
「おおーっ!!」
集音魔法と拡声魔法の組み合わせで奴の声が会場に響く、そしてそれに反応して観客が騒ぐ
(やかましいことこの上ない…)
「あのー、意気込みは?」
「無い」(あった所でっていう話だよな)
「わ、分かりました、それでは今回特別ゲストがお越し頂いております!どうぞー!」
そう司会が言うと、中央の大きな扉からなんとも分厚い服を着た人が出てきて、その後ろにアルベルトさんがいる
「我が国民の諸君、此度は我が息子の決闘に来てくれてありがとう」
゛我が国民゛と言う所からおそらく王様なのだろう、全員がその人を静かに見ている
(・・なるほど、アルベルトさんが呼んだのか…)
先程から王様の後ろでチラチラと俺を見ては何かを伝える様な素振りを見せる、おそらく俺が勝つ所を王様に見せびらかそうという魂胆だろうが…
(そこまでやらんでも良いだろうに…)
〜7分後〜
王様の演説?その他諸々が終わり、ようやく開始となる
「それでは開始致します!両者決闘、、、、初め!」
カーン! 遂に決闘が始まった




