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2-28 イストール地方にギルド制を!

 即席の担架を使い、クレヨの遺体を、キャンプ地跡まで持ってきた。

 サンモが収納魔法から布を取り出し、被せてある。



 バン! と大きな音が立った。


「影王……」


 目の前には、この場所で対峙した男の姿があった。

 肌は死体のような真っ白。

 服にシワや影など無い。

サンモに言わせれば、黒ベタで塗られた、平面でペラペラの錯覚に陥る。


「ミサス。師匠に刃を立てるとはどういうことだ?」

「最近立て続けで後ろを取られることが多かったもので」


 ミサスは短剣を収めた。


「ここで“恩恵”の反応が出たから来たものの、どういうことだ?」

「影王……いやボット師匠。あなたが呼んだのでしょう?」


 ミサスは、胸のポケットから手紙を取り出した。

 上層部から命令される封筒と同じ。


「良い。ここにいる3人は、ミサスのもっとも信用している人物だろ。

 それに、入団時にプロフィールはチェックしている」




「あれ。私生きている?」


 クレパは目覚めた。

 身体は、再びタオルのようなものを身に纏っていた。


「ミサス。私って」

「影王がやってくれた」

「?」


 周りを見渡すと、とても黒い


「あのありがとうございます」

「いや。ニルキが試験用に描いていた魔法陣のおかげだ。

 ミサスから魔力供給される設定になっていたのは、面倒だった」


 そして、背を向けて歩き始めた。



「おい。ボット待て。」


 呼び止めたのは、ジョーだった。

 フームやテプはおらず、1人単独だった。


「何も分かっていないお嬢さんが困っているぞ。」


 振り返って言葉を発した。


 ここは、マツカイサ帝国が保有するホットスポットだ。



 ミサス以下帝国騎士団第二隊が、コルピタラを討伐目標として行った。


 生態環境の実験が行われていた。

 コルピタラより上位の捕食者である(ドラゴン等)に、人間がなり得るのか? 

という実験だ。



「それで結果は?」

「中間結果は物理的には可能。

 ただ、そこから予測される経済的なコストが高すぎる。

 これからの年月。未来永劫にコルピタラ狩りをする存在がいる確証はない。

 守護隊の予算だけだと、限界が来る」


 とある資料だと、一世紀も待たずに狩猟産業は廃れるというデータもあった。と話す。


「私や家族に、どういった関係があるのですか?」


 クレヨは聞いた。


「ニルキには、そういった実験のスポンサーになってもらっていた。

 このイストール地方に、個人単位でクエストを受けられるギルド制を採用する計画があった」


 ギルド制のことについて淡々と、影王は話していった。


「そこでだ。カリさんには、ゆくゆくその志を受け継いで貰いたい。

 かなり、色んな人が興味を持った段階。という形だ。

 勿論すぐに。という訳ではない。

ミサスを超える実力を備えて、ギルドの運営。ギルドマスターを目指して貰いたい」


 影王は、既に決心した女性を見た。



これにて二章完結です。

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