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Unique・Union〜トップランカーなのに奴隷をやっています〜  作者: 三笠 どら
第3章 『luce』

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3-8 オム side

 

 ☆


 流氷エリアのテレポートゲートからルーチェのハウスに戻った私は工房でアップデートで更新された諸々を確認している。


「え、さっきのシャチの素材使う装備とかあるの?」


 ユニークボスの素材を使う装備は今までに無かった。装備品の名前は『銀鯱の纏』《ぎんこのまとい》。


「あ、注意書きある。」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 この装備はユニーク装備です。

 1度作ると2度と制作することはできません。

 また、1度放棄すると2度と手に入りません。

 制作リストからも消失します。

 あなたにしか知られていない装備です。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 そりゃそうだよね。ユニークボスの素材だもんね。でもせっかくだし作ってみよう。

 工房には今はだれもいない。着るかどうかは作ってみてからだけど、唯一無二の装備だ。それに、この素材は他に使うところもないようなのでしまっておけば騒ぎにはならないだろう。

 こう考え制作へと移る。まず製図から行い、必要素材を確認。各素材を用意していく。


「何この素材。」


 制作の3段階目。ここを終えれば制作完了という所で始めてみる素材が出てくる。

『流氷の宝石』《りゅうひょうの宝石》という素材。


「絶対流氷エリアだよね。そういえば採掘はあまりなかったな。いってくるか。」


 こうして、途中で放置し素材を取りに行くこと1時間。なかなか出ないレアドロップ品だというのは予期していたが、本当に出なかった流氷の宝石をひとつ手に入れ、ハウスへと戻る。


 ☆


「流石はユニーク装備。レアドロップ品のオンパレードだ。」


 ユニーク素材、流氷の宝石の他にも流氷エリアで取れた素材の中でもレア度の高い素材ばかりを使うことになる。これはどこかのタイミングで素材採取に時間を使わないとなあ。と思っていると、工房のドアが開く。


「あ、戻ったんだ。」


「ナツさん。おはよう。どうかした?」


「いや、コーヒーのおかわり。作りかけでどっか行くの珍しいね。」


 しまった。そういえば作りかけで放置してしまったんだ。ナツさんは制作系は料理以外興味無いので内容は見ていないだろうがこれは大失敗だ。


「あ、うん。素材足りなくて。今はほかに誰かいる?」


「いや?俺だけ。みんなハウスにも来てないよ。」


「そ、そうなんだ。ナツさんは何してるの?」


「今日アプデだったから新家具見てた。そろそろまたランクアップ目指そうか。人も増えたし手狭だよね。」


「そ、そうだね。いいかもね。」


 そう言ってまた工房から消えていくナツさん。危なかった。気をつけないと。

 こうして完成した銀鯱の纏。黒と白を基調に銀色のファーがあしらわれたかっこいいデザインで、マントやローブに近い装い。


「え、なにそれかっこい。」


「あ、」


「え、かっこい。」


「・・・。」


 無言でずっとこっちを見てくるナツさん。


「いや、ちょっとこれは・・・。」


「・・・。」


 うわー。欲しいんだろうなー。好きそうだもんね。色もそうだしデザインもそうだし、何より普段着てる装備の上位互換だしね。


「あー、えーっと、」


「欲しい!!!!」


「ですよね。」


 説明、いや、説明したところでか。確かに自分では着ないし着る機会も無いだろう。マント型は私のスタイルとは合わないしな。


「お疲れ様です。」


「あ、ブックさんおつ。」


「ブックさんお疲れ様。」


「どうかなさいましたか?」


「あ!ナツさん!ちょっと!待ってて!!」


 ブックさんちょうどいい所にきてくれた!そしてことの次第を説明する。


『で、この装備が欲しいって言われてて、あげるのは最悪いいんだけど、どう説明したらいいか。』


『なるほど。要はなくさないように、ということですよね?』


『そうだね。』


『でしたらレアドロップ品のため特別に、とだけ伝えましょう。そして他の方に聞かれたら今は素材がない。と答えればよろしいかと思います。』


『え?』


 そういって通話を終了するブックさん。


「ナツさん、どうやらこの装備は相当なレアドロップ品のようですよ。」


「え?でも制作してたよ?」


「その中の素材が、ということらしいのです。」


「あーじゃあ貰っちゃったら悪いか。」


 あれ?意外と引いてくれるの?

 いや、しっかりこっちの様子を伺ってるな。欲しいんだな。


「あ、あげるのはいいんだけど、その、無くしちゃったりしたらもう作れないかもで。」


「絶対無くさない!!!!」


「あ、うん。じゃあ、はい。」


 そう言って装備を渡すと、すぐ装備するナツさん。黒基調は変わらずだが、いつもよりも少し派手になったかな?銀色のファーが上品さをプラスしているし、黒一色の装いよりも華やかだ。


「わあー!かっこいい!!ありがとうオムさん!!」


「どういたしまして。」


「みんなに見せてくるーーーー!!」


 そう言って工房を飛び出していく。


「よろしかったので?」


「まあ着ないより着てもらった方が。」


「では、私達も参りましょうか。」


「あ、うん。」


 ブックさんに促されメインルームへと向かうと、いつの間にかギルドメンバーさん達がログインしていた。


「見てー!かっこいいだろ????」


「え、なにそれ。」


「そんな装備あったっけ?」


「アプデ後のやつかな?しかしまあとても似合っていると思うよ。」


 その後、私に作ってもらったと言ったところから類似品を作ってくれと何人かにせがまれるのだが、


「あ、いや、ちょっと今は素材がなくて、あの、ごめんなさい。」


 この言葉でみんなサッと引いていった。さすがのブックさんである。



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