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車屋異世界転生記  作者: ライ蔵
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一章 元オッサン異世界で初めての友達と一緒に猫神を愛でるそうです。

 朝、目が醒めるとセリーヌさんにガッチリ捕まり抱き枕にされた状態の俺がいた。


 どうにか逃げようと頑張ってはみたがホールドが極っていて抜け出せそうにない。


 枕元で丸くなっているリーザは片目を細く開いて(御愁傷様。)と念話を送ってきたあとまた目を閉じやがった。


 どうやら公衆浴場からセリーヌさんの家に帰ってきた後、リーザを少しオモチャにしていて遊んでいる途中で寝てしまい様でそのままセリーヌさんの寝床にお持ち帰りされたみたいだ。



 もういいや、また寝るか。



 二度寝から目覚めると俺を抱き枕にしていたセリーヌさんは既に起きたらしく解放されていた。


 まだ寝ているリーザの頭を撫でた後、寝間着から普段着に着替えセリーヌさんが居るであろう台所に向かう。


 「おはよう~、ジュエルちゃん。良く寝れたみたいだね~。」


 「おはようございます。はい!良く眠れました。」


 「今日はお昼過ぎ位にルナリスとルリシスちゃんが来るみたいだからね~。」


 「はい。わかりました!」


 「あっ、そうだジュエルちゃんずっと髪を降ろしてるでしょ?朝食の後で髪を結ってあげる♪それで邪魔にはならないはずよ!」


 そう言われると結ったことが無いな。オヤジ様も男だから結い方が解らないだろうし俺も元は男だからなー。


 「お願いします!」


 そう言うと笑顔でセリーヌさんが返してくれた。



 俺達の朝食が終わった頃にリーザが起きてきたので用意していた朝食を出してやる。


 そしてセリーヌさんは俺の髪をセットしはじめてくれた。

 「さぁ~、出来たよ~!」


 鏡がわりの金属製の良く磨かれたお盆で姿を写してくれた。


 そこには両サイドずつで髪を纏めたツインテールのおっさ...じゃなくて女の子に俺はなっていた。


 その場でクルリと一周回転してみる。

 成る程、確かに楽にはなるな。髪を切らせてもらえないなら俺も覚えるしかなさそうだ。


 「どうもありがとうございます!今度私に髪の結い方を教えてください!」


 「良いわよ~。時間が空いているときに教えるね♪」


 さぁ、ルリシスちゃんが来るまでどうするかな?

 大人しく本を読んでるか。

 読みかけの魔導具の専門書を開き読み始めた。


 昼過ぎになりルリシスちゃんがルナリスさんに連れられ遊びにやって来る。


 「こんにちはー、セリーヌさん着いたわよー」

 「こ、こんにちは!遊びに来ました!」

 「ようこそ、いらっしゃいませ。ジュエルちゃんを呼ぶね!」


 セリーヌさんの雑貨屋の店先からルナリスさん達の声が聞こえ、それにセリーヌさんが応対する声が聞こえてきた。


 周囲を見渡すがリーザの姿が見えない。


 ルリシスちゃんに会わせるためにリーザに念話で居場所を訪ねると(...我等の家のリビングだ。)と帰ってきた。


 なるほど、逃げたな。まあ捕まえに行くけどね。


 俺も店先に行きルナリスさんとルリシスちゃんに迎えの挨拶に行く。


 「ルナリスさん、ルリシスちゃんこんにちは!リーザは私の家に居るので移動しませんか?」


 「うーん、そうねー。私はセリーヌさんと世間話をするからジュエルちゃんとルリシスはそっちに行ってても大丈夫だよ。」


 「はい!ルリシスちゃん、こちらです!」


 「は、はい!」


 俺はルリシスちゃんの手を取り、隣の俺の家に案内する。



 家のドアを開きリビング迄案内するがルリシスちゃんはキョロキョロと家の中を見回してる。

 「うわぁー、魔導具が凄く一杯ある!」

 「とと様が魔導具職人なので。私はまだ小さいから一人で使わないようにと言われてますが。」

 「そっかー」


 そんな会話をしながらリビングに入ると、いた!脱走兵のリーザがソファーの上で転がってる。


 リーザは俺とルリシスちゃんの姿を薄目で確認するとまた寝やがった。


 どれだけ寝るんだよお前は...


 リーザに近付き抱えながら「これがリーザです!」とルリシスちゃんに渡すと「うわぁー、柔らかいし毛もふかふかしてて可愛い!!!」と少し興奮しているような声で喋っている。


 ルシリスちゃんがリーザを抱えながら頬擦りしているがリーザの表情は微妙に嫌そうだ。


 美少女の頬擦りがそんなに嫌なのか?....あーあれか、子供自体が苦手なのか?


 (今日は我慢してくれ)と念話をリーザに送ると、(分かっている、最早諦めた...。)と返ってきて好きにしてくれと言う顔をしている。


 早くもリーザはルリシスちゃんにひっくり返されて腹を揉まれている。


 ルリシスちゃんと会話をしながらリーザを一緒にオモチャにして長い時間が過ぎた後ルナリスさんとセリーヌさんがリビングにやって来た。


 「へぇー、その子がリーザかー。珍しい柄の猫ね!」


 この世界にアメリカンショートヘアなんていう種類はいないだろうからそりゃそうだろうな。

 ルナリスさんもリーザの腹を揉みながらご満悦のようだ。


 「さて、そろそろ帰って家事をやらないとね。ルリシス、そろそろ帰りますよ。」

 「はい!お母さん。」

 「また私と一緒に遊びましょう!」

 ルリシスちゃんにそう言うと「こちらこそよろしくです!」と帰ってきた。


 俺とセリーヌさんはルナリスさん親子を笑顔で見送りながら

 「ジュエルちゃん、お友達が出来てよかったね~!」

 「はい!本当に嬉しいです!」



 そんな会話をする俺とセリーヌさん。本当の親子みたいになってきたな。




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