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2-23 帝国所有ホットスポット再び

○マツカイサ帝国 首都バイチーク


「コルピタラ狩り?」

「そう。コルピタラ狩り。マウさんと鉄板屋でご飯食べたって聞いた」


 マウと昼に鉄板屋で飯を食べて数日後。

 ジョーは、家でフームと共に夕食を食べていた。


 二人は、同居している。

 先日の事件の影響で、ジョーが体力回復後、退院してきてからずっとだ。

 そこまでの間(ミサスにも頼んで)物置状態だった空室を片付け、フームのプライベート空間を確保した。


 朝と夜は、お互い家にいて食事をすることが多い。

 料理は、フームの希望で彼女が担当した。

 バイチーク市場には、大陸中から集まる物が豊富で、食材も例外では無い。

そこで仕入れたモノを使って、多くの料理を勉強したいから。らしい。


後、ジョーに任せると、酒のつまみに合った塩辛いものしか出してこないため、健康面での心配があったからだ。

 ジョーの腰にあるアイテムボックスの中身。2番目多く含まれているのが酒瓶らしい。

 フームは、「お世話になるから、健康管理はしっかりさせないと!」と決意した。


「というか、コルピタラの肉を食べたいなら、今度祭りの時とか食べさせてやる。

 素人が狩りは、あまりにも危険すぎる」

「ミサスとか、コルピタラ狩りを自慢してくるから、そう言ったモンスター狩り」

「ミサスと比べるなよ。

 あいつボットとかにシゴかれて“十徳刀”とか二つ名を言われる実力者だぞ。

 大学で生物学専攻で知識も豊富だ。

 あいつは、人に教わることに対しては天才だからな」


「俺の弟子だからな!」という後付けは、キモイとフームは思ったが、それ以上は何も言わなかった。

 ジョーは、テーブルにあった調味料の瓶を取った。

 そして並べた。


「もう一度言うけど、コルピタラ狩りというのは、かなり危険だ。

 肉は旨いが、凶暴で、守護隊の隊員が十人程度効率よく動くのが安全とされている。

 そもそもマツカイサ帝国の領地では、プロの免許か、一時的な体験が出来る許可証を持っていないと狩猟を許可されていない。それに……」

「許可証は、知り合いの帝国騎士団の人に取ってもらった。

 ホットスポットでの限定で、原則一匹仕留められる」


 フームは机に許可証を二人分渡した。

 2人の名前がそれぞれ書かれている。


「そういうことを話では無くてね。

 そもそも、コルピタラは、食物連鎖の上位であった……」

「コルピタラのことは大学で習った」


 分かった分かった。とジョーは降参した。


「ただガイドはいるな。同伴するけど、」

「そうだろうと思って、一応一人頼んだ!」


 それは頼もしいな。とジョーは大声で笑った。




「どうだ。バイチークの暮らしは慣れた?」

「うん。マウさんとか、ミサスや他の騎士団にいる人と仲良くなって、面白い

 大学や城のお仕事も毎日刺激ばかり」


 フームは、とてもにこやかに笑った。

 ジョーは、その顔を見て満足だった。


「それにしても、バイチークにやってきて災難が続いたな。

 カズルというやつが、かなり執念深いのが分かった。

 今日も盗聴器があることが分かった」

「えっ」

「フームの部屋は、最初に見つけた分しかない。

 台所だ。ふと隅を見たら、小さなものを見つけた」


 ごろっと机に、調味料の容器を分解して、本体を見せた。

 小さな魔宝石に、魔法陣が刻み込まれているものだった。

 石の魔力が尽きるまで、音を伝え続ける構造だ。


「そもそも、このアパートはバイチーク城関係者の人を主に貸している。

 狙われるのも無理はないこととは言える」


 フームは、心配そうに聞いた。


「そんなに異世界出身者って、この世界で特殊な人なの?」

「確かに一人や二人の単位ではない。そんな程度。

 前世の記憶の残り具合もバラバラだし、先の動乱も殺し合いがかなり起きている。

 そういうことを目立つことを好まず、隠して、ひっそり暮らしているヤツも多い」


 とジョーはさらにあった料理をたいらげた。


「異世界転生は、過程がどうであれ“死ぬ”ことの1つだ。

 魂は同じかもしれないが、身体が全く別なものになる。

 正直、異世界生活は死後の楽園という刷り込みがあった。

 確実に騙した存在もいるけど、スラムで泥水すすっていたら、絶対に心が歪むな」

「…………でも、悪人は許してはいけない」


 2人は共通の人物を思い浮かべていた。


「敢えて言うけど、カズルはクソだぞ。

 今度目の前に現れたら、間髪入れずに手をかける」

「そうだよね」

「フーム。マウはそこまでバカでは無い。そこら辺はしっかり理解している。

 これ以上の心配は必要ないと思う」

「見透かされていたんだ」


 マウが、カズルの本を出版する話を聞いて、ジョーがどんな風に思っていることを確認したかった。

 そう素直に打ち明けた。



「それに、狩猟とか、フーム興味あったんだ」

「うーん。家で家畜の解体は手伝っていたからね。

 別に毛嫌いしている訳では無い」

「分かった」


 2人は食器の後片付けをした。

 バイチークの街は、上下水道がしっかりと整備されている。

 この世界で生活していく上で、ずば抜けて大変便利だ。


 こうしたインフラを設計した人物も、ジョーは知っていた。


「ホットスポットか。ニルキへ供養もしないとな」


 ジョーは、新たに棚からグラスを取り出し、酒を飲んだ。






○マツカイサ帝国所有 ホットスポット


「ということで、ここにいる。ミサス」

「なるほど。師匠」


 ミサスは、ジョーからここにいる旨を聞いた。

 横には、フーム。そしてガイドのテプがいた。


「あれ。特命の作戦行動中ですよね。何でここにいるのですか?」


 テプは、そんな風に聞いてきた。


「色々あってな。物凄くマズイことには違いない」


 ミサスは振り返って、クレパとカリの様子を見た。

 その様子を見て、ある程度は察した。




「あれ。似ているな」


 ジョーは、カリに近づいて声をかけた。


「もしもし。お嬢さん。私はジョー・サカタというものです」

「はい。ミサスから話は聞きました。師匠様ということで」


 カリは返事をした。


 ジョーは、見た目通りの五十代の男性。

 ここのホットスポットで動きやすいような、生地が厚くて丈夫な服装をしていた。

 腹に、大きな魔力矯正器具が目立っている。

 それを固定するためのベルトには、色々な道具の入った袋がぶら下げられている。

 ミサスと同様に、色んな道具が使いやすいようにしているのだろう。と推測した。


「もしかして、ニルキとチャオの娘であるカリさんですか?」

「はい。実の母親はチャオで、そうですが」

「なるほど。お母さんによく似ている」


 ジョーは笑顔で答えた。



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