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2日目~前編~

相変わらずの頭の悪い妄想物語。

お読みになる方は十分に気をつけてお読みください。

結局昨日は眠れなかった…。

時間的にはもうそろそろ起きなきゃいけないかな?


「雪姉、雪姉。朝だよ」


昨日の夜からずっと胸に抱きしめられたままだから少し声がくぐもる。

ずっと同じ姿勢で疲れないのか?


「雪姉、朝だよ。おきて」


「んっ……」


反応があった。

起きたかな?


「にゃ〜しんくんだ〜あったかいよ〜。…くぅ〜」


「雪姉寝ちゃダメだ…うぐ」


む、胸で息が!


「ん〜!(雪姉!) ん、ん〜!(い、息が!)」


「しんく〜ん♪ くすぐったい〜♪ にゃ〜」


「ん〜!?(にゃ〜って何!?) んん〜!(雪姉起きて!)」

今日の雪姉、いつもより手ごわい!

いつもなら一声かければ起きるのに!


「ねこは〜きもちのいいところで〜ねるんだにゃ〜」

猫耳!

猫耳の所為なのか!?


「しんく〜ん、きもちいいにゃ〜…すぅ〜」


「ん〜!!(寝ちゃダメ〜!!)」




「信君…ごめんね」


「いいよ、気にしないで。 雪姉はいつも頑張ってるの知ってるから、たまには休憩も必要だよ」


「で、でも…信君のお弁当…」


お弁当作れなかっただけでそんなに落ち込まなくて良いのに。

まぁ、結局雪姉起こすのに20分かかったけど…。

でも、それは裏を返せば普段俺が雪姉に苦労かけてるって事だし。

きっと疲れが溜まってるんだろうなぁ。

どっかで休ませてあげられるといいんだけど…。


「…うん。信君先に学校行ってて。私お弁当作ってから行くから」


「今からって…もう出ないと遅刻しちゃうよ?」


「学校よりも信君の方が大事だもん!」


もん!って…いつも俺を優先してくれるのはすごく嬉しいけど…。

雪姉ってこうって決めたら頑固だからなぁ。

どうにかお弁当を諦めさせられないかな。

いや、諦めさせるのは簡単なんだけど…。

あれやるのってすごく恥ずかしいんだよなぁ〜。


「ほら、信君早く行かないと遅刻しちゃうよ? 私は気にしなくて良いから。 ね?」


うぅ〜やるしかないか…。

俺のために遅刻させるわけにはいかないし。


「お、お姉ちゃん、僕…雪お姉ちゃんと一緒に学校行きたいな〜。 だめ?」

え〜と、確か下から上目遣いで縋る様に見るといいんだっけな。

って、なんでこんな事知ってんだ?


「し、信君! うん! 一緒に学校行こうね! あっ! で、でもお弁当…」


「だ〜め。今日は雪お姉ちゃんと一緒に学食で食べたいなぁ」


自分の猫撫で声って気持ち悪い。

こういうのって女の子がやるべきで男はやっちゃいけないと思う!


「信君♪ ねぇねぇそれってデートのお誘いかな? かな?」


「デートが学食って言うのもなんだけど、雪姉がデートって言うならデートかな」


「しんく〜ん♪ えへへ〜、信君とデート♪」


「じゃあ、早く学校行こう」


「うん! 早くしないと遅刻しちゃうね?」


すごく綺麗な笑顔で手をだされたら繋ぐしかないじゃないか。


「信君だ〜い好き!!」


「ちょ、い、いきなりどうしたの!?」


「信君は優しから大好きだよ!♪ もう絶対に離さないだから♪」


こんな不意打ちはズルイ!

顔が熱い。

きっと真っ赤になってんじゃないか?

なんかズルイ。

俺ばっかり赤面してる気がする。

なんか反撃できないかな?


「……ほら」


自分から腕を組むのって初めてだ。

急にやられたら恥ずかしいだろう。


「信君?」


「行くよ?」


「うん!♪ 今日は信君がエスコートしてくれるの? ありがとう!♪ 信君♪ 大好きだよ♪」


墓穴掘った!?

くっ!

恥ずかしがるそぶりも無い!?

