〜プロローグ③〜
☆
「何騒いでんの?」
「ナツ見てー!作ってもらったー!」
「え、いいじゃんそれ。そんなのあった?」
「なんか新装備らしいー!」
「へー。オムさんどこいった?」
「工房引っ込んでったー!ちょっと写真撮ってくるー!」
そういって去っていくカミを見送り工房へ入る。
「オムさん何してんの?」
「え、制作だけど?」
「さっきのさ、カミが着てたローブって魔法使い装備?」
「いやあれは全対象だよ。」
「ほーん。染色は?」
「できるよ。」
「じゃああれ特賞で、よろしく〜。」
そう伝え工房を後にした。
☆
「じゃああれ特賞で、よろしく〜。」
そう言い残し去っていったナツさんの背中を見送る。
このアクセはどうすれば。でもあれ言い出したら聞かないからな。とりあえず作りかけでやめたら素材もったいないしこれも景品にしといたらいいかな。
「うわ、素材さっきので使い切ってるの3つもあるわ・・・。」
景品ってイベントの後半だよね。じゃあ今から取りに行って作っても間に合うか。私パーティ出ないし籠って作ったらいいよね。もう急いでもスタートには間に合わないし諦めて素材取りに行こう。
「ナツさんまた素材掘ってくるね。」
「え?さっき行ってたじゃん。パーティは?」
「いつも通り裏方しとくから大丈夫だよ。とりあえずスタートには間に合わないからよろしくね。」
「はーい。」
さて、素材堀りに行こう。
☆
『ガキン!!』『バコン!!』『ドーーーン!!!』
改めて砂漠エリアについたらところかしこで戦闘が行われていた。そろそろゴールデンタイムに差し掛かるからサーバー内の人数が増えてきたのだろう。邪魔にならないように素材集めしないとな。
「とりあえずハイドかけてヘイト取らないようにしないと。」
他のプレイヤーの邪魔にならないように今できる最大限のハイドを自分にかける。私のメインジョブは忍者だ。素早さと隠密、攻撃の手数やスピードに特化した中衛型DPS(※アタッカー)だ。ちなみにこのゲームはジョブというシステムは無いものの、スキルツリーを育てることで自分の好きなようにキャラクターを育てることができる仕様になっている。
私はクラフト系も満遍なく取っている。理由はコミュ力がないので1人でなんでもできるようにとクラフト系も取っているのだが、当然攻略には戦闘力も必要なのでこれも1人だと限界がくるので上手く立ち回れるように魔法やタンク系のスキルも取っている。
こうして手広くしているとどうしてもスキルポイントが足りないのでできる限りの時間をレベル上げに費やしていたらワールドランキングに載ってしまったのだが、ナツさん達はそのことをおそらく知らない。知っているのはサブマスターのブックさんだけだ。と、思う。
「ちょっと失礼しますね。」
もし気付かれていたら注意を引いてしまうので一言断って戦闘中のパーティの横を通り過ぎる。
ちなみに実はハイドスキルが高すぎて横のパーティにも認識されていないのだがこれは本人も知らぬところである。
「ごめんなさい。」
「失礼します。」
「あ、ここ通ります。」
こうして必要な素材と今後いるであろう余剰分の素材をかき集めたところでメッセージが飛んでくる。
このゲームにはメッセージ機能と電話のように直接話して連絡を取れる機能や、メモなどに書き置きを残す機能など人との関わりあいにとても柔軟なゲームである。
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オムさん。
ご飯足りない。
From Nuts XIII
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「え!?嘘でしょ!?やばい!!!」
こうして矢継ぎ早にギルドハウスへ戻ることになる私である。




