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4日目~後編~

楽しみにしていただいた方、長々とお待たせしてしまい申し訳ないです。

「今日は私お泊りしたいと思うのよ」


「桜さん? いったいどうしたんですか?」


あまりにも突然で一瞬何を言われたか分からなかった。


「そうだよ。信君と私の愛の巣にお邪魔虫はいらないんだよ!」


愛の巣ってどういうことですか!?

一緒の布団で寝てたりするけど俺はまだ清い体のはずだ。


「いいじゃない。お泊りセットは持ってきてるわよ」


「そういう問題じゃないもん! 私と信君の2人きりの時間を邪魔しないでよ!」


「はいはい。あっ! 私の部屋は雪と一緒でいいからね?」


「……僕はそろそろ帰りますね」


「夏樹、ここで逃げるのは卑怯じゃないか?」


「背に腹は変えられないからね」


「……病人を残していくのか?」


「ここで残って観察するのも良いけど、巻き込まれて大変な目にあいそうだからね」


夏樹の奴2人が暴走することを予見してやがる!

ここで帰すとストッパー(生贄)がいなくなる!

なんとしても泊まらせないと!!


「なつ……き?」


いない?


「おじゃましました〜」


「な、なつき〜〜!?」


何時の間に帰ったの?

本当に帰ったの?

二階の俺の部屋からどうやって玄関まで?


「むぅ〜……今日だけなんだからね」


「ありがとね、雪」


「あれ〜? 信君、夏樹君は帰ったの?」


「あれ? 本当だ。いつのまに帰ったのね」


「…ぇぇ、あっというまに帰っていきましたよ」


こういう時だけ行動が速いとか卑怯だ。

熱が下がったとはいえ病み上がりの体力でこの2人の暴走を止めるのか。

無理だろ。


「大丈夫だよ信君。お姉ちゃんがついてるから!」


「ゆきねぇ〜」


「ほら、横になってて。お夕飯は食べられる?」


「うん。食べられるよ」


「待っててね♪ すぐに作ってくるからね♪ 桜も行くよ」


「そうね。信、雪と私の料理で元気いっぱいにしてあげるからね」


これはもしかして杞憂だった?

そ、そうだよね。

いくらなんでも病人の俺を相手に暴走なんてするわけないか。

さすが雪姉!

惚れ直し…たんじゃなくて見直した!





なんて思ってた俺が間違いだったよ。


「信君あ〜ん♪」


「信あ〜ん」


2人から同時にご飯を出されても困る。

いや、雪姉…ご飯を置いて鯖の味噌煮にしても変わりません。

両方ご飯なのが問題だったんじゃないから。


「お味噌汁だった?」


「種類の問題じゃないって……口に出してた?」


「表情で分かるよ〜」


それなら”あ〜ん”を渋ってるのも分かって欲しいのだけど?


「あ! そっか〜。お味噌汁はあ〜んってできないもんね」


「そこなの!?」


「でも、口移しは恥ずかしいよ〜」


「人の話を聞いて!?」


雪姉ってば俺が病み上がりなの忘れてないか?

桜さんがいるせいで余計に対抗意識燃やしてるし。


「雪。さっきはあんたが食べさせたんだから次は私の番でしょ!」


「違うもん! 信君のお世話をして良いのは私だけだもん!」


「俺は自分で食べられんだけどなぁ……」


「うん! 信君はしっかりしてるもんね♪ でもでも〜まだ無理すると熱がぶり返しちゃうかもしれないから今日はお姉ちゃんに全部任せてね♪ ご飯もお風呂も添い寝も結婚も全部してあげるからね♪」


「最後の3つはダメだよ!?」


「そうよ! 私にやらせなさい!」


「桜さんでもだめだからね!?」


食事ってこんなに疲れるものだったけ?