って言うか大喜びしてる。

これはこれでいいけど…。


「じゃあ行こう? これ以上は本当に遅刻しちゃうよ」


「そ、そうだね」


うぅ入学2日目にしてバカップル認定されそう…。

今さら? 今さらかもなぁ〜。





はぁ〜視線が痛い。

嫉妬と妬みと恨みと音叉の視線が痛すぎる。

呪詛でも聞こえてきそうだ。


「おのれ〜あいつ〜! 危険なのは夜道だけだと思うなよ!」


「俺らの雪さんを〜!! 目に物見せてくれる!」


実際聞こえてきたし…。

って言うかお前らの雪姉じゃねぇ!


「信君? どうしたの?」


「へっ? あぁ何でもないよ」


って思ってる間に学校に着いたけど…

教室の男子の視線、視線、視線。

結局どこに行っても視線が痛いなぁ〜。

まぁ、俺が逆の立場だったら同じ視線を送るけどね。

朝から身内っていうのも抜きにしても可愛い女の子と腕を組んで登校したらねぇ〜。

でも、実際に受ける方は結構つらいなぁ。


「おはよう〜信」


ん?


「あれ!? 夏樹!? どうしたの?」


「どうしたって…クラスメイトだろ? って気がついてなかったのか?」


「ご、ごめん!」


「まぁ相変わらず雪さんに振り回されて周りを見る余裕ないんだろ。しょうがないっちゃしょうがないか」


「あ、あはは…」


「ま、小中とずっと一緒なわけだしこれからもよろしくな」


「うん! よろしく夏樹」


幼馴染がクラスにいるってだけで結構心強いかも。

しかも、夏樹は結構確りしてるから頼りになるしね。

でも、同じ高校に入学してたんだ…。

周りが見えなさ過ぎてる?




やっと2時間目も終了したか〜。

朝からずっと針のむしろだよ。

休み時間のたびに雪姉が来るから一向に視線が緩まない。

むしろ強くなってる?


「どうしたの信君?」


今みたいにぴったり背中に張り付いてる様を見せられれば視線が強くなるか…。


「雪が迷惑なんじゃない? 信? 言うときはちゃんと言わないとダメよ?」


「む〜! 迷惑じゃないもん! ね? 信君」


「どうだか」


「まぁまぁ雪姉も桜さんも落ち着いて」


「信君がいうなら」


「相変わらずですね雪さん」


「あれ〜夏樹君? おはよ〜」


「おはようございます」


「信、誰?」


「あ! そっか、桜さんは初めてだっけ。えっと俺の幼馴染です」


「夏樹です。よろしくお願いします」


「初めまして。桜よ。雪の親友兼ストッパー係よ」


「桜も暴走するくせに」


「何か言った?」


「別に〜」


「まあいいわ。それにしても………」


ん?

どうしたんだ夏樹をじっと見詰めて?


「……合格ね。あとは性格かしら」


ん?

小声でよく聞こえなかった。


「??? あの〜どうかしました?」


夏樹も聞こえなかったみたい。

何を言ったんだろう?


「水臭いぞ〜雪。こんな可愛い子隠してるなんて」


「ふぇ? 別に隠してたわけじゃないよ〜」


「たまたま会う機会がなかっただけですよ」


「ふ〜ん。まぁいいわ。雪、そろそろ教室に戻るわよ」


あっもうそんな時間か。



「頑張ってきてね桜」


「あんたも行くのよ!」


「嫌! 信君と一緒に居る!」


「雪姉、く、苦しい。腕、力緩めて」


「……1時間目の休み時間も同じ事があったような」


「気にしたら負けよ夏樹。ほら! 雪いくよ!」


「いや! 50分も離れるなんて耐えられないもん!」


「雪…あんたねぇ〜。はぁ〜信から戻るように言って」


「俺がですか?」


「信からなら雪さんも動くよ」


「そうかな?」


「確実に絶対に100%いや200%動くわね」


「すごい自信…え〜と雪姉、授業始まるよ?」


「うん。ここで受けるから大丈夫」


「だめだよ。自分のクラスで受けないと」


「だめ?」


「雪姉が怒られるの嫌だな」


「信くん…うん。分かった」


「素であのセリフを言えるのがすごいわ」


「まぁ信ですし」


桜さんも夏樹も俺のことバカにしてる?


「じゃあまた来るね」


「頑張ってね雪姉。あと桜さんも」


「とってつけた感じね。二人とも寝ちゃだめよ」


「あはは。大丈夫です。ばれないように寝ますから」


「あらら。まったく夏樹って以外にお茶目さんみたいね。またね」


ふぅ〜次は50分後か。

これだとどっちが休み時間か分からないな。


「大変みたいだね、信”君”?」


「くっ! 他人事だと思って」


「そんなことないよ?」


夏樹め、絶対に俺で楽しんでやがる!

