第102話 聖女奪還作戦
アグレディアは今、砦上空に偽装した雲を撒きながらその身を置いていた…
「さて、これから作戦説明を行う」
その中で俺は開放した者達の指揮官に聖女奪還作戦を説明していた
「本作戦の目標はあくまで聖女の奪還であり、攻城戦では無いため砦への攻撃は控える事とする」(ぶっ壊したら後々面倒だからな…)
ガタッ!「失礼、少し良いか?」
「何だ?」
「やむを得ず破壊が必要な場合は勿論破壊工作をして構わないな?」
「勿論、当たり前だ」
「了解した」ザッ…
「説明を続けるぞ?、まず外で囮の部隊が敵守備隊との交戦を開始、砦内への警戒が少なくなった所で救出部隊を投下、聖女を奪還した後に囮部隊を回収する、以上だ、、何か質問は?」
そこでまたさっきと同じ人が手を挙げる、その人は俺に忠告をしてきた人だった
「・・はい」
「失礼、囮部隊の救出はどうやって行われる?」
「護衛機を順次投入し、徐々に人間の兵士を下がらせていく、下がった兵士は砦の外にあるヘリで回収する」
「了解した、私の質問はもう無い」
「分かった、他には?」
手を挙げる者はもう居なかった
「よし、それでは準備にかかれ!」
そうして30分後、全兵士の準備が完了し、聖女奪還作戦が開始されたのだった…
「作戦発動、第一波攻撃隊を射出」
『了解、射出用カタパルト出力正常、第一波攻撃隊射出します』
アグレディアの船底の一部が等間隔で6個、長方形の形に開く
バシュバシュッ!! そこから使い捨てのエンジンを積んだ長方形の飛行艇が射出される、見た目はベンチの下側にエンジンを積んだような感じである
『第一波攻撃隊射出完了、第二波攻撃隊射出用意』
「地上の様子は?」
『まだ相手からの攻撃は確認されていません、また守備隊にも動きはありません』
「了解、投下を続けろ」
そうして暫くすると先に射出した第一波攻撃隊の兵士が地上に降り立ち、戦闘を開始する
『第一波攻撃隊が戦闘開始、続けて敵守備隊も移動を開始しました』
「上空援護に数機だけ護衛機を出してやれ、殺傷装備で構わない」
『了解しました』
そうして第5派まで攻撃隊を投下すると、次に残りの人員を砦の壁にアグレディアを接舷させてそこから突入させる
『偽装解除と並行して降下開始、現在高度3600m』
「戦闘の様子は?」
『今の所若干こちらが有利のようです、ですが数で押されるとどうにもならないかと』
「それで良い、劣勢でも後詰め部隊が到着すれば何とかなる」
そうしてアグレディアが降下を続け、砦の城壁に到着し、甲板から兵士達が飛び移っていく
「よし、救出部隊を出すぞ、後の指揮権はアリスに任せた」
『了解、ご武運を祈っております』
「任せろ」
そう言って俺も甲板に出て、数人と共に壁上に乗り移る
「場所は分かってるな?行くぞ」
そうして事前の偵察機からの報告通りのルートを通り、一直線に聖女が軟禁されている部屋へと行く
バァン! 「うぐっ…!?」
(鎧着ていても貫通するから無駄って絶望しかないよな…)
『当たり所が良ければ跳弾する場合もあるので気をつけて下さい』
(丸みがあるからかね?)
『いえ、鎧の端に命中させれば粗末な鎧でも銃弾を弾く事が可能です、極低確率ですが』
(それは正に奇跡だな…)
そんな会話をしつつ向かっていると、聖女の部屋へ辿り着く
ガチッ! 「やっぱり鍵かかってんな…」
「誰か居るのですか…?」
「あぁ、少しドアから離れてくれ」
「はい?誰ですか貴方?」
「良いから、離れてないと危ないぞ」
「わ、分かりました…」
そう言って彼女が後ろに下がることを確認する
(えっと、、この扉を破壊するのには…)
『こちらが指定する場所に爆弾を設置してください』
(了解した)
〜2分後〜
(終わったぞ)
『では遠隔操作で起爆しますので退避してください』
(分かった)「少し下がれ、爆破するぞ」
そうしてドアから離れると…
ドカン!! 爆音と共に煙が通路に充満する
「これ聖女大丈夫か…?」
そう呟きつつ、煙が晴れるのを見計らって部屋の中へ進んでいく
「・・おっ、無事だったか」
「あっ、貴方は…!」
「話したい事も有るだろうが今は喋ってる暇もない、さっさと逃げるぞ」
「ちょ、ちょっと待って下さい!」
「何だよ…?」
「ここの地下に私の護衛達が囚われているのです!」
「ん?、、あぁ、俺を無理矢理馬車に突っ込んでくれた人達か」
「彼女達を助けて頂けませんか…?」
「・・分かったよ、やればいいんだろ?」
そう言うと彼女の顔が一気に明るくなる
「作戦変更だ、一部は聖女を連れて帰還、残りは地下へ向かう」
「「了解」」
(追加だ、地下の牢屋へのナビゲートを頼む)
そうして俺は地下へと向かうのだった…
〜8分後〜
「こっちだ、大丈夫か?」
「問題ありません」
「よし、多分ここを降りたら牢があるだろう」
そうして俺達が階段を降りていくと、案内通り牢屋があった
「・・おっ、いたいた…」
「あっ!貴様は!?」
「よっ、元気だったか?」
「聖女様はどうした!?上から爆発音が聞こえたが…」
「聖女はもう助け出した、お前達を助け出すのは彼女の願いだからな」
「そうか、、良かった…」
「それにしてもお前等が牢屋にぶち込まれてるの見ると笑えてくるな…」
「う、うるさい…」
そんな会話をしつつ俺は銃を南京錠に似た様なものに照準を合わせて…
バァン! カキン!!
「な、何だそれは…」
「銃だ、便利だぞ?」
そう会話していた時…
『艦長、生命体反応多数接近!恐らくは敵部隊です!』
(室内戦は余りやりたくないな…)
『どうされますか?』
(・・アグレディアの対空砲をここの壁に指向しろ、壁に穴を空ける)
『了解、退避してください』
そうして暫くすると、壁が突如爆発して壊れると同時に敵も階段の上からやってくる
「応戦しつつ撤退!逃げるぞ!」
そう言って全員が下がるまで俺は前で敵を撃ち続ける
『艦長、退避完了しました』
「よし、攻撃隊を全員帰還させろ、撤退する!」
そうして俺は後ろを向き、アグレディアの甲板に飛び移る
「よいしょっ、、と…!」
「おかえりなさい、怪我はない?」
「アリスか、、大丈夫だ、ちょっと爆発の煙で臭いかもしれないが…」
「終わったら風呂に入って」
「あぁ、そうするよ」
そうして兵士達も数人怪我をしたものの、死者は一人も出なかったのだった…




