文明との接触Ⅱ
前回出てきた、とびってなんだ?と思われた方もいらっしゃると思います。
余りに詳しくないので、仮想の物を作ってしまいました。
今後も、自衛隊、機関名等は仮想で済ませると思うので、宜しくお願い致します。
2026/02/06
13:00
「大陸が見えてきました!」
誰かがそう言った。
今までに他の船は見ておらず、順調に進んでいた。
だが、陸から300mの地点で、浅瀬の為、小型船で本土まで移動することとなった。
自衛官3人と、外交官1人を乗せ、もしなにかあった時、すぐ向かえるように、
他に、4隻小型船を用意していた。
「ついに...初上陸だ!」
日本人の佐川が初めて上陸したのは北に続く砂浜だった。
「さて、ここから偵察機の情報によると...」
佐川が簡易的に鉛筆で書かれた地図とコンパスを見ながらそう呟く。
すると、
ガサガサ
「なんだ!」
自衛官が咄嗟に音のした茂みに銃を向ける。
「気のせいか...?」
「いや、あれを見ろ」
別の自衛官が指を指す。
「あれは...」
太陽の光に反射して輝く尖った石。
それが引いたかと思うと今度はなにかが反発する音と共に矢が飛んで来た。
だが、明らかに距離が届かない。フヨフヨと手前に落ちた。
「おい、バカ!あんなので届くか!」
「ごめんなさい~!」
「日本語!」
自衛官たちは驚く。弓道が下手なのも気になるが、それ以上に、
茂みから聞こえて来た声は日本語だった。
「お前が行けよ!」
「わ、わかりました~」
そんな会話が聞こえると茂みから勢いよく、弓を持った兵士のような者が出てきた。
「え...」
後先考えずに出てきたのだろう。自衛官から、銃を向けられて困惑している。
「え~と...」
気まずい雰囲気なので、こちらから話しかけてみた。
「君は?」
見た目は20歳ほどの男で年下だ。
「は、はい!私はフェラーボ村所属リター王国兵です!」
「(随分素直だな...)そういえば、奥の茂みの方は?」
「先輩!出てきていいですよ!」
また、奥の茂みから誰か出てくる。
「おい!大声だすな!」
今度は中年の男が出てきた。
「でも、この人たちは戦う気がないようですよ?」
「そういう意味じゃないだろ!」
口喧嘩が始まったようだ。
これではなにも進まない。
「あの~すみません...」
声をかけると中年の男がハッと気づいた。
「お前たちの名前を言え!」
自衛官たちが名前を言っていく。
最後の一人になった。
「私は外交官の佐川 昭之です」
「外交官?王国に外交をしに来たのか?」
「はい、突然の訪問すみません。貴方の村の長に会わせてくれませんか」
「長?部隊長のことか。構わないが、下手な真似をしたらどうなるか解るよな?」
「はい、承知しています」
王国兵に連れられて森の獣道を歩いていく。
2分ほど歩いたところで、小屋がある集落に着いた。
「偵察が見つけたのはここか」
佐川が独り言を言う。
「部隊長!お客です!」
若い王国兵が叫ぶ。
すると、奥の小屋から鎧を覆った兵が出てきた。
「お客とは誰だ」
そう言うと、こちらを見た。
「私は日本国より参りました外交官 佐川 昭之です」
「そうか。我が名はリター王国兵。ロンデル・バーグだ」
「(外交官?日本国とは聞いたことのない国だな。どうせ、最近できた集落だろう
まあ、我が国に外交を結びに来るとは相当な勇気だろう。
それを称えて少しは話を聞いてやろうじゃないか)」
「日本国とは聞いたことがないな。少し話を聞いてやろう。場合によっては王国に報告する。」
「はい、わかりました。では...」
日本国の外交官は黒い箱を取り出した。
「なんだあれは...箱にしては穴が多い。」
ロンデルが隣の兵に囁く。
「さあ?でもあの箱...木や紙では出来ていないようです」
「そうか。では何か用途があって穴をあけているらしいな」
そんな会話をしていると、「こちらをご覧ください」と箱が縦に開いたものを見せられた。
「なんだこれは!?」
箱だと思っていたものは鮮明すぎる絵がはまっていたので、つい声を発してしまった。
「これは我が国が持つ技術で作られました、ノートパソコンという電子機器でございます」
「で、でんしきき?まあいいだろう。それで絵はその一枚か」
「これは絵ではなく、液晶ディスプレイと言われる視覚表示装置です。
この一枚で、様々な画像...絵を表示することが出来ます」
「なんと!」
これには周りの兵も驚いていた。
「では、お座りの上、お聞きください」
先ほどの若い兵が会話をしている間に、木製の椅子をロンデルの後ろに置いていた。
「ああ、すまない」
「では、まず日本国についてご説明させて頂きます」
「日本国は4つの島と他幾つかの諸島に存在しております」
ロンデルは少しがっかりとした。
島国は、国の発展が遅い為、技術はほとんどない。
この国もあまり期待できないだろうと考えていた。
「人口は1億2600万人で...」
「1億2600万だと?!」
「(我が王国の人口は4000万人、この世界では人口が一番多いはずだ!なのにどうしてだ!
