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4日目~前編~

今回は糖分少な目…

んっ。

………。

あ、さ…?

おきなきゃ。


「よっと…と」


あれ?

地面が揺れてるような?


「信君おはよう!…ん?」


「おはよう、雪姉」


雪姉の声が妙に頭に響く気がする。


「ん〜? えいっ!」


「うぁわっ!」


な、なんだ!?

か、かおがちかい!?

だき、抱きしめられてる!


「…信君」


お、おでこがくっついてる!

おでこが冷たくて気持ちいい…じゃなくて!

す、数センチ先に雪姉の唇が!


「信君」


「ななななななに!?」


「信君! 今すぐベッドに寝て! あとは全部お姉ちゃんがやるから!」


「や、やるって何を!?」


少し目が潤んでるってことはそういうことか!?


「信君、無理しちゃだめ!」


「全部わかってるから。あとはお姉ちゃんがやるから、信君はベッドに寝てて」


「ゆ、雪姉! まって! まって!! 今は朝だよ!? が、学校あるから!」


「朝も昼も夜も関係ないよ! 学校も今日はお休み!」


や、やばい!

完全に目が据わってる!


「ほら、早くベッドに寝て。心配いらないから」


「い、いや、でも…」


「信君がそんなに学校が好きになってくれてお姉ちゃんも嬉しいけど、今日はお姉ちゃんの言うこと聞いて、ねっ?」


「ねっ? って言われても…こ、心の準備とか……」


「でもでも、無理すると熱出ちゃうよ〜」


「いやでもほら、せ、世間体とか…」


「……ねつ?」


「そうだよ〜。信君、今日はお休みしよ? 熱あるよ」


「無理すると倒れちゃうからベッドに寝てよ?」


「後は全部お姉ちゃんがやるから」


「………」


「そういうことかぁ〜」


”どさ”


「し、信君!? 大丈夫!? きゅ、救急車!!」


「だ、大丈夫だから。安心したというか残念というか…ち、力が抜けただけだから」


「ほ、本当? 無理してない? あ! 今お薬もってくるね」


”がちゃっ”

”ぱたぱたぱた…”


はぁ〜焦った〜。

もう頭がボーっとする。

これって熱のせい?

それとも血が上りすぎた?

…はぁ。

あんな勘違いするなんて、欲求不満か?


”がちゃっ”


「信君お薬とご飯もってきたよ」


「ありがとう」


「少しでもご飯たべられる?」


「うん、食べる。それより、雪姉は学校に行かないと」


「ううん。今日は行かない」


「で、でも。俺は一人でも平気だから」


「いや。今日は信君と一緒に居る」


「いやって…。熱もそんなにないし俺は平気だよ?」


「やっ! 信君を朝からず〜っと独り占めできるんだよ!」


「信君のお世話がず〜〜〜とできるんだよ!」


「私の幸せなんだよ!!」


「し、幸せって…」


「毎回、風邪引くたびに言われるけど…俺の世話して何が幸せなの?」


「全部だよ! 信君のそばで、信君のために何かできるのが幸せなんだよ♪」


「そ、そうなんだ」


ここまで言い切られると照れる。

しかも本当に幸せそうに言うし。

面倒見られる俺が言うのもなんだが、損な性格だよな〜。


「ねぇ、だめ? 一人がいい? お姉ちゃんじゃダメ?」


「それは居てくれた方が嬉しいけど、あんまり一緒に居るとうつっちゃうよ?」


「信君が治るならうつしていいよ」


「それはダメ。雪姉だって知ってるだろ。雪姉が倒れたら俺は何もできないんだから」


昔から雪姉が世話してくれたから、家事なんて全くできない。

そう考えると俺って雪姉がいないとダメだな…。


「それって信君は私がいなくちゃダメってこと?」


「そうだよ?」


「…えへへ〜♪ 信君は私がいないとダメなんだ〜♪」


そういえば、この会話も何回目だっけ?

俺が風邪引くたびにこんな会話してる気がする。


「信君♪ はい。あ〜ん♪」


「…自分で食べられるよ?」


「だ〜め。あ〜ん♪」


「…あ〜ん」






………

……


「雪ちゃん雪ちゃん、けっこんってな~に?」


あぁ、今俺は夢を見てる。

これって小学1年のときだったかな?

昔は雪姉のこと雪ちゃんって呼んでたんだよな~、懐かしいや。

それにしても、夢の中で夢だった自覚するのって珍しいよな?

