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3-22 政治の話。正しい話。

〇バイチーク某ホテル最上階


「ほう。世界を相手に立ち回る青臭い国(マツカイサ)の皇帝の顔を拝みに来たら、面白いことになったな」


 世界中へ喧嘩を売った映像放送を見てウリモは高笑いをし、拍手が止まらない。

 椅子に座った男の遠くの海上では、煙を出して漂流する会議場が見える。

 ウリモは飲みかけの酒を飲みほした。


「ドワード。この状況をどう見る?」


 横に座っていた商人に話をかけた。


「空中浮遊庭園。今回の国際会議開催に対して強力な防衛魔法陣を張っています。反乱軍に占拠された今それは軍事要塞。そして漂流する先には各大陸の代表である娘達の御座船。傷でもつけたら戦争が起きます」

「そうか。なら兵糧を集めて商売しないといけないな。先の大戦まではいかずともな」


 ウリモは小さく眉をひそめた。


「歴史上青年将校が暴走した時はロクな目にあいません。当事者や発生を許した国であっても」

「…………」


 机に飲み干したグラスを強く置いた。


「一つ面白いことを教えてやる」


 広くこの部屋に情報遮断魔法を展開した。長らく貴族が得意とする内緒話をするためのものだ。


             〇   〇   〇

     


「なぜウリモ様はなぜご存じで?」

「パーチティの貴族は情報戦が命。いかに我が身可愛さで敵対勢力へ攻撃するかが必要だ」


 立ち上がって机の前に立った。バケツの中に氷を詰められていてボトルを引き抜いた。

 そのまま横にあるグラスを丁度よい冷たさで準備をしていく。


「世界の英雄という化け物はいない。いても行動ができない。この平和な世界の富を享受するのは我々のような情報を制するものだ。お前の祖国もな」

「いえ。ミラレアル暫定政府は近年の噴火で国土は壊滅」

「いいや。ミラレアルの皮を被った貴様たちの正体だ」

「……」

「私も鬼ではない。貴様達の“恩恵”を手に入れた時の約束だ。ドワード。お前の弟である別人格といつ会わせてくれないか?」


 酒を注いだグラスをドワードに差し出した。商人は受け取る。


「第二世代は宝の山だ。そして今まさに世界が知る。先日の模擬戦とはこれを制するものは次の世代を制す」


 グラスを高く上げた。ガラスの反射が黒煙を映し出した。




〇バイチーク港


「なぜ行けないのですか!」

「ミサス命令だ。待機しろ」


 ミサスはマイネンに詰め寄った。


 マイネン騎士団団長


 ミサスの直属の上司であり、長い歴史を誇るマツカイサ帝国騎士団を統括している責任者。

 マルーン色の制服を着こんでいるが、骨折。内臓にも損傷がある状態だ。

 頭に血が上ったミサスでも、尋常じゃない治癒魔法の痕跡を感じ取っていた。


「場所が悪いです。海上なので民間人に被害は防げますが、周りを他大陸の三隻で囲まれています。海浮かぶ外国。破片でもあてたら外交問題に発展します」


 2人の間にホッチが入って来た。

 手には文字や映像を表示できる魔法戦術板を持っている。

 師匠に言わせればスマホより大きい“タブレット”を使っている。


「会期が終わったとはいえ、最高の警備体制が整えられていた国際会議場を占拠したのはマツカイサ帝国の明白な挑発行為。そして皇帝陛下を人質にされた。そしてテロリストの発言をこちらが聞かざるおえない時点で敗北しています」


