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3日目~中編~

今回は少し執筆に取れる時間が少なかったので三回に分けて三日目をお送りしたいと思います。

中篇で学校が終わり、次の後編で放課後と家での様子、雪視点を入れたいと思っています。


それではどうぞお楽しみください。

はぁ~。

昼休みの後は体育かぁ。

精神的疲労の後に肉体的疲労はつらい…。


「信だいぶ疲れてるね?」


「誰のせいだよ!?」


「雪さんでしょ?」


「半分は夏樹だろ!」


くそ~からかわれてる。


「あれ~? そうだっけ? じゃあそんな信に朗報だよ」


「…何?」


あの笑い…絶対に朗報じゃないな。


「今日の体育は一年の先生が休みだから二年生と合同だってさ」


「ふ~ん。で、何が朗報なの?」


「うん。雪さんのクラスと合同だって」


「………はっ?」


「ふつうは男女で別れるけど…信は無理だろうな~」


「な、なぜ?…い、いや、言わなくていい」


「え~だって…」


「し~んく~ん!」


な、何も聞いてないぞ!


「ほらね? まぁ、諦めて」


「な、なんのことかな?」


「うん。なんだろうね?」


「信君信君! 今日はお姉ちゃんと体育だよ!」


「や、やだな~。学年違うよ?」


「合同でやるんだって」


「ぼ、僕男なんだけど?」


「知ってるよ?」


「満更でもないくせに~」


「夏樹…少し黙っててくれないか?」


「私信君と一緒がいいなぁ~。だめ? 先生はいいって言ったよ?」


先生!?

何考えてんですか!!


「信君…一緒がいいなぁ~」


「わ、わかったよ」


う、上目づかいされたらねぇ。


「やっぱりね」


うぅ~夏樹の予想どおり…。


「本当! やったー! ありがとう信君! 大好き!♪」


ゆ、雪姉てばあたりかまわず大好き言いすぎだよ。

顔が絶対紅くなってるよ…。


「信君行こ! 体育館でバレーボールだよ!」


「うん。わかった」


そういえば、雪姉の体操服姿って初めて見るんじゃないか?

…結構かわいいかも。





「おっ? やっと来た…って雪? 信まで連れてきたの?」


「うん! 先生がいいって言ったもん」


「本当ですか?」


「…はぁ。本当よ……今日だけ特別」


先生ちょっと疲れてる?


「…職員室でわがままを言うあんたが想像できるわ」


「むぅ! ひどいよ桜! 確かにしたけど…」


したんだ。


「信、あんたも大変ねぇ~」


「あ、あはは…そうでもないですよ? それにもうずっと前からだし」


中学も何回かあったし。


「ふ~ん。私、雪とは高校からの付き合いだから話しか聞いてないのよねぇ~」


「今とあまり変わりませんよ」


最近はちょっと激しいけど。


「ねぇねぇ! その子が噂の信君?」


「へぇ~。思ったより可愛い顔してる」


「線も細いし、へぇ~ふ~ん」


「えっ? あ、あの?」


雪姉のクラスメイトかな。

すごいじろじろ見られてる…。

動物園のパンダの気分。


「おどおどしてる姿もかわいい!」


「みんなダメ! 信君は私のだよ!」


「あらあら、これ以上は雪ん子が怒り出すわね」


「信君! 大丈夫!? 何かされてない!?」


「もう、雪ん子ったら! 私たちがそんなことするわけないでしょ」


「無駄よ。雪は愛しの信君に関しては暴走一直線だからね」


「信君、信君は私と一緒のチームね! 信君は私が守るもん!」


「もう聞いてないし。桜もよくあの状態の雪に付き合えるね」


「あ、あはは」


「あれ~? 桜も同類じゃなかったっけ?」


「ちょっ!? ち、違うわよ! 私はあんなに暴走しないわよ!」


「ん~? まぁそういうことにしましょうか」


「違うってば!」


「そんなことより始めようよ~」


女三人寄れば姦しいって言うけどこの人数だと口をはさむ余地もないね。

はぁ~、今更だけど居心地悪いな~。


「信君? 大丈夫だよ! お姉ちゃんがついてるもん」


「あ、ありがとう」


みんなこっちを見て笑ってるよ~。

うぅ~恥ずかしい…。





「いくよ~、信君」


「は、はい」


「そ~れ」


なんか雪姉のクラスは俺の名前定着してないか?


