表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/85

2-7 温泉

「おんせんじゃーい!」


 サンモは、モップを高らかに上げた。


「サンモさん。私の役割は、周りの監視だと思いますが」


 クレパはふて腐れた顔を隠せない。


「この屋敷の周りには強力な結界が張られています。隊長も夕食まで自由行動とおっしゃられていたので、羽目を外されては?」

「だったら、自由に偵察します」


 断言されて、ホッチは困惑気味。


「ご存じありませんか? 温泉に入ることは、身体を温めたり、清めたりするだけではありません。お湯には、色々な良い物が含まれていて、身体や美容にも良い効果があります。それにここは桁外れのホットスポット下です。肉体に絶大なパワーアップも期待できます」

「やる」


 その一言でクレパの働きが、格段に良くなった。

 サンモさんは、好きなものに対しての姿勢と普及(布教と言っている)の熱意は凄まじいとホッチは関心する。

 ミサスは、ケリの自室で二人きりで話をしている。ケリの希望に即断した形となった。

ケコーンは、弓矢をミサスから借りて、近くで狩りを行っている。ミサスほどでは無いが、前回のコルピタラ狩りで良いセンスを持っていた。

夕食には困らない。


 帝国騎士団の女性陣三人は、外の露天風呂を掃除行っている。

格好は一番の軽装で、袖や丈を捲り、全員がモップを持つ。

汚くなっていた水を抜き、底にこびりついた藻とか、汚れをゴシゴシと洗い流していく。

 かなり巨大かつ造りもこだわりのある浴槽で、サンモの強力な洗浄魔法を使用しても、かなり骨の折れる仕事だった。


「それにしてもミサス隊長。カリ様のお部屋で何を話されているのでしょうか?」


 ピタッとサンモは掃除を止め、ギシッとホッチの持つモップの柄がミシッとしなった。


「二人で話をしたいというか、あの空気だとこちらに気を遣って感情的になりたいところを堪えていたと思うよ。

何せ肉親を全て失ったことだし、ミサス隊長もそこら辺を想定してここに来ていると思うよ」


 そそっとサンモは、ホッチの近くに寄って囁いた。

(「クレパって、男女の営みを知らないピュワな感じ?」)

(「知りません。ミサス様、任務中に不純異性行為をしたら、ただじゃ済まない(怒)」)

 これ聞く相手間違えたなとサンモは後悔した。空気感がとても不味い。



 話題を変えよう。


「そうだ! クレパは好きな人とかいないの?」

「何ですか? 藪から棒に」

「恋バナ! 恋バナよ! とても可愛い女の子が三人も集っているのだから! しないと損!」

「そうですね。そういうことに興味を持って生きて来ていませんし、疎いのは自覚しています」

「うんうん。でも、何か気になっている」

「はい。それならいます。先日のホットスポットの件で、私は影王に三回殺されました。隊長の師匠様ということで、複雑ですがあの人には勝ちたいです」


 キラキラとした目でクレパは語ってくる。少しずれてきたが、良しとする。


「そういうサンモはどうなの?」

「そうね。私はいつも失恋ばっかりだよ! 最近は、今度こそ殿方を射止めるわ!