おかしいな箸さえ持たせてもらってないはずなのに……。


「はい。信君あ〜ん」


「あ〜ん」


精神疲労って肉体にもくるんだよな〜。

今日は休めそうにないかも。


「くっ。雪ってばあんな自然に餌付けしてるなんて!」


あ〜なんか桜さんが言ってるが大した事じゃないだろう。


「ふっふ〜ん。見た桜? これが私と桜の差よ!」


「ま、まだよ! 信! 野菜も食べないとダメよ。はい。あ〜ん」


雪姉も桜さんを焚き付けないで欲しいなぁ〜。


「え、えっと……あ、あ〜ん」


「なんで私のときは躊躇うのよ!」


「それが私と桜の差なんだよ〜」


「私より雪の方がいいって言うのね!」


「私と信君は相思相愛を超えて一心同体なんだよ♪」


「運命共同体って意味でならあってるかも……。なにせ雪姉が居ないと俺は生きていける自信がないし」


家事とかの意味で。


「し、信君♪♪」


「ちょ、ここでそれを言う!? 私も居るのに2人の世界とか最悪よ!」


「信君、信君信君。信く〜ん♪」


「わっわ! ちょ、雪姉抱きつかないで! 味噌汁こぼすから!」


「私スルーされた!? しかも抱きつくの拒否する理由って味噌汁だけなの!?」


「えへへ〜信君好き〜。大好き〜。結婚しよ〜」


「ちょ、雪姉! 桜さん居る! 桜さん居るから落ち着いて!」


「こんなときに思い出されて嬉しくないわよ!! うぅ〜私も2人の世界が作ってみたいぃ〜」




ふぅ〜やっと食事が終わった。

いつもの2倍の時間がかかるってどういうことだよ。

はぁ〜疲れた…。


「信く〜ん、お風呂沸けたけど入る?」


「そうだね。お風呂入ってすぐ寝れば大丈夫かな」


「うん。分かった。じゃあ先に桜入れちゃうね?」


「うん」


「というわけで、桜入っていいよ」


あれ? 桜さんと一緒に入らないんだ。

それだと1〜2時間は後になりそうだな。

女性のお風呂って長いし。


「そう。雪は?」


「私は信君と入るから」


そっか。信と入るのか。


「ふ〜ん。分かったわ」


……あれ?


「……ん? 信と入る?」


「うん。私は信君と入るよ」


「ゆ、雪姉!?」


「雪!? 何言ってんのよ!」


「あれ? 変なこと言った?」


「もしかしていつも一緒に入ってるの!?」


「入ってないよ! いつも一緒に入ってるように言わないでよ!」


「あれ? 入らないの?」


「信! どういうことよ!」


「ちょっっまって! 知らない! いつも一人で入ってるよ!」


「じゃあなんで雪はクビ傾げてるのよ!」


「ゆ、雪姉!?」


「うん? だってお風呂の中で倒れたら危ないよ? だから今日は一緒に入るんだよ」


「ちょ、ダメ! ダメだよ!」


「そうよ! 信の言うとおりダメよ! 信は私と入るんだから!」


「さ、桜さん!?」


「桜、ダメだよ? わがまま言うと信君困っちゃうよ?」


「雪姉も言ってるからね!?」


「むぅ〜。信君こんな時ぐらい一緒に入っちゃだめ?」


「雪! 私が一緒に入るわ!」


「桜は黙ってて! 信君。お姉ちゃんは風邪なのに甘えてくれないから甘えて欲しかったり、桜が居るせいでいつもより甘えられなくて寂しかったりしてるわけで、純粋にお風呂で倒れないか心配だから一緒に入るんだよ」


「今の動機ってほとんど不純だよね!? はぁ〜2人とも一緒に入ってきてください。このままじゃ時間の無駄なんで」


「信君……だめ?」


「はぁ、そうね。雪、入るわよ」


「ふぇ〜。は〜ぃ」


はぁ、やっと入ってた。

つ、疲れた。

ああいうのはせめて桜さんが居ない時にして欲しいよなぁ。

それだったら俺だって……って入らないよ!

うん! 入らないから!

はぁ〜もう少しのんびりしたいなぁ。




「さて、そろそろ寝ようと思うのだけど私どこで寝ればいいかしら?」


お風呂上りの桜さん。

名前の様に桜色に火照った感じが色っぽい。


「桜は私の部屋使っていいよ~」


それに負けず劣らず可愛い雪姉。

いつも見てるはずだけど一向に慣れないのは雪姉が可愛いのがいけないと思う。


「ふ~ん。で、雪は信と一緒ってわけ?」


「うん。そうだよ~」


まぁ、雪姉はいつもだしね。


「ずるい」


「ふぇ? でもでも~信君のお布団に3人は狭いよ~」


「でもずるい」


はぁ。言うと思ってたけどね。

なんか2人も3人も変わんない気がしてきた。


「雪姉。良いんじゃない。一緒でも」


「信君?」


「それより早く寝よ?」


えぇ、このときの俺はすごく浅はかでした。

どうしてかって?