「信君、こっち!」


「雪姉!」


「えい!」


ふぅ~。

バレーなんて久しぶりだけど何とかなりそうだな。


「えへへ~♪ 信君のお陰で連続勝利だね!」


「俺の活躍じゃないよ。 点取ってたの雪姉だし」


「でもでも~信君が拾ってくれなかったら負けてるもん」


いやそれは皆が俺ばっかり狙って打つからしょうがないんだけど…。


「それにボールあげるのすごく上手かったもん! 私の欲しいところにぴったり来たよ!」


「まぁ何となくだけど欲しいところ分かったし…」


「愛の力ね!」


はっ!?


「さすが雪ん子の愛しの信君! 雪ん子の事ならなんでもわかってしまうなんて!」


「愛の力恐るべしね!」


ここぞとばかりにからかわれてる!?


「ふふ~ん! 信君と私は相思相愛だもん! 当然だよ!」


雪姉はからかわれてる自覚ないみたいだけど…。


「雪ってば嬉々として肯定してるわね」


反論しても火に油なのはわかるけど…。

肯定するのもどうかと思うぞ雪姉……。


「頼みの綱は桜さんだと思うんですよ」


「何? 私はフォローしないわよ? 信も嫌って訳じゃないんでしょ?」


「まぁ…そうですけど。でも、恥ずかしいですよ…」


「好奇の的だしね~」


他人事みたいに…。

他人事だけど。


「どうにかなりません?」


「無理ね」


「そ、即答…」


「うん。無理。まぁ、頑張って」


うぅ~他人事だからって。

桜さんも楽しんでるみたいだし…。

玩具にされてる……。


「信君、試合始まるよ?」


「あ、うん。今行く


「信君、頑張ろうね!」


「うん」


まぁ、雪姉すごく楽しそうだし、気にしないように頑張るか。

無理だと思うけど。

それにしても雪姉って結構運動神経良いんだな~。

雪姉が運動してるとこなんて運動会ぐらいでしか見てないからなぁ。

真剣な顔して少し凛々しいかも。

元が可愛い系だからかっこいいにはならないけど…。

いつもと少し違う感じがする。

まだ俺の知らない雪姉がいたんだなぁ。


「信君!」


「はいっ…と」


少し右斜めぐらいかな?


「雪姉!」


「うん! えいっ!」


ナイスサーブ!


「うん! 信君ばっちりの場所だよ!」


「アイコンタクトも無いのに…愛の力は偉大ね~」


「えへへ~。良いでしょ! 私たちの愛は破れないよ!」


そんなに全力で肯定しなくても!?

でも、なまじ本当に分かるだけ否定できない!






「は~い。皆そろそろ終わりにして。雪さんは体育倉庫にちゃんと仕舞ってね」


あっ、もうそんな時間か。


「信君、ちょっと待っててね。今仕舞ってくるから」


「あっ手伝うよ」


「ううん。大丈夫だから休んでて。信君と一緒にやらせてもらう代わりに片付けるって約束だから」


それで片付けが雪姉だったのか。

でも、それなら


「うん。やっぱり手伝うよ。雪姉と体育できて楽しかったし、連れてきてもらったのは俺だし」


「信君…うん、ありがとう! 信君本当に優しいし、可愛いし、抱き心地好いし、もう本当に大好きだよ!♪」


だ、抱き心地って…まぁいいか。

でも、それを言えば抱かれ心地も好いんだけどね。


「信君、倉庫はこっちだよ。案内してあげるね!」


体育の後なのに元気だな~。

元気じゃないほうが珍しいけどね。






「到着~! ここが倉庫だよ!」


「あっそうだ! 信君気をつけてね。倉庫の扉、建てつけが悪くて閉じ込められやすいから物を仕舞うときは開けっ放しにしないとダメだよ」


「あっそうなんだ。ありがとう、気をつけるよ」


「うん。この倉庫、中からだと特に開けづらくて。外に人がいる時は良いけど、今みたいに二人きりだと……二人きり?」


「ん? どうしたの?」


「……今閉じ込められたら二人きり? 信君と? 邪魔する人がいない?」


ん?

