第36話 学園
(なんでこんなもの引き受けたんだか…)
あの日から1日が経ち、娘さんが学園に戻るときがやってきた、それに合わせて俺も学園に行かなければならない…
(そういえば名前聞いてなかったな…)
「私の名前はアリス、アリス・ルスカ・マルブァーナ」「えっ!?」
突然後ろから彼女が現れる
「何処から出てきた…?」
「この家の天井には隠し通路がある、それを通ってきた」
「それ多分緊急用のやつだろ…」(なんて使い方だ…)
「便利な物を使っちゃ悪い?」
「あぁ、いえ結構です…」(なんで負けるんだ…)
「それよりも、私の疑似とはいえ婚約者なら髪を整える!」
そう言うと彼女は俺の頭を指差す
「しょうがないだろ、なんか体質みたいなものなんだから…」
「治らないの?」
「こればっかりはどうしようも無くてな、、家族に散々笑いのネタにされたもんだよ…」
「ふーん、じゃあ直してあげる」「え?」
そう言って彼女は手を俺に向けると彼女の手が少し光ったと思うと俺の髪の毛が普通の見た目に戻っていく
「おぉ、凄いな」
「これはまだ簡単な方、酷いものはもっと難しい」
(逆にその酷いものを一度だけ見てみたいな…)
「ちなみにそれは私の父」
「え?、、、あぁ…」ブフッ!
想像してみるとなかなか笑えるのでつい声が漏れてしまう、どうやら彼女も少し笑っているようだ
ガチャッ 「お嬢様、もうそろそろ準備をいたしませんと…」
「そう?今行くわ」
執事がそう言うと彼女は行ってしまう
(あ~、笑ったおかげでなんとかモチベーションが保てそうだ)
〜1時間後〜
1時間というのはあっという間で、すぐ出発の時が来てしまう、そして俺は彼女と一緒の馬車に乗っていた
「緊張してるの?」
「そりゃするだろ、何しろこっちの学校は初めてだ」
「あの学園はあの男さえいなければ最高の場所、きっと大丈夫」
「そうだといいんだがなぁ…」
「お嬢様!出発します!」
ガラガラガラ…! ついに馬車が出発する
「そういえばその王子とやらは強いのか?」
「素は弱い」
「素?」
何やら変な単語が飛び出して来たのでつい反応してしまう
「あの男は決闘とかの時は常に力を強化するアーティファクトを携行してる、そのおかげで今まで負けたことがない」
「え?審判とかは止めないのか?」
「金、権力」
その一言で全て理解する
「・・俺がそんな相手に勝てんのかな?」
「勝ってもらわなきゃ私が困る」
「正直な所俺が能力使ったのこの前の盗賊倒した一回限りだぞ?」
「決闘までに鍛えればいい、あなたにはそれだけで十分」
「そんなもんかねぇ…」
そう会話していると馬車の窓から見える景色が普通の街並みから一面レンガで造られた壁に変わる
「おっ、ついたか?」
「うん、ここがその学園」
校内にはもう学生がいてすれ違いざまにこっちを見てくる者や、興味がなさそうにしている者など様々だった
「うん、前と変わりない、ちょっと顔が暗くなってるかもだけど」
「暗くなる理由としたら絶対にアイツだろ…」
「おそらくそう…」
そうして馬車は校内の通路を抜けて大きな駐車場みたいな所に止まる
ガチャッ!「さぁお嬢様、着きましたよ」
扉が開かれて彼女が先に馬車から降りて、俺はその後に降りる
「だいぶ良さそうな学校だなぁ…」
そう眺めていると校舎から複数人を連れた男がこっちにやってくる
「むっ、奴の気配」
「あれか…」(どうやったら気配とか分かるんだ…)
「やっと来たな!和が美しい妻よ!」
決めポーズで格好良く言うその男は、俺にしてみれば何かの芸をやっているようにしか見えなかった…
(何やってんだこいつ…?)