我が前におる奴は1億!1億と言ったぞ!ちょろまかすにもほどがある!)」
「佐川殿。その数字に間違えは無いのかね...」
ロンデルはショックで頭がふらふらしていた。
「はい、こちらは6年前の統計です」
「そ...そうか....話を続けてくれ...」
「では次にこちらが首都の様子です。この写真...絵を踏まえてお話いたします」
「(人口が多いからと言って技術はそう簡単には発展しないはずだ!我が王都の
大理石作りの集合住居を超す建築技術はないだろう)」
「こちらが首都、東京の写真です」
東京駅東口から撮られた写真を表示する。
「な...な...こ、これはなにで出来ておるのだ!」
「(なんだこの高さは!人があの大きさだと!建材も違う!しかもこの人工密度!
完全になめていた!)」
「すみません。貴方方がこのような技術をお持ちだとは考えておりませんでした。
我が王国より高度な技術をお持ちのようで...」
「いえ、では話を続けますよ」
.....
ロンデルは昼の日本のことが忘れられなかった。
「(電気、水道、ガスのライフラインと呼ばれるものを聞いたときは余り驚かなかった。
いや、驚く力が無かったのだろう。
だが、自動車は驚きに叫んでしまった。
内燃機関と呼ばれる技術を原動力として、鉄でできた車体をのせ、車輪を回すなどあり得ない。
しかも、日本国民はこれを普通に所有することが出来る。
馬車とは大違いだ。
コンクリートも驚いた。砂や砂利などをセメントというもので固めて建造物にしているらしい。
明日の来訪では、電波を用いた技術と、交通機関について、教えてくれる。
直ちに王国に報告せねば。)」
「おい!トリア!王国へ日本国の外交官を迎え入れるように掛け合ってくれ。これが国王に
渡す報告だ」
一枚の紙を顔を隠した女性に渡す。
「かしこまりました。では」
「明日には、王国の王都に迎え入れたい...」
そのままロンデルは眠れなかった。
そして、日が昇ってきた頃、顔を隠した女性、トリアが馬車に乗り帰ってきた。
「どうだったか?」
「ロンデルさん、おはようございます。国王は一級王国兵を共にこの馬車で来るのであれば、
是非王都に迎え入れたいとのこと」
「(やはり決断が早いな)」
「そうか...では、後2時間だな」
ロンデルは木の箱から慎重にからくりの時計を取り出す。
佐川殿が言うには、これは腕時計というらしく、乾電池という電力を詰めた筒を動力源として、
正確な時間を示すからくり...いや、機械らしい。
見方を教えてもらったため、後2時間ということが分かった。
2026/02/07
8:00
「な...なんだあの大きさ!」
今日はロンデルが直接向かいに行くこととなっていた。
日本の船を見るのは初めてである。
「鉄でできた船が...しかもあの大きさで!帆もない。あれもエンジンとやらで動いているのか!?」
昨日は実感が無かった。
だが、今、目の前でこの技術を見ることではっきりと思い知らされた。
そして、停船すると、小さい船が素早い速度で向かってきた。
先日の自衛隊の方々と佐川外交官が降りて来た。
「お待たせ致しました」
「いえいえ、大丈夫ですよ。さあ、こちらへどうぞ」
「?」
また集落に向かうと、馬車が止まっていた。
「こちらへお乗りください」
「ええ!?」
事前には伝えられていない移動に驚いていた。
「国王がお待ちです」
「ちょっと待ってください...本部に報告します」
「分かった。そっちに追加の資料と2人増援を送っておく。国家転移特別法が適応されるから、
なにか重要な事態に至った時は発砲を許可するとそちらにいる隊員には伝えておいてくれ」
「分かりました。お願いします」
「ロンデルさん。暫くお待ちください」
「ああ...」
ロンデルは独り言を話してどのようにして、伝わるのかが気になっていた。
それもあの機械というもののお陰だろうか。
暫く待って、2人の自衛隊員が、ノートパソコンをもってやって来た。
「では行きましょう」
そうして、狭苦しく馬車に乗って、王国へ向かった。
次回は国王との対面です。
途中に出てきました、国家転移特別法については今後説明があります。