それは……


「ね、眠れない」


左には腕を抱きしめながら寝る雪姉。

柔らかくて温かくていい匂いで落ち着くのにドキドキするいつもの慣れたようで慣れない感じ。

寝息が首筋に当たるのもむず痒くてくすぐったい。

これだけならいつものように理性と戦って戦いつかれて眠るのだが……。

今日は右側がある。いや居る。

雪姉に対抗するように右腕を抱えて眠る桜さん。

雪姉とは違った柔らかさに温かさ。

ほのかに香る匂いも俺の理性をガリガリ削り取る。

そして時折絡む足とか、えぇ、俺の心拍数はもう異常を通り越してる。

女の子が一人増えただけ?

あぁ俺はなんてバカだったのか。

1+1なんて戦力じゃない!

掛け算だったんだよ!

え? 1×1=1?

バカ野郎!

桜さんの戦力は1万だ!

そして雪姉は100万だ!

それをかけたら分かるだろ!

え? 雪姉の方が強い?

…気のせいだよ?

うぅ、ドキドキして眠れないよ。

早く風邪薬の効果で眠くならないものか。

……もう少し理性が弱ければ楽だったのかな。

………想像したら雪姉と結婚してる想像しかできなかったぞ。

責任云々に発展してないだけマシだよね。

うん、きっとそうだよ。

はぁ、早く眠気が訪れますように。



~~雪視点~~

今日は信君が風邪をひいちゃった。

私の体調管理が確りできてなかった所為だよね。

反省しないと。

でも、昔のプロポーズのこと思い出してくれたのは嬉しかったな。

少し恥ずかしかったけど。

夏樹君と桜が来たのは予想外だったよ。

うぅ~せっかくの2人きりで一日過ごせると思ったのにぃ。

少し……すごく残念だよ~。

でも、お見舞いに来てくれるのは良いんだよ。

信君も嬉しそうだったし。

そ、それに信君が夢に見るほど私を思ってくれてるのも分かったし。

そのあとはぎゅって抱きしめてもらっちゃったし。

えへへ、温かかったなぁ~。

それは良かったんだけど…桜が泊まったのは良くないよ~。

せっかく信君にはたっぷり甘えてもらおうと思ってたのに~。

タオルで背中を拭いてあげたりご飯を食べさせてあげたりお風呂入れたあげたり色々してあげたかったのに。

予定が全部狂っちゃった。

きっと桜は風邪で疲れてるから私の事を抑えようなんて考えてたんじゃないかな?

桜も暴走するのに……。

うぅ…今日はいっぱい信君に迷惑かけちゃったかな?

嫌われてないかな?

明日は今日の失敗を全部取り戻すようにがんばろ。

そうと決まれば今日は早く寝よう。

大好きだよ。

私も大好きになってもらえるように頑張るからね。

おやすみ信君。

今日も信君はあったかいなぁ。

気がつけばPV5万、ユニーク2千……吃驚と嬉しさで飛び上がりました。

読者の皆様方本当にありがとうございます。


しかし皆様に一言…雪姉は私のです!(←頭の悪い作者の妄言はスルーでお願いします)

雪姉可愛いですよね!

…えっ? 今回の桜の扱いがひどい?

ではでは、ここでネタバレを一つ…それもこれも全ては伏線です!

コンプレックス♪が完結した後、桜外伝or桜編で今までの桜の気持ち等も載せていくので今しばらく桜は放置しといてください。


雪編は男視点の妄想120%の作品なら、桜は女視点の妄想作品に仕上げる予定です。

ですので、雪で砂糖を吐きながら桜を待っていて下さると作者は泣いて喜びます。



長々と失礼しましたが、これからも細々と頑張っていきますので温かい目で見守ってください。

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