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トナカイの彼女は夜謳う

 彼女は帰ってきた。

 私は歌う。


 彼女の嘆きを。

 彼女のヒトになれない悲しみを。


 彼女は生まれながら人に劣るという。

 ならば人に劣ると決める人は何が勝っているのか。それは彼女に劣るということ。


 矛盾をついて歌いたくも、わが声既に人の声ならざり。


 私は歌う。オーロラの彼方へ。


 去って行った彼女の為に。

 銀の剣を金に換え、少年の妻になるべく旅立った彼女の為に。


 ここは辺境、トナカイと住む民の国。

 町は辺境とは違うらしい。私にはどこが違うのかわかりはしない。


 私もかつては人だった。

 だから人が、よけいわからない。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 初めて感想を書かせて頂きます。 来留美と申します。 一気に読み進めてしまうほど詩の世界観に引き込まれました。 最後の文章に私も共感してしまいました。 人が、よけいわからない。 それなら…
[良い点] 詩的なリズム感が好きです。 優しくまとまっていて、とても素敵だと思います。完結お疲れ様でした。
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