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焦土と測量士  作者: today
前置き、背景
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前置き、世界観

前置きは、世界観、背景を書いていますのであまり重要ではありません。

本編が読みたい場合は、第一章から読んでください。

ですが、世界観や時代背景を知っていた方が多分楽しめます。

背景は結構長いので、読む場合は覚悟してください。

※はじめは、あまりグロシーンは無いですが、後の章に入ってくるかもしれないので、注意してください。

世界は量子通信技術の発達によって大きく変化した。

膨大な情報を世界各国で同時に共有できる技術が発展したのと同義だからだ。

そして、電脳世界はその異常とも言える情報量を処理するために、高度な量子コンピュータの発展と、脳をネットワークに接続する技術も同時に発展した。


世界はそのネットワークにより、互いに理解し調和を保ち始め、和平協定が世界で行われ、その象徴として、量子通信ネットワークが地球上の全ての国と地域で接続された。


この年がいわゆる電脳歴元年だ。

だが、その平穏な日々が続いたのは初めの数百年の話だった。


人種間の問題や、食糧問題は解決されず、ネットワークを用いた犯罪がさらに高度化したために、ネット対策軍なるものが組織される始末。


また、各国の摩擦の末に自国内部で独立した通信網を構築し、密かに条約違反の兵器を生産する国々が後を絶たず、経済制裁をしてもそれは差別だと言って訳の分かない主張をしながら強硬的に兵器を生みだす。


その中、極東の島国で世界に波紋を呼ぶ発明がいくつもされたのだ。

まず第一に正式名称、ヘリカルサイクル核融合発電炉が上げられる。

これは、俗に言う永久発電システムだ。

だが、これは核反応を用いる為、一種の核兵器としての利用が可能だ。

それだけでなく、高圧縮のプラズマ砲を作る事が出来る事を暗に示すもので、世界各国から強い反発を招いた。


次に、KMNSと呼ばれる有機量子演算装置だ。

端的に言えば、人工的に人間に似て非なる高知能体を作ったのだ。

これは工学倫理的な問題で世界から非難された。


第三に、サイレントパルスジェットエンジンが上げられる。

これは、アメリカを始め世界各国が採用しているジェットエンジンより、燃費が良いだけでなく、推進力も高く、その上騒音が小さいと言う。


これが軍事利用されれば、間違いなく戦闘機の分野でこの国が一番上に君臨するであろう。

言わば、西洋の人間からすれば、東洋の猿に空を脅かされるのだ。

そのほかにも、ネット上に自分の分身、一般には電脳体と言われている物を生み出したのもこの極東の島国だ。


それは、自分と寸分たがわぬ分身を電脳世界に、いや、分身で無いともいえる。

自分が電脳世界に存在しており、そして、電脳世界であらゆることを行える。

直接、脳を量子ネットワークに接続し操作するため、電脳世界でのダメージは自らの脳にフィードバックするが、その代わりに電脳世界での処理能力はけた外れに高い。


この国に差し向けられたネット対策軍はこれによって壊滅した。

アメリカとイギリスはこれらの状況に強く不快感を示し、ついに電脳体の開発に成功すると同時に、この国のネットワークに攻撃を仕掛けた。


だが、そのころには極東の島国において、電脳体の武装化がさらに進行し、電脳空間における、パワードスーツや近未来的な兵器が電脳空間において作られ、そのロボットの総称はフィニルと呼ばれるようになった。


ネット上での主導権を握られ、空を脅かされ、エネルギー問題でも先を越され、その上それが極東の猿だというのが、世界最強の地位に居るアメリカのプライドを酷く傷つけた。

そのため、アメリカはこの国に対し軍事的な圧力を加えた。


そして、それを皮きりに一気に世界中が二つに割れた。


それだけでなく、各国は秘密裏に作って来た爆弾、戦闘兵器、毒物、生物兵器をばら撒いた。


混沌とした戦闘に突入し、収集がつかなくなったために、今度は各国は核兵器を投入した。


土壌は汚染され、地形は変化し、自然は壊滅的ともいえるダメージを負った。


放射能汚染で多くの一般人が死んだ。


土壌汚染で穀物が取れず、飢饉が生じて多くの子供が餓死した。

そのために、世界人口は激減した。

今まで、極東の島国でしか実際に使われなかった凶悪な兵器が全世界で使用され、それまで傍観者気取りだった国々もその威力を目の当たりにし、恐ろしくなりこれ以上の土壌汚染は人類の危機だと肌で感じ、使用しなくなった。


だが、攻撃を受けた恨みは消えなかった。


そのために、衛星兵器が使われるようになった。

それに対抗するために、重金属雲のチャフや、衛星の照準を妨害するガス雲をばら撒く国が増え、高性能爆薬をさらに多量に投入し、敵国の地形が変化するほどにミサイルを撃ち込み、毒学や生物兵器をあらゆる水脈に流し込んだ。



結果、経済は破綻しネットワークにはウィルスが徘徊し、地上で人間の住める土地はほんの一部になってしまった。



それから数年、少しだけ経済とか、文化とかを考える余裕が出始めたころだ。

かつての各国の指導者は、自分の国がどのような状況なのかを把握したいが、人が住める安全地帯からそのような人間が出るはずが無い。

だからと言って、ネットを使うにも特殊な技術が無ければ数秒でウィルスに攻撃され、衛星は役に立たない。


八方塞がりといった状況で、命知らずな人間達が危険な土地を旅していると聞きつけ、各国の首脳は彼らの情報を高額で買い取り、あらゆる技術を提供する代わりに彼らに調査をさせた。

これが、後の測量団という職業になる。


前置きが長くなったが、これがこの世界で医者に並ぶ数少ない職業である、測量団の背景になる


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