2-9 ブック side
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また始まりましたね。普段から衝突は多い方ですが今日はこれで3回目ですか。おカミさんはナツさんがこだわりが強いとおっしゃいますが、おカミさんもだいぶこだわる方なんですがね。
「次はなんですか?」
「ナツが!!!」
「カミが!!!」
「はい、じゃあまずおカミさんから行きましょう。」
まとめるとこうですね。おカミさんはどうしてもこの家具が使いたい。これがいい。これがかわいい。私がここに座ると主張しておられます。
ナツさんは、ここだけアンマッチングすぎる。浮く。バランスが悪い。と反対しているという状況ですね。
「まあお気に入りの場所があるというのはいいものではないですか?」
私も家の自室の椅子はこだわって選んだものを使っています。もう20年以上になるでしょうか。定期的なメンテナンスに費用はかかりますが愛着もありますし、仕方がないです。
「そんなことしたら絶対他の人が座ったら怒るだろ。」
「5人しかいないんだからいいじゃん!」
「増えたらどうするんだよ。」
「それはその時考える!!」
ふむ。今回はおカミさんに軍配ですかね。あとは落とし所でしょうか。
「あ、あの、えっと、ねぇ!」
おっとまさかのオムさんですか。これは見ものですね。一体どのような提案をなさるのでしょう。
「あの、置く場所変えて椅子を増やすのはどうかな?」
「狭いのに?」
「あ、えっと、見た感じだとあそこのスペースにその椅子を置けば離れすぎてないし、会話もできるんじゃないかと思って、です。」
「置いてみる?」
「置いてみよう。」
ちなみに先がナツさんあとがおカミさんです。そして、模様替えの末丸く収まりました。素晴らしい提案でしたねオムさん。
さて、凝り性のお2人は時間を忘れていらっしゃるようですのでこの辺で一区切りにしましょう。
「さて、ナツさん。おカミさん。よろしいでしょうか。」
「ん?」
「お楽しみのところ大変申し訳ないのですが、お2人とも明日もありますのでこの辺で一旦やめ時かと思いますよ。」
「「もうこんな時間じゃん!!!!!」」
こうして慌ただしくお2人はログアウトされました。さて、次にですが。
「オムさんはお時間はもう少し大丈夫ですね?」
「あ、はい。あ、うん。」
「私には慣れるまでは自然に出る言葉で大丈夫ですよ。もちろん親しみを込めて砕けてくださるとより嬉しいですが。」
「あ、ありがとう。」
「ではせっかくですのでこのリビングでお話でもいかがでしょう。お茶をお入れしますのでお待ちください。私も少しハウスにワクワクしておりますので。」
今日はオムさんにとって転機といいますか、変動の1日であったように思います。少し気疲れもされているでしょうし落ち着いてお話できればいいですね。
「お待たせしました。」
「ありがとう。いただきます。」
ハーブティーを2人分、お茶請けにクッキーも用意しました。クッキーは既に持っていた分ですがね。
「ナツさんたちには慣れましたか?」
「思っていた通り嵐のような人達でした。」
「ハハハ。そうですね。毎日飽きないですよ特にナツさんは。」
「はあ。ついていけるか少し不安ですね。」
「無理強いはしない方なので嫌なことは嫌だと言えば大丈夫ですよ。ナツさんの場合はおカミさんは例外ですが。あとおカミさんは敵意を向けなければ無害です。嵐の中心には必ずいらっしゃいますけどね。」
実際、毎日遊ぶ時にその時の気分でご友人を誘われていますが断られてもとても軽く次の方を誘われた後日またその方たちを誘ったりしていらっしゃいますしね。
「敵意をむけなければ、ですか?」
「はい。1度だけ本気で怒られて喧嘩になったのを見たことがあるんですが、あの時のおカミさんは正直に申し上げて冷静さのかけらもありませんでしたね。」
「ど、どんなかんじに?」
「荒ぶる神と申しましょうか。ナツさんでも収められず罵詈雑言の祭りでしたね。」
「えぇー・・・。」
「ですが、良くも悪くも身内贔屓なのでしょうね。ご自身の周りの方へは上辺ではなく本当の意味での気遣いをそれはもう自然になされている方ですよ。それこそご本人すら気付かない程に自然にです。」
「べた褒めですね。」
「お2人に心底惚れてしまったのでしょうね。本当にお会いできてよかった。」