立場が逆転したとき覚えてろよ。






「信君、信君、信君! お昼だよ! 学食だよ♪ デートだよ!♪」


「こら! 雪! まだ授業してるから!」


さりげなく桜さんもついて来てるってことは早めに授業が終わったんだよね?

……気にしてもしょうがないか。

お昼休みのチャイムと同時に来るって…早めに抜け出してないよね?



「あらあら。今日は授業初日だしここまでにしましょうか」


うわ〜、先生が楽しい玩具見つけたって目してる。


「起立…礼」


「今日は私も学食の気分だわ♪」


絶対俺たちを観察するつもりだ。

はぁ。

しょうがないか。

約束したし。


「じゃあ、学食行こうか」


「あれ? 雪っていつもお弁当じゃなかった? それにデートって?」


「今日はお弁当作れなくて…でもでも、そしたら信君が学食でデートしよって♪」


「信?」


「まぁ、多少違うけど大体はあってます」


「ふ〜ん。…でもそれじゃあだめね。甘いわよ信。こういったときは確りと罰を受けてもらはないと」


「どうしてよ桜!! 信君とのデートは邪魔させないよ!!」


「雪には罪悪感がないの? 貴方の可愛い可愛い信君にお弁当作ってあげられなかったのよ?」


「そ、それはあるけど…でも、せっかくのデート…」


「デートはしてもいいわよ。ただ少し罰ゲームを受けて貰うだけだから」


「や、やめませんか桜さん?」


「い・や・よ! 今日の雪のお昼はタバスコ入りカレーね!」


「えぇ!? む、無理だよ! 桜てば私が辛いの苦手なの知ってるでしょ!?」


「だから罰ゲームなんじゃない」


「で、でも〜」


「つべこべ言わずさっさと行くわよ!」


「さくら〜! 考え直して〜!!」





結局押し切られた。

タバスコ入りカレーを目の前にする雪姉。

まだ食べてもいないのにすでに涙目だ。


「うぅ〜。本当に食べないとだめ?」


「だめ。ほら、パクっといきなさいよ」


桜さんって結構Sだったんだね…。

すごい楽しそうな笑顔してるし。


「しんく〜ん、たすけて〜」


…今の雪姉、妙にいじめてオーラが出てるような?

なんとなく桜さんの気持ちが分かったような。

……うん。

ここは傍観に徹しよう。



「ごめん雪姉。俺じゃあ桜さんを止められないよ」


止めるつもりもないけどね。


「ふぇ〜ん。孤立無援だよ〜」


「ほらほら。さっさと食べなさいよ」


「うぅ〜」


「雪姉…ファイト」


顔の前までカレーを持ってきて躊躇う雪姉。

雪姉って相当辛い物が苦手だからなぁ。


「……信君」


「ん? 何?」


「お姉ちゃん頑張ったらご褒美ほしいな?」


「ご褒美?」


「だめ? ご褒美があったらお姉ちゃん頑張れるんだけど…」


うっ。

涙目でかわいい。


「雪ったら甘いわよ。罰ゲームにご褒美なんてあるわけないでしょ」


「うぅ〜おねがいだよ〜」


「桜さん、それぐらいは良いよ」


「だ 「本当!? 信君ありがとう! 大好きだよ」 めって…はぁ、しょうがないか〜」


「うん! じゃあ私頑張って食べるよ〜!」


今までの葛藤は何だったんだって言いたいほどあっさりとカレーを口にした雪姉だけど…


「ふぇ〜! か、からいよ〜!!」


やっぱり…

はぁ〜、水でも持ってきてあげるか。


「あれ? どこ行くの信?」


「水持ってこようかと」


「だめよ。食べ終わるまで水は禁止よ」


「おに〜! さくらのおに〜!!」


「じゃあ鬼は鬼らしく徹底的にしないとね」


「ああぁ〜!?」


あっ!

さらにタバスコ投入ですか。

あれは俺でもきついだろ。


「水は最後までお・あ・ず・け・よ」


「お、おに〜! さくらのおに〜! ドSあくま〜」


「何とでもどうぞ。それよりまだカレー残ってるよ?」


うわぁ〜桜さんめちゃくちゃ楽しそうだよ。

雪姉も雪姉でいじめてオーラが出てるし。

本人は出してるつもりもないと思うけど…。


「信君のご褒美。信君のご褒美。信君の…」


…が、がんばれ雪姉。

ご褒美は景気よくしてあげるから!