確か明晰夢ってやつだっけ? あんま詳しくないけど……。


「結婚はね好きな人とずっと一緒にいるって神様にお願いするんだよ」


「へぇ~じゃあ僕は雪ちゃんと結婚する!」


「ふぇ? 信君結婚してくれるの?」


「うん! 僕雪ちゃん大好きだもん!」


「本当! じゃあ、お父さんとお母さんに言わないと」


「うん!」


あの頃は無邪気だったな~。

この後結婚は大きくならないと出来ないって言われて二人して落ち込んだっけ。

この頃からすでに俺は雪姉のこと好きだったのか。

……いや、好きだって事を否定するわけじゃないが、わけではないのだけど。

自然と好きだって言葉が出たな。

うん、夢だし多少は本音をだしてもいいよね?

誰も聞いてないしね。

それより、俺は何時から雪姉って呼ぶようになったんだっけ?

なんか事件があったような無かったような?

まぁ、覚えてないってことはそれほど重要じゃないよね?

って、場面が変わった?


「信君信君! 私16歳になったよ!」


「うん、誕生日おめでとう雪姉!」


これは結構新しい記憶だな。

ちょうど1年前だな。

あと10日後が雪姉の誕生日だし。

……やべ! 忘れてた! 起きたら覚えてますように!!


「信君! 私16歳になったから結婚できるよ!」


「そうだね?」


「むぅ~。信君私と結婚できるのにどうして喜んでくれないの? 私のこと嫌いになっちゃった?」


「って! 結婚相手って俺のことだったの!?」


「当たり前だよ! 信君以外と結婚なんてするはず無いもん!」


「あ、あ~……でも、俺は男だから18歳まで無理だよ?」


「あれ? そっか~…残念」


「ていうかそれ以前に俺弟だし」


「関係ないよ?」


「あるでしょ!?」


俺ってば何回雪姉に告白されてるんだろうね?

多分365×年齢分は告白されてる気がする……。

最近はさらに積極的になってるし。

なんか焦ってるよね?

誰かに取られるって思ってんのかな?

告白されたことも無いのに。

というより焦らなくちゃいけないのって俺のほうだよね?

雪姉ってば何回も告白されてるし可愛いし綺麗だし理想だし。

だいたい、すぐに涙目で縋る様な表情でお願いしてきたり、甘えた顔と声で誘惑したり卑怯だ!

あれじゃ俺の理性はすぐになくなるに決まってるじゃないか!

うん、全ては雪姉が可愛すぎるのがいけないと決まったな。


「……君…し…ん」


あれ?

周りがぼやけてきた?

なんか声も聞こえるし…起きるみたいだな。


「信君? 大丈夫?」


「んっ? あ、本当に起きた」


「ふぇ? ど、どうしたの? 何かあったの?」


「あ、あ~何でもないよ」


「でもでも、なんか喜んだり唸ってたりしてたよ?」


「あ、あはは。少し夢を見てただけだよ」


は、恥ずかしい~。


「そっか~どんな夢だったの?」


「昔の夢だよ。雪姉に告白される夢」


「ん~? 毎日してるからいつのかな?」


毎日してる自覚あったんだ……。


「1年生のときのと去年の」


「1年生のって信君から告白してくれたやつだよね! 嬉しいな~♪ 覚えてくれてたんだ~♪♪」


「雪姉こそ覚えてたんだね」


「当たり前だよ! 信君とのことは全部覚えてるもん! 初めてしゃべった言葉から昨日の寝言まで!」


「……何も言えないってこういう事なんだね」


「何でもじゃないよ~知ってることだけだよ?」


「何もきいてないなからね!?」


何時の間にそんな言葉を覚えたのだろうか?

というか初めての言葉って雪姉も1歳か2歳だよな。

……本当に覚えてたら天才だよね?

でも、雪姉のことだからあながち否定できない!


「信君。体調はどうかな? 私の見る限り大分良くなってるかなって思うんだけど」


「うん。そうだね。体のだるさもほとんど無いかな」


「少し頭痛はあるけど食欲はありそうだね? 熱は…6度8分ってとこかな?」


「……なぜわかる?」


「お姉ちゃんだもん♪ まってて今お昼持ってくるから」


さすが雪姉。俺より俺の事を知ってるだけのことはあるかも。

でも、本当に6度8分なんだろうか?

あとで測ってみるか。


「はい信君。またお粥だけどいいかな?」


「良いよ。雪姉の美味しいから」


「えへへ~♪ ありがとう♪ じゃあ、あ~んして」


「あ~ん」


朝もやられたし抵抗感がなくなってるなぁ~。



美味しく頂ました。

あのあと熱測ったら6度8分…雪姉本当にすごいね……。



お知らせとアンケートがありますのでよろしかったらご協力ください。

お願いします。

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