2-6 オム side
☆
こんなに暖かく迎えてもらえるものなのかな。陽キャ怖いって逃げてばかりいたけど、この人たちなら少し安心かも。
なんか最後の一幕だけは印象も全然違ったな。真面目な話しても茶化したりとかしないんだ。意外だった。あの人たちとは違うってことはわかってはいたんだけど。人との関わり、見つめ直すいい機会になればいいな。
「さて、じゃあいろいろまとまったことだし、僕はいったん自分のギルドに戻るよ。」
「おう、サンキュ。」
「ちょっと待たすかもだから先にユニオン街みておいでよ。まだ行ってないよね?」
「あー。そうするわ。」
「あの、ゴリラさんは加入しないんですか?」
ナツさんとの会話が終わるのを見計らい声をかける。
「僕は今所属しているギルドがあるからね。そっち抜けて移籍するんだよ。なーに。そんなことで揉める連中じゃないからね。心配しないでよ麗しき人。」
「え、あ、はい。わっわかりました。」
この人は常にこのテンションなんだろうか。ちょっと怖いんだけど。
「あー、オムさんこの人ネカマだから気にしないでいいよ、全部テキトーなこと言ってるだけ。」
「おっと我が女神様よ、それは言わない約束だろう?」
「言っとかないとただのセクハラ筋肉変態だからあんた。」
あ、それなら受け入れられそう。いきなりよく知らない男性に言い寄られるとかちょっと勘弁願いたい。こうしてゴリラさんは去っていった。
「よし、じゃあいくか。オムさん時間大丈夫?」
「あ、はい。この後は特に用事とかはないので。」
「あ、敬語じゃなくてもいいよ、ラフにいこう。」
「あ、はい。あ、うん。ありがとう。」
こういうところが陽キャなんだよなーーーー。チラッとブックさんを見たけどニコッと笑うだけ。
「そ、そういえばブックさんはずっと敬語なんだね?」
「私はこの話し方が染み付いていますので。お気にならさず。」
もう一度微笑みかけてくるブックさん。ナツさんたちももうそれで受け入れているみたいだ。
☆
「ぜっっっっっったい海!!!」
「いーーーーや見晴らしいい丘の上だね!!!」
現在地、ユニオン街・自然エリア。ちなみに1番人気のエリアだ。他にはコンクリートエリア、オアシスエリア、廃墟エリアとある。ちなみに人気順。あと、オアシスエリア以外は四季があるらしい。
「ふむ。困りましたね。」
「なにがです、えっと、なにが?」
「これは私がどうこう言っても決めれる議題ではありませんので。」
なるほど。確かに。私はぶっちゃけどっちでもいいが、確かにこの問題は理屈ではない。
「浜辺沿い端っこしか空いてないだろ!!」
「丘の上なんていくのめんどくさいじゃん!!」
この2人って常に揉めてんのかな。いや、揉めてる訳じゃないんだろうけど。
「間をとって平地というのは・・・」
「「なにもないじゃん!!!」」
「ですよね。」
えっとさすがにこれはどっちかが折れるしかないんだと思うんだけど、これ私が言っていいのかな。余計なお世話かもしれないし、でもどうしたら。
「これはあれですかね。あ、オムさん。多分オロオロしないで大丈夫ですよ。」
「え、オロオロ?てかあれって?」
「よーーし!じゃあ勝った方が場所決めるってことで!」
「よーしその勝負のってやろうじゃないか!!!今度は私が勝つから。」
「では今回はオムさんに審判をして頂きましょう。」
え?なにが?キョトンとしていると目の前にポップアップウィンドウが開かれる。
『デュエルの審判に選ばれました。承諾しますか?』
そしてYES、NOマーク。デュエルってこうやってやるんだ。したことないから知らなかった。
「ではルールはいつも通りHPの半分を超えたところで終了ということで。1回勝負なので恨みっこなしでお願いしますね。」
「「OK!!!!!」」
☆
私を含む3人が承諾したところでデュエルフィールドへ移される。なお、観戦モードでブックさんも観戦中。
「今回はスタートの合図はナツでいいよ。前私だったから。」
「そんな余裕こいていいの?」
「いつでもきな!崇めさせてやるよ!!」
「あ、じゃあいつでも始めてください。」
私の声で2人が黙る。
「後で文句言っても知らないからな。速さも体力も俺のが上なんだからな!!」
「・・・。」
「あ、これはおカミさんの勝ちですね。」
「え?」
一瞬ブックさんに目をやると、ナツさんが動く。その瞬間、目の前に特大の火柱。
「はぁ!?」
身動きが取れず火柱の中で燃やされるナツさん。
「まだまだ。《ポイズン・ナパーム》!!!!」
さらに毒の爆弾がナツさんを飲み込んでいく。
「くっそ!だる!!!やり返してやる!!!」
切りこもうと急接近するナツさんだが、
「あ、そこまで。」
気がつけばナツさんは毒のダメージでHPが5割を切る。何も出来ずにおカミさんの勝利である。
そして、デュエル終了とともにユニオン街に戻される。
「やったーーー!勝ったーーー!」
「まじクソ。」
「今回は作戦勝ちですかね。すぐ切り込めばナツさんにも勝機がありましたがいつでも打てるようにおカミさんは詠唱終えて構えてましたからね。挑発に乗らず冷静に構えていたおカミさんの勝利ですね。」
なるほど。だから始まる時おカミさんの勝ちだって言ってたのか。
その後、海辺沿いで空いているスペースからここにしようと言うことで話はついたのである。ちなみに最大限の譲歩として海辺沿いから2列内側にある丁度ビーチの真ん中辺りの少し高くなった場所に決まった。




