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トナカイは転生者

 ぱきぽき。

 関節が鳴る。


 トナカイは冬の歌を歌う。

 関節を鳴らし、ひづめを鳴らす。


 雌にもある角で春は土を掘る。


 ぼくは彼らを急き立て、妹を想う。


 妹よ。君は想い人とうまく行っているのかい。

 この銀の剣はいらないのかい。



 トナカイの娘に声をかける。

 ああ、君よ。異界の歌を知るものよ。


 歌っておくれ。

 彼女に謡っておくれ。

 彼女に祈ってくれ。


 きっと帰らぬと誓った妹に。


 トナカイの娘応えて曰く。


 あの子は帰ってくるけどきっとまた去っていく。

 だってこの生活をすることはできないだろうからと。


 もし、そうなるならば私の首を刈ってほしい。

 私の血と肉を、彼女の血肉に変えてほしい。


 そうすればトナカイの肉を捨て昔のヒトに戻れるから。

 ヒトになりたい彼女の為に祈れるから。


 それはできない相談だトナカイの娘。

 少年は冬空の下ハイクを謳う。


 声なき唄を歌い、妹に届けと歌い続ける。

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