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Unique・Union〜トップランカーなのに奴隷をやっています〜  作者: 三笠 どら
第3章 『luce』

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41/51

3-9 オム side

 

 ☆


 今日は右に左に山に谷に奔走する日となった。きっかけは当然ナツさんだ。最近はこの人に振り回されることも慣れてきた。もちろん自分の時間は自分に使うし、レベリングなども辞めていないが、人と一緒にプレイする時間が増えている。それに、誘ってもらえるのはありがたいことだ。


「ハウスをデカくしたい。この週末で俺は2ランクアップを目指す。」


 この言葉がきっかけで、現在11人のルーチェメンバーの内7人が各地に派遣されている。

 ユニオンランクをアップさせるための納品クエストに抜擢された工房チームは私とブックさん、デニムさんだ。ナツさんとパマさんチーム、おカミさんとゆりさんチームに分かれてランクアップクエストをこなしている。

 ちなみにパマさんとは『ソバージュ くるくる』さん。パーマだと長いとパマさんと名付けられている。

 そして、ランクアップクエストとはいわゆるおつかいクエストだ。困っているNPCを見つけ、そのお手伝いをして名声を得ようというクエストである。


「数でいくかポイント数でいくかどうする?」


「どちらが効率がいいんでしょうね。」


 これは、簡単なものを大量に納品するパターンか、1つ何ポイントのように決まったポイントの品を納品するパターン。ちなみにポイントが高くなればなるほど要求素材が難しくなる。


「デニムさんってエリアどこまでいけますか?」


「岩山までかな。」


「じゃあ私は滝と雪山行ってきますね。」


「え?オムさんそんな危険地帯までいけるの?」


 あ、やば。今現在最前線は雪山エリアだ。ちなみに、女王蜂の森エリアから密林、山、谷、岩山、滝、雪山の順番で難易度が上がっていく。


「オムさんは採取の為にハイドスキルが高いんですよね?」


「あ、そう!そうなんです!」


 ナイスフォローブックさん。私もハイドスキル上げないとな。とデニムさん。こうして各地で取れる素材から効率よくポイントを稼げるものを納品リストから選ぶ。


「じゃあひとまずこの辺集まったら再集合ってことでお願いします。」


 ☆


「すみません。」


「通りますね。」


 いつものごとくハイドスキルを使いパーティーの間を縫って歩く。滝エリアは今攻略勢の層がいちばん多いエリアだ。邪魔をしないように細心の注意を払いながら採取を続けていく。


「あ、あれは。」


 目の前に現れたのはレアダンジョン。素材の豊富さやレアドロップ確率の上昇。その分モンスターのレベルは少し上がる。


『あ、ブックさん?今大丈夫?』


『はい。なんでしょう。』


『ちょっと遅くなるかも。ダンジョン沸いたので。』


『わかりました。デニムさんには伝えておきますね。』


 ダンジョン内では通話やメールの確認ができない為このようにだれかと何かをしている時は予め連絡を入れる必要がある。

 そしてダンジョンへ向かうのだが。


「これは大ハズレ。」


 ダンジョンの中はうじゃうじゃとモンスターが湧いている。俗に言うモンスターハウスだ。今回はモンスター素材は必要ないのでスルーすることに決める。

 ハイドスキルをかけ直し、ぶつからないように注意しながらモンスターの間をすり抜けていき奥へ進む。

 ちなみにこのダンジョンは奥に進めば脱出ゲートがある仕組みだ。

 運良く気付かれずに最後の部屋へと到達。あとは報酬ボックスを開けて外に出るだけだ。


「あれ、これ。」


 報酬ボックスに手をかけた私は違和感を感じた。『バチッ』と音がしてハイドが解けたのだ。

 違和感の正体は擬態系モンスター。今回は宝箱に化けていたらしい。そして、そのあと迎える結末はというと、宝箱モンスターの雄叫び。


「うわ!ちょ!まって!!」


 背中側から押し寄せてくるモンスターの大群。それと同時に消えるゲート。エンカウント中は外に出れない仕組みなのもモンスターハウスがハズレと言われる要因だろう。

 この結果、約100体にも及ぶモンスターを1人で葬り去ることになり、疲弊した私はノルマをこなせずハウスに戻ることになったのである。


「オムさん工場長なんだから頑張らないと〜。」


 貢献点が工房組でいちばん低かった私はナツさんに弄られたおすのだった。

 ちなみに翌日の午後、私の苦労など露知らず2ランクアップを達成するルーチェである。



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