湯
ここは緑山。穏やかな内海を左手にそれを抱くように守る大きな山、そしてその裾野を走る古びた単線。
都市の拠点からだいぶ離れた、昔ながらの昭和を引き摺っている田舎の温泉町だ。
特定の人しか顔と名前を持たずにそれでも不自由なくゆったりと暮らしている呑気な町。
下駄や着物の誂えまで気に入らない多恵。話題をそらそうと湯に誘う
都市の拠点からだいぶ離れた、昔ながらの昭和を引き摺っている田舎の温泉町だ。
特定の人しか顔と名前を持たずにそれでも不自由なくゆったりと暮らしている呑気な町。
下駄や着物の誂えまで気に入らない多恵。話題をそらそうと湯に誘う
湯
緑山異聞
2020/08/02 22:18
(改)