「今回は人質救出作戦です。しかも成功しなければならない。国の威信をかけて」


 ホッチは大きく言った。

 ミサスは喉から出そうだった言葉を飲み込む。


「貴殿らはボックリ殿下が集めた次世代を担う人材。各国の次世代青年隊の設置概要に反する」

「だけど、こう無駄な話で時間を浪費するのはナンセンス」

「しかも待たされる私たちは、血を分けた姉妹が巻き込まれている」


 膨大な魔力を持つ三人が立っていた。手には大きな得物を携え、ここにいる全員を魔力の波で溺死をする。


「「「もう良い。私たちが行く」」」


 ビオンテ クモン ガイノ


 以前ミサス達を出迎えた露出の高い服装は共通しているが、力の差が大きい戦闘服をしている。

 本来はこの形態で他大陸上で立つということは、


「マツカイサ帝国へ宣戦布告ですか? 娘達」


 振り向くとモウがいた。

 赤い情熱的なドレスを着ている。

 老いを感じさせない生足が魅惑を感じさせる。

 見た目は露出が多いことは同じだが、娘達とは対照的な雰囲気を纏っている。


「会議で締結されたのは、あなた達の未来を守る条約締結です。力の持つあなた達が癇癪でこの地を戦場にしてはなりません」

「お言葉ですがお母様!」


 ターン。と一音タップで空気を切った。


 二つ名は“舞姫”


 足元に魔法陣を展開し、タップダンスで味方の戦力を上げる。世界の英雄の初期メンバー」

 それを高い1つのステップで黙らせた。


 その三人の前にミサス達は立った。


「姫様方。マツカイサ帝国民を助けるのは当然です。それに青年隊のメンバーはマウの友人です。私を含めてここにいる全員に任せてください」


              〇  〇  〇


 新たな閃光が走る。

 港の拠点まで遅れて轟く爆音が爆発の規模を感じさせる。

 会議場を取り囲む三隻から大きな火柱が出ていた。


「あーテスト。テスト。ヒロ副隊長であるものだ。流石に世界の英雄の娘は怖いから、他大陸に乗る同志に協力してもらった」


「招待したのは青年隊隊長ミサス・シンギザお前だ。周りにいる師匠も大したことはないし、民間人の女の子を助けれないのは大したことはないな」


 一方的に通信魔法で名の知らない反乱守護隊員からの挑発。途中から聞いていない。


「あの御座船達は私たちを海へ縛り付けるもの。脱走しようと思うなら拘束したり対抗できる武装が他大陸の勢力を潰す以上にある」


 武器を構え直した。


「「「そして単独であの艦を潰すことができるのも私たちしかいない」」」


 三人とも一度ミサスを見て、大きな魔力爆発を起きて三方向に飛んで行った。


「マイネン団長。少しミサス第二隊長とお話をしても良いですか?」

「いいでしょう。先の大戦を生き残ったアドバイスは兵士を強くなります」


 モウは一礼し、ミサスの傍まで歩く。


()()()()。お久しぶりです」

「ミサス。ボックリ殿下から近況は聞いています。しかし右手の呪いを乗り越えたとはいえ、多く占める相手は“同格”の守護隊員達もいる。カズルのようにタイマンにて拳で語り合うのも難しく、クレヨのような格上の暗殺者でもない」


 ミサスの制服の襟を正した。


「忠告です。ナメルの存在は無視で結構です。占拠している反乱青年隊が会議場だけでなく、船にもいます。あなた達の天敵でしかありません」


 懐から弟子へ渡した。小さな袋から中身を確認する。


「戦闘用カードデッキ。これほど松国ならではの武器はないです」

「それと彼女もついていきたいとおっしゃっていました」


 ミサスの手には切り札なる魔法機器を手にしていた。


「大丈夫。大陸を渡る最低限の訓練はしています。そうでないと(スキル)を見る()()()()()()()には到底なれません」


 右手越しに彼女から返答が来た。


              〇  〇  〇



「モウ様。あなた方には」

「いいえ。私は感謝しています。マウの我儘にここまで付き合ってくれる国は無い」


 でも。と一言置いて、


「マウが帰ってきたら、力のあるものとして落とし前をつけさせないと」


 一言だけ感情を高めた言葉に、マイネンの胃腸が悲鳴を上げる。 

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