元祖!コンプレックス♪ 発掘されたプロローグ
データクラッシュしたさいの破片データを発見したからさらしてみる。
コンプレックス♪の元になった話です。
「あんたって本当にブラコンよね〜」
「え? 私?」
「そう! 美菜莉よ! あんたブラコンにもほどがあるわよ」
「やだな〜。私ブラコンじゃないよ〜?」
「嘘言うな。まったく…自覚無しじゃない」
呆れた様にいってくる親友の香奈。
長い付き合いだけど、どうやら勘違いしているようだ。
私は決してブラコンじゃない。
だって私は……私は…
「私はブラコンじゃなくて唯命なんだよ」
「だ・か・ら! それがブラコンなのよ!」
「私と唯は血の繋がらない兄弟だから結婚できるもん!」
「そういう問題じゃな〜い!」
季節は春。
海守学園に新入生が入ってくる。
私はこのときこの瞬間を一年間も待ち続けていた。
だって、だって…
「入学おめでと〜!!!唯君!!!」
私の大事な、大事な、大事な唯君がこの学校に入ってくるから。
「ありがとう美菜姉」
真新しい制服に身を包み、気恥ずかしそうにしている唯が可愛くて可愛くてつい抱きしめてしまう。
「美菜姉、ちょ、ちょっと恥ずかしいよ…」
「あ、ご、ごめんね? でも、唯君とこれから一緒だと思ったら嬉しくて」
「…僕も嬉しいよ!」
「唯君! もうどうしてそんなに可愛いのよ〜!!!」
「わっ!」
照れて赤い顔を隠すために下をむく唯。
その様子がいじらしくてついつい抱きしめてしまう。
「ハァ〜…またやってるし…」
後ろから声がしたと思ったら親友の香奈がいた。
確り者で姉御肌の香奈は人気があり上級生からも可愛がられている。
本名は鈴木 香奈。
どこにでもいそうな名前だ。
「あっ! お早うございます、香奈先輩」
「はいはい。おはよう。で、いつまで一年生の廊下で抱き合ってるの?」
「ずっと!」
「み、美菜姉〜…それはだめだよ〜。ちゃんと授業受けないと」
「大丈夫。唯君と一緒に受けるから」
「そっか。なら平気だね」
「うん。平気平気」
「…この姉にしてこの弟かぁ。ハァ〜…これから大変だ……」
「ムッ! 唯君の悪口は香奈でも許さないよ!」
この世で大事な大事な唯君を侮辱するのは誰であろうと許さない!
「ハァ〜。だ・か・ら! いつまで廊下で抱き合ってるの! ほら、みんな見てるんだからさっさと教室戻るよ!」
「あ〜!! いや〜! 放して〜! 唯君の所にいるの〜!!」
「はいはい」
「首根っこ持って引きずらないで〜。私はまだ唯君と居るの〜!」
私と唯君の仲を引き裂くなんて。
唯君が遠ざかっていく〜〜〜。
「ほら、恨めしそうな顔で何時までも見てない! まったく、さっさと教室戻るよ」
……留年しようかな?
「あんた留年しようとか考えてない?」
「そ、そんなことあるよ?」
……しまった! 焦ってつい本音が! というか、いつまで私を引きずって歩くのかな? 階段も引きずられると痛いんですが…。
「だ・め・よ! そんなこと。唯君にも迷惑かかるわよ」
「そんなことないもん!」
香奈の目が光った…ちょっと怖いよ〜。
「ふ〜ん。なら、もし留年したとしたらクラスは?」
「唯君と一緒!」
「席は?」
「隣だよ!」
「席の間隔は空けるよね?」
「え? なんで? 空けないよ〜」
「…休み時間は?」
あれ? 香奈の表情が段々険しくなってる?
「唯君と過ごすよ」
「……お昼は?」
「唯君と一緒に私の手作りお弁当食べるの!」
「………ほ、放課後は?」
眉間に皺寄せてる…頭痛いのかな?
「一緒に帰るよ? 当然だよ!」
「あんた…ぜっっっったい留年禁止!!!」
「なっ! 横暴だよ!」
「横暴じゃない! あんたが留年したら唯君…いえ、主に周りが迷惑よ!」
「ひど〜い。 絶対留年するもん!」
”ぼそっ”
「唯君が悲しむよ?」
小声で呟いてたけど唯君絡みの話題は聞き逃す筈がない。その私の耳が”唯が悲しむ”と聞いた。それは絶対に絶対にしてはいけない事。ならば私のする事は一つ…。
「唯君が悲しむなら留年しないもん」
「………相変わらずね、あんた。私が思っているよりずっと重症だわ」
「病気じゃないもん。唯君が私の生きがいなだけだもん」
あっ! 今小さく溜息吐いた。ひどいよ、質問してきたのそっちなのに。
「先が思いやられるわ………」
それ私のセリフだもん!
~~設定~~
名前:琴坂 唯
年齢:16才
身長/体重:156cm/42kg
外見:短髪、痩せ型、可愛い
性格:押しに弱い、自分より他人を優先、人を見る目はある、溜め込む、
隠しているが甘えたがり
呼び方:みな姉、光、ほのかさ
名前:瀬野 美菜莉 (せの みなり)
年齢:17才
身長/体重:165cm/44kg
外見:腰まである長髪、可愛い系の容姿、
性格:おっとり、弟命、天然、
呼び方:鈴唯、久野くん、芳月さん
その他:鈴唯ダー(弟レイダー)を持つ
データ飛ぶと書く気って無くなりますよね?
そんな感じで書かなくなって、新しく書き出したのがコンプレックス♪だったりする。