序章 2 オッサン異世界の神様に会う。
俺は恐らく自分が死んだのだろうと思っていたその時、この暗い空間の中で子供の様な無邪気な声が聞こえてきた。
「やっほ~、元気かい?」
「元気な訳がねえだろ。死んでるんだろ?俺は。」
「ご明察、君は死んだよ。あの事故でね。」
少しトーンの落ちた声でそう返され逆にスッキリとする。
「あれ?自分が死んだって聞かされても平然としてるね。信用できないの?」
少し不快そうにそう言う声が聞こえる。
「いや、信用していない訳じゃない、逆にはっきり死んでると言われてスッキリしているな。」
「へぇ~、珍しいな。君は生への執着が薄いようだね。」
確かに俺は生きる執着心は薄く、人生成るように成るさが心情だったが実際に他人からそう言われるとむっと来るものがあるな。
「じゃあ姿を出しても落ち着いて話が出来るかな?」
俺の目の前にぼやけたような人影が出現し、徐々にその人影が目の焦点が合い始めるような感覚ではっきりとしてくる。
俺の目の前に黒髪で10歳位だと思われる男の子供が現れた。
「やあ、この姿では始めましてだね。」
うん?この姿では始めまして?意味分からん??
「どこかで俺に会った事があるのか?」
「それを含めた説明をするから聞いて。実はね...僕は神様なんだよ。君の世界の神様ではないけどね。」
うん、全然説明になってないな。神て目の前の奴は言っているが...まあ俺は死んでいるぽいし信用せざるおえないのだろうが俺の世界の神様じゃないってどういうことだ??
「君の言いたいことはよ~~~く分かるよ。僕が自分の世界の神ではないって言われて頭に?が大量に浮かんでるでしょ?」
「実はあの事故の時に跳ねられかけたタヌキは僕なんだよ。君の世界の神様の所に遊びに来てる時にあの時の状況になったんだよね~」
コイツ、あの時のタヌキか!
と言うことは俺が死んだのコイツせいじゃねえか!
「なんでお前、道路の途中で止まった挙げ句避けてる方向に向かって走って来るんだよ」
俺がそう目の前のタヌ神様にくってかかると、タヌ神は苦笑しながらアホな事を言い始めた。
「仕方ないでしょ、君が急に来るから僕もビックリしたんだよ。君も不意に予想外のことが起きると挙動不審になるでしょ?だから君が悪いんだよ」
とドヤ顔を決めるタヌ神。
ほほう、このタヌ神め。びびって自分が起こした不始末をあくまでも俺一人の責任にする気だな。
確かに8割位は俺自身の自爆だがこのタヌ神にも非があることを認めさせてやるぜ。
「俺はあの時お前に会わなかったら死んでなかった。うん、間違いねえな。俺、めちゃんこ可哀想だな。何故かタヌキに化けた違う世界の神様を助けるために死んじゃったって言うのにこの扱い。アリエナーイ。」
ほぼ棒読みでそうタヌ神に言ってやると
「まぁまぁ、いいじゃないの。死んでみるって言うのもなかなか刺激的っだったでしょ?ちなみにあの時君の世界の神様はモグラに化けてたよ。君の世界の神様も面白いよね。」
などとけらけら笑いながら意味不明な事を言ってきやがった。よしコイツには有難い俺様の説教と小言をくれてやろう。
「おい、小僧。ちょっとそこに座れや。」