雪姉何言ってんだ?

小さな声だから聞き取れない。


”バタン”


「え?」


「あ~信君ごめんね~。扉閉まっちゃった♪ どうしよ~出られないよ♪」


「………雪姉、今わざと閉めなかった? てかすごい嬉しそうなんだけど」


「え~、わざとじゃないよ~」


絶対嘘だ…。

すっごい嬉しそうだし。


「はぁ~。でも、どうしようか。本当に扉開かないし…。汗が引いて少し寒くもなってきたし」


「信君寒いの?」


「少しね。雪姉は平気?」


「私は…うん! 寒いかな。だから信君、ぎゅーってしよ」


「…えっ? な、何で?」


「だってお互いの体温で温かいよ?」


「そ、そうだけどって! 俺まだするって言ってないのに抱きつかないの!」


「私じゃ…いや?」


「うっ」


「それにこれ以上冷えたら風引いちゃうよ」


「で、でも恥ずかしいよ」


「誰も見てないから大丈夫! ほら、信君もぎゅーってして?」


うぅ。

恥ずかしいけど雪姉の言うとおりこれ以上冷えたら風邪引いちゃうし…。

緊急事態だからしょうがないよね。


「はぁ~♪ 信君温かい♪ それに私今、信君に抱きしめられてる♪ 信君…信君♪ しんく~ん♪♪」


うぅ~雪姉の声がどんどん甘くなってく…。

それに体育のあとだから汗で雪姉の匂いが強いし。

俺の理性が秒読みな気がするのは気のせいか?


「しんく~ん♪♪ しあわせ~♪♪」


雪姉あったかいし、柔らかいし、気持ちい……はっ!

が、頑張れ俺の理性!


「はぅ~♪ 信君の匂い♪ 信君が近いよ~♪ キスしちゃおうかな~♪」


「……ききききキス!?」


「しんく~ん♪ しよ~♪」


雪姉とキス!? 雪姉とキス!? 雪姉とキス!? 雪姉とキス!?

誰が!? 誰と!? いつ!? 


「しんく~ん♪」


「だだだだだめだよ!」


「何で? 誰も見てないよ? ねぇ? しよ?」


だ、誰も見てない? 


「ねぇ? 誰も見てないよ?」


だ、誰も見てないなら…だめだ!

流されてるぞ、俺!


「昨日もしたし、ねぇ? いいでしょ?」


そ、そうだ。

昨日もしたし。

い、いいかな……?


「しんくん♪ 私はいつでも良いよ?」


うぅ、も、もうダメだ。

俺には耐えたれない!

雪姉が言ってきたのが悪いんだ!


「ゆ、雪姉…」


「信君♪」


”バンッ”


「何やってんのよ! 雪!」


!!!


「って! 信までいるし! ていうか何で抱き合ってるのよ! まったく、授業サボって何してるかと思えば!」


「そんなことはどうでもいいの! それより桜!! せっかくいい所だったのに邪魔しないでよ!!」


あ、あぶなかった。

俺、完璧に流されてた。

あと少しでも桜さんが遅かったら…。

いや、遅くても。

ってまだ思考がおかしいし。


「雪! あんたは羽交い絞めにしてでも連れて行くわ! えぇ! これ以上羨ましい事させないんだから!」


「桜なんかもう絶好だよ! 離して~! 信君と一緒に居るの~! いや~!」


…俺も早く教室戻らないと。

後編は合宿後に書くので、1~2週間ほど更新がないかもしれません。

帰ってきたら頑張って早めに更新できるようにするので少しの間お待ちください。


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