最近は研究のために色んな恋模様を観察している感じ(原稿のネタにもなるしね)」

「勉強になります。てっきり、ミサス隊長とカリ氏は性交渉の真っ最中だと思ったのですが……」

「だよね! 絶対、今さっきから屋敷から感じてくる魔力の乱れは、絶対淫らな行為だし!」


 興奮のままにサンモは話をした時には既に遅かった。

 ゆっくり振り返ると、バキッと音を立ててホッチはモップを割った。











「おんせんだぁ」

「これは良いですね。力がみなぎる」

「ミサスの刺身はどうすればお造りできるだろう」


 夕方、三人は綺麗になった露天風呂を満喫していた。

 サンモの予測通り、素晴らしいお湯だ。

 傍らには食用の鳥の卵が網の中に入れられて、湯につかっている。温泉卵といって、かなり美味しい卵料理の調理法らしく楽しみだ。

 物騒なことが聞こえたが、この極楽加減には到底抗えない。


「ええとでムガムガ……」


 クレパの口を、サンモは後ろから塞いだ。


「一緒に入ってよろしいかしら?」


 見上げると、髪をまとめたケリが三人の前に立っていた。



「とても良いお湯ですね」

「はい。我が家自慢の露天風呂です。その家には私一人しかいないのですけど」

「……」

「冗談よ」


 真っ赤に充血させた目でそんなことを言ってくるカリに対し、サンモは愛想笑いをするしかない。

 クレパは赤い目を見て「カリの正体は魔物だ!」ごとく、裸で飛びかかるのを制止する。こういったメンバーや人との調整役は、いつもホッチの役割だが引くほどの嫉妬の眼差しを送っているので、ちょっと背にしつつ隠している。

 くそう。思ったよりこの任務は激務だ。ドロドロだぁ。絶対薄い本のネタにしてやるとサンモは誓った。


「美容に良いって言っていたけど、本当なんだ。母上達、ここの大きなお風呂にはあまり入らせてくれなかった」

「カリ様が幼かった時は、温泉の効能が強すぎることに懸念を抱いていたのでしょう。

それと媚薬の効果が出るように調整されていましたが、今はトラブルの元でしかないので封印させて頂きました」

「そうだね。あの逞しい武人の殿方はともかく、ミサスにこれ以上精を出せ! は酷な話。久しぶりに人と触れあう機会だったから、かなり乱れたわ」


 後ろのホッチの殺気が一層強くなった。クレパは興味が無いようで、身体をプカプカと浮かべて堪能している。


「冗談よ。皆さんのミサス隊長は人格的に出来た人。久しぶりに会って良い男に成長している」

「デスヨネー」


 かなり混沌としてきた。

 ええい。飲まれてたまるか! とサンモは言い聞かせる。

 私は腐女子!

原稿の〆切りに追われるもの!

 そうよ。おっぱいの大きさを観察しよう。

思春期の男子相手にお小遣い稼ぎできるし。それぐらいバチは当たらない。

 クレパは小ぶりな発展途上な大きさだ。ロリに短剣は一部の性癖者に受ける。(命の保証はない)

 ホッチは、いつも男装をして目立たないけど小ぶりな果実で、この大きさが好きな男は多そう。

 カリ様は、巨乳で、くびれもかなりエロい曲線でそのまま絵のモデルとしていてもおかしくない。というか、デッサンしたい。

 私サンモも、胸の大きさには自身があって、、、


「えい!」

「ひゃっ」

「おっ私より大きいな」


 もみもみとカリは、サンモのおっぱいを揉んだ。

 両手から溢れ出る大きさは、同性からも嫉妬を覚えるだろう。


「ちょっ止めてください!」

「まあまあ悲しいこといわないで! 明日、ミサスと一緒に私の身体を委ねるのだから!」

「ちょっちょっと言い方がっ!」


 慌ててホッチの魔の手から離れる。

 物凄く敏感な所を、ピンポイントで刺激してきた。よし使える! と心の中でガッツポーズ。


「ふっ隙あり!」


 ホッチはそっとカリに近づき、ワザとイケメンボイスを出しながら後ろから手を伸ばして、

 だが、カリの身体はすり抜け、ホッチはバシャッと前へ頭からダイブした。

プカプカと可愛いお尻が浮かんでいる。


「私の身体は実体が存在しないの。魔力だけで形づくられた幻」


 手をたわわな胸に置いて、そう呟いた。


最新話下方に設置しているポイント評価登録をお願いします(多くの方に読んで頂きたい野望と、作者のモチベーションに直結いたします。ご協力お願いします)。

この作品をお気に召しましたら、ブックマーク機能をオススメします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング←クリック応援お願いします
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