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Unique・Union〜トップランカーなのに奴隷をやっています〜  作者: 三笠 どら
第4章 『Abyss Ohm in luce』

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49/51

4-2 オム side

 

 ☆


 今日は待ちに待ったアップデートの日だ。ゲームリリースから1年半が経った今回のアップデートでは2エリアが拡張されるという。そして新要素、環境無効装備が実装される。目的としては今回増設される火山エリアの次の溶岩エリアで溶岩の中でも活動出来るようにとの話だが、副産物として水の中にも入ることができるということで話題になっていた。


「まずは火山エリアだな。」


 ログイン後、ハイドスキルをかけ火山エリアへと向かう。火山エリアに入ると我先にと飛び出していくパーティーがちらほら。邪魔をしては行けないので今回も自然と奥へ進んでいくのだが、このエリアはどうやら火口に向かって上がっていく仕様のようだ。


「脇道があればいいけど。」


 前に見えている道は列をなすように各パーティが戦闘中。こんなところ通っていては私みたいな存在は邪魔にしかならないだろうと横道に逸れる。と、ここでバチッとハイドが切れる。


『ギャオーーーー!』


 空からハゲタカが私を威嚇する。モブモンスターにハイド破られるなんていつぶりだろうか。いやそんなことは言っていられない。戦闘開始だ。


「うわぁ!あんたいつからそこに!?」


「え!?ずっといました!!!ごめんなさい!!」


『スパッ』、『ザクッ』、『バーン!』


「邪魔してすみません!失礼しました!!」


 手裏剣、小太刀、炎魔法でモブモンスターを瞬殺し、謝りながらハイドをかけ直しその場を立ち去る。よっぽど集中していたんだな。横を通っていた私にも気付かないほどに。

 それにしてもモブモンスターにハイドを破られるとは困った。このままでは私は他のパーティーの邪魔をしてしまうので今日は引き上げることに。


「なあ、今のって。」


「やっぱそうかな。」


「手裏剣、小太刀、火遁・・・。」


「消えたしね。」


 知らないところでオムの使う魔法は忍者の術に例えられるようになっていたのであった。



 ☆


「おつ〜。」


「ナツさんおはよー。」


「お疲れ様です。」


「ナツくんおっそーい!」


 ログインとともにギルドメンバー大勢から声をかけられるナツさん。


「アプデどう?」


「なかなかにハードらしいですよ。」


「そうなの?」


「えぇ。情報収集をしてきましたが、モンスター単体での強さもさることながらハイドが通らないとかで職人勢は火山エリアにはまだ入れないようです。」


 え、そんな強かったかな。とブックさんの考察を聴きながら疑問を抱く。


「じゃあ俺もそろそろ入るか~雪山。」


「そうですか。ではお供しましょうかね。」


「ゆりちゃん、カミ今どの辺?」


「昨日フィールドボス見つけてたよ。」


「じゃあ俺も今日追いつくわ。」


「それはなかなか。こちらも相当ハードのようですね。」


 おカミさんの進捗を聞いてやる気を出すナツさんと楽しそうなブックさん。ナツさん暇なら麻雀しようと思ったんだけど、それなら私はどうしようかな。と思ったところでデニムさんから通話が入る。


『ねぇねぇ。火山エリア行った?』


『行ったよ。』


『ハイドどうだった?』


『入口で解けましたね。』


『オムさんでそれなら私はもっと無理かなー。』


『暇なら私とハイドスキル上げしません?』


『あ、ぜひ!』


 こうして本日の行動が決まる。そして現在流氷エリア。


「まだまだ多いね人。」


「そうだね。ちょっと戦闘中のとこは避けながら行きましょう。」


 そしてハイドスキルをかけるのだが、突然横にいるデニムさんから通話が来る。


『え!?オムさんどこいった!?』


『横にいるけど?』


『は!?!?』


 この後パーティを組んでようやく私の位置を視認したデニムさん。


「え?ハイドスキルって消えるの?」


「消えてないと思うんだけどなぁ。」


 ☆


 そしてアップデートから3日経った日のこと。


「オムさん。流氷エリアの素材で黒い長剣ない?」


「黒い長剣かー。見てみないと分からないけど。なんで?」


「ちょっとそろそろこいつが限界。」


 ナツさんは見た目重視だ。戦闘力は劣るがかっこいい装備しか持たないと言い切る。そして、今使っているのは岩山エリア素材で作る地属性の黒い長剣と雪山エリア素材で作る氷属性の白い長剣。


「雪山エリアならナツさんならいけそうだけどね?」


「いや、流氷エリア行く。」


「えっ?」


 この人3日で雪山エリア越えたのか!?すごい速さだな。いやでも単に攻略に乗り気じゃないだけでレベリング自体はやってるし、スキルもちゃんと上げてるしあとプレイヤースキル高いからな。スイッチ入ればだけど。ありえるのか。


「今片手剣スキルか長剣専用スキルの最大どこ?」


「片手剣が『ディープ ラセレーション』コスト7で長剣が『アイアン ブレイカー』コスト5。」


 もう『ディープ ラセレーション』まで取ってるのか。さすがに専門職とあって私よりも上だな。てかそれなら火山装備までいけるけどな。

 ちなみに、片手剣スキルが単に上なだけで栞ほど多種多様なスキルは取っておらず、さらには製造にも手を出していない片手剣専門職のナツと競えるところにいる栞のスキルツリーが異常であることは運営しか知らぬところである。


「火山エリアの長剣作る?黒くないけど強いよ?」


「デニムさんに言ったら素材とれないって言われた。」


「私、もう持ってるよ?」


「まじで?すごいね。ちなみにどれが作れるの?」


「この辺なんだけど。」


 素材を掘れるようになったのは昨日の夜中。結局ハイドスキルの練度を上げるより上位スキルを取った方が早いということで雪山エリア〜流氷エリアでレベリングを行い、獲得したスキルポイントの全てをハイドスキルに費やすということを繰り返し行った結果、火山中腹まではモブモンスターには察知されずに進むことができた。

 こうして、必死の思いで拾ってきた素材を、もはやなんの疑問も抱かずナツの長剣を作る方に費やす栞であった。



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