「か、からい〜」


「雪。はい! あ〜ん」


お、鬼だ!

鬼がいるよ。


「ふぇ〜ん。からいよ〜」


さ、さすがに可哀想になってきた。





「まだ口がヒリヒリするよ〜」


「水飲む? がんばったね雪姉」


なんとかカレーを食べ終えた瞬間、水道に走っていった雪姉。

戻ってきたと思ったらめちゃくちゃ甘えん坊になってるし。

おまけに5時間目の授業サボる事になっちゃたし…。

まだ2日目なのに。

でも、サボりなのかな?

先生に雪姉が大変なことになっているのでって言ったら出席扱いで見送られた…。

しかも、屋上が良いぞ!…なんてアドバイスまで貰ったし。

いったい雪姉は何をしたんだ?


「ふぇ〜ん。しんく〜ん」


「あ〜、よしよし」


屋上で胡坐かいて座ってる俺の上に雪姉が座って胸に顔を埋めてる。

ここまで甘えるのは珍しいがご褒美だしまぁいいだろう。

俺も役得な気がするし。


「しんくん…ごほうび」


「………」


あれ?

これがご褒美じゃなかったの?

この甘えモードはご褒美とは別なんだ…。

まぁ奮発するって言った…思ったし、別にいいかな?


「やくそくしたよ?」


「何がいいの?」


「何でもいいの?」


「あんまり高くなくて俺にできることなら」


「本当に?」


「? 本当だよ」

雪姉は俺に何をさせるつもりなんだ?



「じゃあ、ぎゅう〜ってしてちゅ〜ってして」


「牛? 注〜?」


「うん! 強くぎゅ〜って抱きしめてもらいながらキスして欲しいなぁ」


「…へっ? だ、だき!? き、キス!?」


「うん! 信君にキスして欲しいな。そしたら口のヒリヒリも治るんだけどなぁ〜」


「む、むむむむ無理無理無理! 絶対無理〜!」


「だめなの? あんなに頑張ったのに?」


「うっ」


「やくそく…したのに…」


そ、そんな泣きそうな声で言われても…

でも、確かにあんなに頑張ったんだし…ってそれでもキスは…。

でもでも雪姉からしてっていってるし俺は別に初めてが雪姉でも…ってダメダメ!

何考えてんだ俺! でも…。


「…うぅん。やっぱり違うのでいいよ」


…あぁ! もう! くそ!

”ちゅっ”


「!………えっ? えっ!? し、しんくん!?」


「じ、自分から言い出したんだから文句いうなよな」

うわ! うわ! うわ〜!!

やっちゃた! しちゃったよ!

は、恥ずかしい! 雪姉の顔が見れない!


「…ふぇ…キス…されちゃった…」


「ゆ、雪姉がしてって言った「ファーストキス…」……はっ? ふぁ、ファーストキス? は、はじめてのきす?」


「うん…わぁ! わぁ〜!! し、信君とキスしちゃった!♪ ファーストキス!♪ 信君からのファーストキス♪♪ にゃふ〜♪♪ 信君♪ 信君♪♪ しんく〜ん♪♪」


ふぁ、ふぁーすときす…雪姉の初めての相手が俺?………〜〜〜やばいやばいやばい!

はははははずかし! どどどどどうする! せせせせきにん!? どどどうやて!?

うわ! うわ!! うわ〜!!


「信君と初キス!♪ ん〜〜〜♪ 嬉しすぎるよ〜♪♪ もう今日は最高の日だよ♪♪ にゃふ〜♪♪ 私の初めてをあげて〜信君の初めて貰っちゃった〜♪♪」


「その言い方やめて〜違う風に聞こえるから〜! っていうかなんで俺が初めてって知ってるんだよ!? って、顔! 顔が胸に埋まってるから!!」


「だってお姉ちゃんだもん♪ 信君のことは何でも知ってるよ♪ 実は信君は〜寝てるときに抱き癖があることとか」


「!!!」


「えへヘ〜♪ 毎日信君の温もりを感じながら眠るの気持ち良いんだよ〜♪」

ななな!? そそそそんなこと初めて知ったぞ!?


「えへへ〜♪ 信君♪ だ〜い好き♪♪」

信が徐々に洗脳されてます。

そして、桜にフラグ?

回収するか分かりませんよ?(えっ!?

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