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Unique・Union〜トップランカーなのに奴隷をやっています〜  作者: 三笠 どら
第3章 『luce』

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39/51

3-7 オム side

 

 ☆


 時刻は17時。私は今か今かとヘッドギアをセットしベッドで待機していた。理由は、本日行われる大型アップデートを忘れていて、9時に起床したあと暇で仕方がなかったからだ。というのも、前日までに日課の買い物や掃除などは済ませてしまっており、いつも遅くても昼の12時にはログインしているのにも関わらず今日はそこから5時間も待機。ちなみにアップデートは定刻、予定通りに終了している。そして本日もユニユニの世界にログインする。


「まあ、まだ誰もいないよね。」


 アップデート後すぐ、ギルドハウスにはまだ誰もいない。今日は思う存分動きたい気分なのでこのままいつも通りソロでフィールドに繰り出す。行先は今日から実装の新エリア、流氷エリアだ。

 このゲームはスキルツリーの仕様なのかアップデート事に最新マップがごった返すようなことは無い。敵が強いからね。サーバーも細かく分けられていることもあるのだろう。それにいつもアップデートは昼や夕方に終わるため、パーティーメンバーが皆集まることは難しいのだろうと思う。


「さて、まずは素材採取からかな。どんな素材があるんだろう。」


 ☆


 本日実装された流氷エリアで素材集めを楽しんでいる。この流氷エリアでは文字通り流氷を飛び越えたり、立ち止まっているところが端っこだったりすると分かれて流されたりと気が抜けないエリアだ。

 さっきもどこかのパーティーが戦闘中に流されて霧の奥へ消えていった。流氷エリアは霧、吹雪、雹の天候がランダムで入れ代わり立ち代わりプレイヤーを襲う。ごく稀に快晴に出会えることがあるらしく、それはそれは絶景だとかなんとかって運営が発表していた。


「そろそろモンスターとも戦った方がいいかな。どれくらいの強さかわからないし。」


 例によりハイドスキルを使い採取を行っていた為戦闘はまだしていない。幸いにもこのマップのモンスターにも私のハイドスキルは通用するようで落ち着きながら新素材に目を輝かせて採取をしている。


「え、結構奥まで来てるじゃん。」


 戦闘を開始するにあたり、現在地をチェックすると思っていたより奥へ進んでいた。そんなに進んだかな。でもそれなら結構マッピングできてるはずだしな。


「あー、これ流されてるのか。」


 ぐにゃぐにゃと蛇のように道ができているエリアマップを見ながら通ってきた道を辿る。自分ではテレポートゲートから真っ直ぐ歩いてきたつもりだったのだが、先にいたパーティーを避けたりモンスターを避けたり、採取に夢中になっているうちに流された流氷の上を移動していたようだ。これは戻るのも一苦労しそうだ。そして、次の流氷に飛び乗る。


『ふさっ。』


 明らかに感触の違う流氷。今の感触は毛皮か何かだ。すると突然盛り上がる足場。


「うわぁ!何!?」


 慌てて元いた位置に飛び移る。振り返ると足場があった場所から水が流れ落ち、赤く光る点が2つとその少し上には赤い長方形のバー。これは間違いなくモンスターの目だし、HPバーだし、しっかり見られてるし。

 ハイドスキルが途切れる条件は接触、発声などなど認識できる行動を起こすと自動で切れる。


「踏んだし、叫んだよね。」


 そして目が合っているので当然こちらも相手を認識する。


『Silverhair Orca・Unique』《シルバーヘアー オルカ・ユニーク》


 ユニークボスを示すモンスター名がHPバーの上に表示される。


 ☆


 もう、どうしてこうなるんだ。確かに動き回りたいという意識はあったし、実際マップも確認せず動き回った結果思っているより奥に進んでしまっていた自覚もある。だけどユニークボスは聞いてない。


「『ソニックスイープ』!」


 足場に関係なく滑るように高速移動を可能にするスキルを使い回避する。このスキルの素晴らしいところは水の上も沈まずに移動することができる。ここ、流氷エリアはとにかく足場が悪い。

 さらにこのボスは水の中も氷の上も関係なく動き回るタイプのようだ。ヘタに動き回って他のプレイヤーを巻き込んでもまずいので自ずと奥へ奥へと進むしかない。すると、今度は流氷エリアのモブモンスターともエンカウントする。

 ユニークボスの最大の難点は安全エリアもなければモブモンスターも同時に攻めてくるところだ。こういう場合、パーティーだと即座にモブモンスターを受け持つ担当を決めるのだが、私はソロ。当然全て自分で受け持たないとダメだ。


「『ウェルバック』!!」


 こういう場合、対処方法は1つ。ボスモンスターがスキルモーションに入ったタイミングで挑発系スキルをモブモンスターに放つ、遠距離系のモブモンスターならそいつにわざと突っかけボスに背中を見せる。ボスモンスターの攻撃はモブモンスターに通るのだ。モブの処理はボスモンスターに任せるという力技である。

 こうして集めては一掃を繰り返し、ボスモンスターと1対1になるまでひたすらにがんばる。がんばる。


「よし、『天眼流・居合術 桜華』《あまめりゅう・いあいじゅつ おうか》!!」


 刀スキルを放つ。いつの間にかメイン武器が小太刀になった理由だが、小太刀は片手剣、刀スキルの長剣専用、大太刀専用スキル以外のスキルを使うことができる。なおかつ、小太刀専用スキルもあるのでバリエーションに富んだ攻撃を繰り出すことが利点である。その分火力は落ちるのが難点であるが、私の場合はこう。


「『トリプル・ダブル』!!!」


 上級補助魔法スキル『トリプル・ダブル』。攻撃、防御、敏捷を2倍にするスキルだ。スキル獲得に20ポイントも使うので、あまり知られておらず掲示板でも何度も議論が交わされているスキルである。


「『カッティングナイフ』!!!」


 これは貫通系投擲スキル。通常は投げナイフを使うのだが、『手裏剣』のスキルを12段階上げることにより手裏剣でも使用することができる仕様。ちなみにこれも忍者専任プレイをしている界隈でしか知られていない隠し情報である。


「あ、フカヒレ。」


 ん?シャチってフカヒレあるのかな。手裏剣が貫いたところがたまたまヒレ部分であった為、切り取られて海に沈んでいくシャチのヒレ。ここで素材がもったいないな。と思うあたりゲーム廃人である。

 ちなみに破損部位による素材消失などは無いのだが、本人はその仕様を知らない。

 部位欠損が起こったからか大きく減少するボスのHP。ここがチャンスとスキルを畳み掛ける。残りHPを見て余裕が生まれた私。


「"アレ"やってみるか。」


 投擲用に開けている片手に小太刀を装備。二刀小太刀という構成に。


「これで!決める!!」


 意を決し被ダメを覚悟に最後の連撃をお見舞いする。


「ナツさん流!!二刀連撃!!!」


 何度か通常攻撃で切り刻み、片手剣なぎ払いスキル『スウィングカット』を右手、小太刀切り降ろしスキル『招雷』、最後に片手剣大ダメージスキル『コアブレイク』をお見舞いする。


『ユニークボス・シルバーヘアー オルカが討伐されました!Congratulation!』


 高らかと鳴り響くユニークボス討伐のアナウンス。マップに慣れていないこともあり、時計を確認すると大いに時間がかかっていた。討伐は実に1時間半という稀に見る長期戦になった。


「二刀流、使えるかも。」


 そしてハイドスキルをかけ直し、マップを確認しながらテレポートゲートまで戻ることにした。



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